前回までのあらすじ
結局翌日陣痛は起こり、赤ちゃんが大きいため慎重に対応、20時間後全開となり、少し出口を切り無事出産します。4100ｇという大きな赤ちゃんが産まれ、先程の夫婦の夫と共に喜びを噛み締めます…
無痛分娩
ベイビーのリハーサル中マネージャーの滝は妊娠中の妻が無痛分娩に興味があると話します。今は硬膜外麻酔での分娩が主流だと答えます。院長はペルソナ医でも無痛分娩を取り入れたい（要は金儲け）と打ち明けますが、サクラはその分人員配置を厚くしてくれるのですねと喜び、院長はトンズラします
サクラの元に循環器科の堀内が来て、肺動脈弁狭窄の妊婦（山崎）の事を相談し、サクラは山崎に無痛分娩での出産について話します。日常生活については支障はないものの、妊娠は話は別なので、そちらを勧めます。いきむと心臓に負担が掛かるため、吸引分娩となるのです
リスクについても聞いた山崎は、友人のアユミから無痛分娩ではなく自然に産まないと愛情は湧かないと言われてしまい、戸惑います。山崎はその事を気にして、いざ無痛分娩の麻酔を…という時に、麻酔なしで出産出来ないかと持ち掛けます
サクラは他人の戯言に耳を貸さず、山崎の場合は手術した心臓に負担を掛けずに出産するためにも麻酔は必要だと説きます。山崎は無事出産し、出産に勝ち負け等ないのだと気づきます。サクラはベイビーとしてライブをしながら、山崎の言葉を嬉しく感じます
長期入院（前編）
先日ペルソナ医で出産したアリサが顔を出します。七村は切迫早産で、2か月以上の入院が必要となり、夫が二人の子供の面倒を見ることになります。アリサはサクラに次のレコーディング用に1曲描いて欲しいと言います
夫は幼い二人の子を連れ入院の準備をし、妻にまた明日来ると告げると、帰り際七村はアリサを見つけ感激します！七村は学生時代アリサのコピーを歌っていた程のファンで、娘にアリサと名付けたくらいなのです
夫は慣れない家事・育児にてんやわんやです。何とか妻不在も3人で乗り切ろうと頑張ります。七村は入院もやる事がなさ過ぎて却って不安が沸き起こり、夫に不満をぶつけてしまいます。夫は任せておけと胸を張りますが、仕事・育児の両立は難しく、てんてこ舞いです
七村はやっと相部屋で吉野が来たため喜びますが、前置胎盤の吉野は素っ気ないのです。更に相部屋に西山が現れ、こちらは話にも乗り気なため、七村は安堵します。強面の男が入って来て、吉野は殺し屋？と驚きますが、何と西山の夫で、夫婦で洋菓子店を営んでいると言い、美味しいプリンを寄越します
七村の夫は頼りにしていた後輩の佐藤に仕事を無茶振りしており、佐藤は堪忍袋の緒が切れてしまいます。結局七村が仕事を持ち帰る事になり、コウ太の荒れっぷりから、亜里沙は将来お医者さんになると言い、サクラにこの状況が何時まで続くのかと打ち明けます
サクラはファミリーサポートという制度の事を話し、自分達で抱え込まないで、様々なサービスを上手く使っていくべきだと説きます
相部屋では吉野が突然出血をし、帝王切開となり、無事出産、その出血の量にも納得のいく説明をされ、七村は吉野の無口もずっと不安だったからなのだと理解します。七村の夫は割り切ってファミリーサポートも利用することにして、気持ちも楽になったところでこの巻は終わります
まとめ
ここでも人は他人と異なる事を異常に感じる人間の醜さを感じさせます。勿論自然出産は理想ですが、様々な理由から無痛分娩を望む（せざるを得ない）妊婦は一定層いる訳で、山崎の友人の心無い言葉に山崎は傷つきます
人はどうして物事はこうあるべきだと他人に押し付けてしまうのでしょうか？正解等ないのに、他人に価値観を押し付けてしまってはいないか？自問自答すべき事は多々ありますね
長期入院（前編）では、2人の幼い子がいる七村家の奮闘が描かれます。家事全般を妻に任せきりにしていた夫は、妻不在でその大変さに目を回します。七村家のように両親に頼れない場合、ファミリーサポートのような制度を上手く利用して乗り切るべきだとサクラは説きます
育ちざかりの2人の子供の面倒を見ながら、妻不在の中仕事もこなさなければならないのは夫には酷な状況です。余裕があるから、望まれての妊娠・出産ではあるものの、夫婦になる・子供を産むという事は想像以上の負荷が掛かり、それをサポートする機関等を有効に活用すべきだという気づきにもなります
2か月もの入院生活に、夫として、妻として、子供として…七村家の葛藤は続きます。11巻ではどんなお話が待っているでしょうか？
おまけ
コウノドリはドラマ化もされています。2015年に全10話という形で実写ドラマ化され、主演の綾野剛は連続ドラマ単独初主演となりました。現在はレンタルや見放題サービス等で観ることが出来ます
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