前回までのあらすじ
炭治郎は清とてる子を連れ外に出ると、猪頭の男が善逸を襲っており、善逸が炭治郎に箱が命より大事なものだって言ってたから守ったよと告げます…
緊急指令で那田蜘蛛山へ
耳の良い善逸は音から箱の中に鬼がいる事に気づいていましたが、炭治郎から泣きたくなるような優しい音がするため、真相を直接聞くと決め、猪頭の男から箱を守っていました。猪頭の男は最終選別の五人目の合格者なのです
猪頭の男が善逸ごと箱を串刺しにしてやると言うので、炭治郎は鬼殺隊同士が刀を抜くのはご法度だとぶん殴ります。では素手でやり合おうと猪頭の男はまるで四足獣と戦っているかのような重心の低い攻撃を仕掛け、関節も異様に柔らかいのです
炭治郎が頭突きすると、ついに猪頭の男(伊之助)の面が取れ、女の子みたいな顔をしています。そのまま脳震盪となり気を失い、その間炭治郎達は埋葬を進めます。結局炭治郎・善逸・伊之助の三人は鴉の指示で藤の花の家紋の家に赴きます
そこにはお婆さんがおり、負傷につき完治するまで休息する事になります。善逸が箱の中の鬼の事を気にしていると、中から禰豆子が出て来て、そのあまりの可愛さに善逸は嫉妬し、炭治郎を羨みます。禰豆子が妹だと分かると善逸は急にへコヘコしだします
傷が癒えた頃、緊急指令で那田蜘蛛山へ向かう事になります。そこには隊服の男が倒れていて、糸に繋がっており消えてしまいます。更に隊士がおり、十人が斬り合いになってしまったと言うのです。炭治郎達にも襲って来たため、対応すると、糸で操られている事が分かります
すると物凄い刺激臭がし、蜘蛛が操り糸を繋いでいるのです。蜘蛛は無数にいるので、親玉の鬼を見つけるしかありません。更に空中に浮かぶ鬼がおり、「母さん」と言っているので、操り糸の鬼は別にいます。触覚が優れる伊之助は「獣の呼吸 漆ノ型 空間認識」で鬼の居場所を突き止めます
伍ノ型 干天の慈雨=慈悲の剣撃
炭治郎と伊之助が先へ進むと女隊士が「階級が上の人を連れて来て、みんな殺してしまう」と強く操られています。炭治郎は閃き、グルグル逃げ回ると体当たりし、そのまま木の上に投げ上げ、隊士は糸が絡まり宙に浮かびます。この戦法で二人の隊士を助けます
しかしその隊士は糸で頸を折られ、仕方なく先に進むと頸の無い鬼がいます。炭治郎は右の頸の付け根から左脇下まで斬ってみようと提案しますが、鬼は強く、炭治郎は二人で戦おうと指示、連携から鬼の腕を斬り、炭治郎の「肆ノ型 打ち潮」から伊之助の袈裟斬りで止めを刺します
炭治郎の真似で伊之助は炭治郎を宙に飛ばし、そこには「母さん」がおり、抵抗しなかったため、炭治郎は「伍ノ型 干天の慈雨」で苦痛を感じない慈悲の剣撃を放ち頸を斬ります。「母さん」の優しい目を見て炭治郎は人間だった頃誰かに優しい眼差しを向けていたと悟ります
「母さん」が十二鬼月がいると言うので、怪我をしながら強がる伊之助と先を進みます。一人遅れた善逸が後を追うと人面蜘蛛を見つけ、大慌てで逃げると、家と人が糸でぶら下がっており、家から巨大蜘蛛が出て来ます!善逸は手を蜘蛛に噛まれており、毒で四半刻後には巨大蜘蛛の奴隷となると言われます
一つの技でいい、極めろ
善逸は錯乱し、木に登り過去じいちゃんに鍛えられ、落雷が原因で髪の色が金髪に変わった事を思い出します。大量の抜け毛に気を失った(眠った)善逸は木から落下しながら「壱ノ型 霹靂一閃」を放ち、巨大蜘蛛の斑毒痰を咄嗟に避け、同じ技しか出せないものの、じいちゃんに一つの技でいい、極めろと言われた事を思い出します
親のいない善逸を決して見捨てず、何度逃げても見限らなかったじいちゃんの事を想い、毒が回る中善逸は「霹靂一閃 六連」で物凄い軌道の連撃を放ち、巨大蜘蛛の頸を斬ってしまいます!善逸は意識が朦朧としながら、何とか毒の巡りを遅らせるようと諦めない姿勢を見せます
伊之助の怪我が酷いため、下山しろと言う炭治郎ですが、伊之助は言う事を聞きません。すると「娘」の鬼を見つけ、「お父さん‼」と呼ぶので上から新たな鬼が現れ、オレの家族に近づくなと凄まれたところでこの巻は終わります
まとめ
今巻で印象に残るものとして、例え鬼相手でも、無抵抗のものには苦痛を感じない慈悲の剣撃=「伍ノ型 干天の慈雨」を使い分ける炭治郎の優しさが際立ちます。バトルものは圧倒的強さから無慈悲な結末が多い中、これも吾峠呼世晴先生の人となりを体現するかのような優しさが垣間見えます
また、不器用な善逸は雷の呼吸は六つの型があるものの、「壱ノ型 霹靂一閃」しか使えません。師匠であるじいちゃんは厳しい人でしたが、善逸の長所も短所も見極めた上で、一つの技でいい、極めろと長所を伸ばしました
多くの技を操れれば、炭治郎のように器用に状況に応じて使い分ける事も出来るでしょうが、不器用な善逸は一つの技に特化する事で、尋常ではない強さを発揮します。これは人生においても同じ事が言えるのではないでしょうか?
那田蜘蛛山には十二鬼月がいるという事で、鬼の血を採取するチャンスですが、鬼家族の親玉・父親も現れ、一筋縄では行きません…5巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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