「火ノ丸相撲」7巻の数々の激戦と成長譚~石高との決勝戦は熱を帯び各々奮闘!三ツ橋・ユーマの成長と國崎・小関の安定感で勝負は因縁の大将戦へ~おまけ記事アリ☆

前回までのあらすじ

先鋒は三ツ橋間宮ですが、三ツ橋はこれまで全戦全敗です。体重差100kg以上、正面突破に拘り続ける三ツ橋に集中し、極限まで視野が狭まった瞬間ー八艘はっそう飛びで後ろを取り、この時に賭けていました。彼の気持ちを十分知る桐仁が必死に声援を送ります…

異種格闘技戦

密かに特訓を続けていた三ツ橋、ついに初白星か?と思いきや間宮は即反転し実はもしもの備えをしていたのです…こうなると三ツ橋に勝機は無く健闘虚しく敗れます。國崎はレスリング部時代の黒歴史を監督と語り、相撲部でやっと’’仲間’’に出会えたと言われ、自分以外の為に勝とうと思ったのは初めてだと気張ります

二陣戦はレスリング王者國崎柔道王者荒木の異種格闘技戦です。団体戦っつても結局は個人戦×5、気負わず勝負に没頭しようぜと挑発する荒木國崎はいつだってベストコンディションだと豪語します。取り組みが始まると組み合わずお互い様子見し迂闊に踏み込めない…組際が一番危険な事を知っているのです

先に仕掛けたのは國崎でレスリング張りのタックル「双手刈もろてがり」を放ちますが荒木はカウンターの内股で優位です。荒木の’’削ぎ落とす強さ’’に脅威を感じながら國崎は逆に’’削ぎ落とさない強さ’’もあるらしいぜ!と腰投げで返します…國崎は足裏の感覚ー把持力はじりょくを徹底的に鍛えていたのです

ところがその時間を’’削ぎ落とした’’荒木は空中で切り返し払い巻き込みで捨て身の技です。走馬灯が過る國崎は一つの’’技’’の記憶を引き当て右下手投げー鬼車で仕留めます。名塚國崎の’’力士’’としての産声を聞いたと感じます。これで1-1となりあと一敗までなら出来る状態で中堅:ユーマです

後悔を胸にユーマ善戦

荒木は思う所がありなかなか土俵を降りず、金盛に諭され入れ替わります。ここから春の三人制団体戦と同じ組み合わせとなり、ユーマは狛犬型仕切りで諸手突きから追い突きと畳みかける算段でしたが、逆に金盛の鋭い突き:「大砲おおづつ」を食らいます

不良に敵愾心を持つ金盛に圧倒され土俵際のユーマは「空手に先手なし」と「後の先」を取り続け空手改法ー巻き伏せでいなし…むしろ捌き追い突き・開手かいしゅを放ちますが金盛は額で受け頭突きのような形で形勢逆転です。ユーマ小関にしてきた仕打ちについて後悔があり、それは日増しに大きくなります

ここでユーマ蹴返し下段蹴りから掛けた足を引いて加速し掛け突きー破城掌はじょうしょうで今度こそ効いています。ところが突き合いでは敗れても団体戦の勝ち星は譲らんと腕をキメ波離間はりま投げーで仕留め金盛の勝ちです。ユーマが謝ろうとするので小関は制し俺が勝って火ノ丸に繋げると気負います

雄々しく成長した小関

気負う小関の背中を火ノ丸は叩き、頼りなくも広い包容力で全てを受け止めて来た小関だから部長が務まる、部長が報われる姿を見せてくれと送り出します。真田は間違いなく全国クラスですが、副将戦は小関も凛々しい顔を見せどちらが勝つと簡単には言えない状況です

「体」は互角、「技」は真田が上もその差は「心」で埋められない差ではないと名塚は語ります。すると立ち合い真田の突進で小関はあっけなく倒れますが立ち合い不成立と駆け引きは始まっています。委縮するかに見えた小関成っちまった・・・・・・らしく張り差しで冷静に組み合います

真田には武勇伝があり、尾ひれも付いて大きな話になっていますが、実際は揉め事を制し停学、後相撲部に復帰しそれ以来相撲部に喧嘩売る奴はほとんどいなくなったというものです。上手投げで仕掛ける真田は続けて喉輪、更に引いて緩急を付けと怒涛の連続攻撃です

ところがそんな攻めを凌ぎ切っている小関の持つ強さを真田は知っているのです…小関は1年の時から例え一人でもコツコツ練習を重ね、その熱心さに真田は「恐怖・・」すら感じます。組み手は五分・がっぷり四つの引きつけ合いで「心」が試されます

前半の一方的な攻めでつい息を吐いた真田を一気に寄りますが、土俵際ちゃり、ここでも慌てなかった小関は残り勝負ありです。際どくも先に足が出ていたのは真田で、勝った小関火ノ丸に「報われる姿を見せてほしい」と繋ぎ、火ノ丸が大将戦に臨むところでこの巻は終わります

まとめ

千葉県最強の石高相手にダチ高は一歩も引かない堂々とした相撲で対します。各々の個性が光り、団体戦の醍醐味とも言えるこの取り口は全く読めない展開もあり非常に面白く、主人公:火ノ丸なしでも漫画として成立しているのが凄いです

小兵の三ツ橋が執念で八艘はっそう飛びを披露したり、ユーマが単純な押し相撲から脱皮したりと成長を見せる中、ダチ高の要となるのは國崎小関でしょう。國崎のトリッキーさは群を抜いており、二陣に彼がいる事で安定感が生まれます。また、副将に小関が入る事で勝負を大将:火ノ丸まで繋げる戦いが出来るのです

剣道と違い引き分けが無い為、白黒が付く相撲の団体戦はとにかく先に3勝したら勝ちというものとなり、どんなに大将が強くてもその前に試合が決まってしまう可能性をはらみます。奇手も勝負の常とはいえ、やはり正攻法に大将戦が一番見応えのある内容だと非常に白熱して盛り上がります

1年同士とはいえ国宝と言われる二人の対決、勝ってIHインターハイに進めるのはどちらの高校なのでしょうか?8巻に続きます…

おまけ

皆さんの住む地域にご当地力士はいますか?本レビュー筆者の住む福島は大波三兄弟「若隆元」「若元春」「若隆景」の地元で非常に盛り上がりを見せています

まず有名なのがお父様が切り盛りされている「ちゃんこ若葉山」。こちらは美味しいちゃんこ鍋を食べられる貴重なお店です。塩ソップ鍋のコース料理では締めはうどんか雑炊か選べ、デザートも付き非常に美味しかったです

また地域活性への取り組みも顕著です。福島駅西口のPVパブリックビューイングでは大相撲中継されており、その他にも稲荷神社節分祭での豆撒きや鉄腕DASH等への出演で大いに盛り上がりました

最近だと福島合宿として朝稽古が行われ、多くのファンが観戦に訪れていました。非常に迫力があり、勿論本場所や地方巡業で課金して観る事も方法としてはありますが、お金を掛けず本物の力士を拝める機会も探せばあるのです

ご当地力士が活躍すれば自ずとその地域は盛り上がります。皆さんもご自身の地域出身の力士を探して応援してみては如何でしょうか?

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