ためになる!「コウノドリ」32巻の産科医療現場の光と影~最終巻!仕事と親友と恋人で揺れる小松の想い…母親の面影を残す美幸との出逢いでサクラが感じる普遍的な考えとは!?~

前回までのあらすじ

部長下屋の頑張りを認め、胸を張って産科に戻りなさいと話します。産科のスタッフ全員が下屋を暖かく迎え入れます…

助産師の選択

小松ジョージにデートに誘われ、母の命日だという事で、一緒に墓参りに行きます。小松はキャリアも長く、アドバンス助産師の資格を持っていますが、給与面でのメリットは特にありません。武田とその事を話していると、唐突に武田は一緒に助産院を始めないか?と言ってきます!

ジョージは売れっ子の音楽プロデューサーからニューヨークを拠点に活動しないか誘われており、小松を一緒に連れて行けないか考えています。武田は現在の勤務先に不満があり、どの妊婦も顔の見知った助産師に取り上げて欲しいと思うはずだと言います

逆に小松武田にペルソナ医に来ないか?と誘いますが、あくまでペルソナ医は病院で、妊婦一人一人のためのお産は出来ないと言います。小松は慌ただしく過ごしていた中、産後鬱になってしまった土屋の事を思い出せず自身を責めます

小松は母の姿を思い出し、急に疲れたとジョージに漏らすと、ジョージは一緒にニューヨークへ行かないかと持ち掛けます。揺れる小松は、助産院を始めるような度胸はないと武田に正直な気持ちを吐露します。小松は助産師志望の女の子に病院のルールで夫以外の家族は出産に立ち会えないと渋々伝えます

院長小松を繋ぎとめるために院内助産を始めたいと切り出します。助産師主導のお産も始める事で、比較的手の掛からないケースを助産師の手厚いケアの元行えるメリットもありますが、果たしてこのペルソナ医でやるべきかは意見が分かれるところです

小松は若手の中には助産院を始める事に不安を感じている者もいて、経験豊富な助産師がチームには必要だと話します。ジョージの提案は嬉しかったものの、自身の生きがいである仕事は捨てられないと正直に話し、ジョージも受け入れます

結局武田小松とペルソナ医内で助産院を立ち上げする事に協力し移って来ます。色々と心揺れた小松でしたが、武田の言葉に同感だと話します

出産の明日

サクラは唐突にデンタルクリニックの片平先生から歯科検診に来て欲しいと言われ困惑しますが、これは不倫相手を振るためのブラフだったのです。何となく予感はしていたものの、ペルソナ医に片平が現れ、妊娠9週と4日と分かり、片平はシングルで育てる気でいます

サクラはお土産を沢山買い例の児童養護施設に行き、片平を見たケイコママサクラの母・幸子にそっくりだと言います。ケイコママカイジをデンタルクリニックに連れて来た縁から、片平は養護施設に歯磨きを寄贈し、そこでサクラのプロ並みのピアノの腕前に驚きます

片平美幸)は歯磨き指導をしに来てくれ、ケイコママはまた幸子と重ねてしまいます。疲れやすさの他に痣や歯肉炎のような症状もある事から、美幸は血液検査をすると、白血病の疑いがある事が分かります。骨髄検査の結果、急性骨髄性白血病と分かり、命の危険もあり、更に妊婦ということで、抗がん剤の使用と、赤ちゃんは諦める必要があると話されます

サクラは様々なリスクがある中、本人が妊娠を継続して産みたいと話しており、その手助けをするべきでは?と仲間に話します。取り合えず美幸は半年入院して抗がん剤を投与し、非常に長い道のりの治療を行う事になります

抗がん剤の副作用について現在はだいぶ緩和されて来ていると話し、本人が出産を希望しているという事でチームの方向性も決まります。1クールが終了し、何とか乗り切った美幸ですが、髪も抜け短くし、不安な心情をサクラに吐露します

ケイコママがたまたまペルソナ医を訪れ、幸子美幸の境遇が似ているものの、美幸はまだ生きていると元気づけ、サクラケイコママや自身の母親の影響で産科医になった事も告げ、美幸サクラに絶対に病気に負けないと宣言します

美幸は腸炎も患ってしまい、妊婦という事もあり慎重な対応が必要です。何とか持ち直し、1300gの赤ちゃんを帝王切開で産み、マイと名付け乳児院に入れる事になります。院長は自慢の周産期医療の増設で施設・体制が充実し、それを四宮が見に来ます

サクラ四宮と今後医療の発展で人工子宮による出産も出て来るかもしれないと話します。ライフスタイルや希望のキャリアのために妊娠・出産を諦めている女性は少なくなく、まだSFのような話ですが、需要はあるだろうと言うのです

ペルソナ医の各セクションで最善の処置が行われ、あくまで主役は患者、産科医も助産師も家族の未来のために働くのみだとサクラは話し、改めて出産は奇跡で、その奇跡に幸せと絶望を感じ、全ての赤ちゃんと母親を救うために尽力するのだというくだりでコウノドリは終わります

まとめ

小松に幾つもの転機が舞い込み、揺れる心情が描写されます。自身の過去や助産師としての誇りと不安、恋人や親友からの提案等気持ちが揺れる中、彼女が選んだのはペルソナ医に残る事でした。彼女にとって助産師という仕事は生きがいであり、自身の生きた証なのでしょう

結局院内助産という新しい取り組みに武田も協力して移って来るという形に落ち着きます。大人なジョージもそんな小松の決断を受け入れ、それぞれの場で努力しまた会おうという姿勢には好感が持てます

サクラは母親に似た美幸がシングルで妊娠希望の上白血病という事もあり、慎重に配慮しながら見守っていく事になります。コウノドリ始まって以来のサクラの色恋話か?と思いきや、結末的にはどの妊娠・出産も奇跡で、それを支える側が尽力するのだけだという変わらない想いでした

人工出産という最早SF的な発想も医療現場にはあるようで、それが30年後なのか50年後なのかはまだ分かりませんが、自身のライフスタイルやキャリアによって妊娠・出産を諦めていた女性も多いと思われ、妊娠期が短期間で終わり、リスクの軽減等双方にメリットがあるなら、この超少子化のご時世では良い話なのではないでしょうか?

終わりに

如何だったでしょうか?妊娠・出産に特化した医療ものということで、様々な知識と気づきを読者に投げかけてくれたコウノドリ、正しくためになる漫画としてその支持は熱く、男女共にお手軽に勉強できる完結漫画として人気は高いです

医療もののため今後医療の発展で情報が古くなる懸念もありますが、普遍的な部分も多く、沢山の人に読み継がれていって欲しいです。最後までお付き合い頂きありがとうございました

おまけ

コウノドリは32巻で完結していますが、新型コロナウイルス編という事で続巻が1巻(完結)で出ています。本レビューでも取り上げますので、是非ご覧下さい

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