前回までのあらすじ
鬼丸は怒りバトを殴り、10年は軽くねぇと諭します。薫丸と冴ノ山は同期で、この昇進に心から喜び合い結果が全ての非情な世界でも独りじゃないから戦えるのです。ここで定期メンテナンスで蟹江先生と共にユーマとレイナが現れ、咲は浮いた話の予感がします…

鬼丸・レイナ、恋愛番付序ノ口
ユーマは大学でスポーツ医療を学び蟹江先生に弟子入りし、鬼丸のボロボロの体に驚きます…蟹江曰く毎日交通事故に遭ってるようなものなのです。浮いた話がないのかユーマは問いますが、鬼丸は不器用でモテるはずの関取なのに縁知らずです
咲に煽られ、レイナはその気になり鬼丸と二人で散歩する事になります(笑)堀は二人を応援する側に回ります。鬼丸・レイナ共に恋愛経験がなく言わば恋愛番付序ノ口です。それぞれの道で輝く周りの姿に鬼丸の横に立つには何もなくて…と焦るレイナ、そこで唐突に駿海が倒れたと電話があります
急いで病院に行くと実は駿海は元気で、鬼切が呼び寄せる為に大袈裟に伝えたのです…鬼丸は激怒し、駿海と二人きりで実は次の場所まで命が持つかどうかと言われます。大和国以来10年振りとなる日本人力士の幕内最高優勝を鬼丸に託し刃皇に…この国に再び火を点けてやってくれと請われます
鬼丸は母の事を思い出し、ワシが九月場所で優勝する姿をその目で見届けると誓ってくれと迫ります。鬼丸はレイナに弱い所ばかり見られとる気がするとし、レイナも受け入れます。鬼丸がやる気を見せると何とそこに刃皇夫婦が現れ、駿海の見舞いに来ていたのです
奥さんの由美は2個上の元銀座のホステスでレイナは力士の嫁としての心構えを学ぼうとします。何度か出くわしたものの刃皇は記憶がなく、流れでWデートとなり鬼丸行きつけのちゃんこ屋に向かいます。先輩の薫富士の店で、ユーマ達も先に居合わせ、状況を見守ります
上機嫌の刃皇は無類の相撲好きも大和国の記録を抜いた辺りからモチベーションを維持するのが難しくなり、駿海に3年待てと言われ続けていると言い、鬼丸は九月場所で優勝するのはワシですからと宣言します。ここで立ち合っても良いと言う鬼丸に、刃皇はそこに愛はあるのかい?ときっぱり断ります
不器用な二人の砂浜での一番
刃皇は鬼丸が死にたがりだと言い、本当に相撲を愛しているのなら相撲で幸せになれと諭し、相撲をやめても人生は続く為人として成長し豊かになれるか、それが相撲道であり恩返しなのだと語ります。いつの間にか刃皇は寝ており、由美は勉強不足のレイナを蔑み鬼丸にやめておきなさいと忠告します
鬼丸はレイナの陰の頑張りを知っており、何度も力を貰って来たと言い、ここで大包平が迎えに来て宴もたけなわとなります。鬼丸達二人は海辺を歩き、お互い不器用ながら想いを伝え、砂浜で相撲を取りレイナが勝ったら付き合う、鬼丸が勝ったら諦めると強引に決まります(笑)
鬼丸はレイナの真っ直ぐさに惹かれ、死ぬのを恐れこの刃が鈍るのが怖かったのです。逃げずに応えろと彼女も戦っとるんじゃと悟った鬼丸は押し倒しで敗れ、ついにキスを…というところで堪忍袋の緒が切れたユーマが現れご破算です(笑)帰り際柴木山部屋に童子切関と大和号関が現れます
ー7月下旬、岐阜県某所で大和国部屋の夏合宿に誘われ、そこには三日月や大典太、数珠丸もいます。打倒刃皇を掲げコーチ陣に引退した大景勝と大和国も廻しを締め気合いを入れ稽古が始まります
因縁の数珠丸にリベンジ
一方レイナは由美と連絡を取り横綱が所属する朝陽川部屋の稽古見学に赴きます。刃皇が現れると空気が一変します
大景勝は刃皇の相撲は「後の先」だとし、50戦以上やって僅か6回しか勝っていないがやるべき事は二つー刃皇に揺るがぬ己の確立と勝負勘を養うべしと説きます。稽古は厳しく、申し合い稽古とぶつかり稽古を絶え間なく100番勝つまでという凄まじい内容です
鬼丸はついに因縁の数珠丸と対します…2年前負傷させられた相手です.。数珠丸は気が優しく巨漢の為対戦相手を負傷させる事も少なくなく、典型的なエレベーター力士です。立ち合い合わず、鬼丸は張り手でそんな調子なら死んだこの腕が浮かばれねぇんすよ!と自らの弱点をぶちまけてしまいます
お互いの弱さを認め怖いけどそれでも欲しい勝利があると気張り投げる数珠丸、鬼丸は堪え焼け撥から右腕では投げは打てずも出来る事はあると廻しは取らず一本背負いー無刀一輪であの巨漢を強靭な足腰と小ささで奇手が必勝の一手に昇華させます
強い鬼丸に我先に次の相手を申し込む猛者達、猛稽古を積みますがお互いライバルであり本場所前に手の内全てをさらけ出す気はないのです。鬼丸はレイナに電話でお互いの近況報告をし、レイナが苛烈を極める稽古から刃皇の他に大包平関にも気を付けた方が良いと助言したところでこの巻は終わります
まとめ
今巻は所謂ラブコメ要素が面白い内容となっています。お互い恋愛に疎い者同士の初々しいやり取りは読んでいるこちら側も何か気恥ずかしさと共に清純さを感じさせ好感が持てます。火ノ丸相撲冒頭では女王様ぶりを発揮していたあのレイナがしおらしい女性となっていく成長っぷりが見ものです
硬派な熱血スポコンものである火ノ丸相撲にラブコメ要素も加わり、俄然面白くなる中、打倒刃皇を掲げる猛者達の鬼気迫る稽古風景も熱い展開です。昨今の大相撲は毎回優勝力士が変わる混沌とした所謂圧倒的強者が居ない訳ですが、火ノ丸相撲の世界では10年日本人幕内優勝が出ていない設定です
ずっと刃皇一強時代が続いており、その刃皇自ら九月場所優勝したら引退すると宣言するのですから、周りの力士も黙っていられません。岐阜での合宿は苛烈を極め、鬼丸も数珠丸に土を付け因縁に決着を付けます。きっと関取はケガした方もさせてしまった方もずっと心に残ってしまうのでしょうね
こうした刃皇包囲網が敷かれる中、肝心の刃皇側でも同部屋の大包平が荒れ何か波乱の様相です…21巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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