ためになる!「コウノドリ」16巻の産科医療現場の光と影~VBAC・胎動・子宮筋腫etc…情報社会の明暗と、揺れる妊婦の想いとは!?小松と山下の恋に進展あり!~

前回までのあらすじ

出生届と共に、死産許可証も提出しなければならないのですが、一輝にしてやれることはと考え、業者には頼まず夫が手続きを進めます。火葬では一輝の骨は残りませんでした。妻はサクラ二葉の誕生日が来る度に、いや、何時でも一輝の事を思い出し、私たち家族が5人分幸せに生きると堅く決意します…

VBAC

VBAC(帝王切開後の経膣分娩)を希望する秋野に、ネット等での評判通り楽に出産が済むかは何とも言えないとサクラは慎重です。VBACはアメリカではお国柄もあって一時人気があったもので、日本では産後の回復を早くしたい・入院期間を短くしたい・陣痛を経験したい等自然に産みたい人が気に掛ける出産方法です

秋野は夫に相談しますが、仕事の疲れもありあまり親身に考えてくれません。サクラは比較的肯定的ですが、四宮は子宮破裂のリスクがあるVBACを好ましく思っていません

秋野夫婦はサクラの診察でVBACの成功率は7割程度と考えておいて欲しいと言われます。その中で子宮破裂の確率が5倍に上がり、その中で100人中6人は赤ちゃんを亡くし、100人に1人は妊婦本人が亡くなると言われます。様々な条件のあるVBACなのですが、秋野は条件を満たしています

夫は相変わらず他人事のようで、夫婦で悩んだ末34週でVBACをする事に決めます。注意事項に同意し、38週で立ち合い出産を試みますが、なかなか産まれず夫は疲れてしまいます。あまりに過酷な出産状況で、見かねた夫から育児も手伝うから帝王切開に切り替えようと打診、妻も同意します

当事者は勿論リスクがあり神経を使う訳ですが、受け入れる病院側も神経を使うのがVBACなのです

胎動

高山は妊娠しますが、バツイチで、今回の場合離婚後8週間以内に性行為をし妊娠すると正期産であれば300日規定に引っかかってしまう倉崎は説明します。もし一週間以上予定日より早く産まれた場合、法律上は離婚した前の主人との子供ということになってしまうのです

幸い法律は改定されており、今回のように予定日がしっかり分かれば医師が証明書を書くという事ですが、小松はこの明治に制定された時代錯誤の法律に不服のようです。また、女性は離婚後6か月再婚が出来なかったのも100日へと民法が改正され(2015年末)、少しずつ状況は改善されて来ていますが、この狭間で揺れる人もいるのです

高山は胎動がいつもと異なるため心配になり受診します。夫に痙攣しているのでは?と言われ焦って来たのですが、どうやらお腹の中で赤ちゃんがしゃっくりをしているようなのです!倉崎の説明を受け納得した高山ですが、今度は胎動がない事で不安になり再受診、そういう事もあると宥められ、不安になり過ぎなのかと自戒します

倉崎ユリカの検診で担当医の井川に順調だと言われ、更に自身の実の子であることから、せめて月に一度くらいは3人で会えないか持ち掛けられますが、父親ではなく担当の小児科医としか思っていないと一蹴します。それでも井川はどんなに倉崎が優秀でも、父親は必要だと説きます

倉崎は気を遣われ仕事の呼び出しがなかった事に怒り、スタッフには迷惑は掛けないと気丈です。高山は破水時に逆子である事が分かり、帝王切開で出産、しかし出血が止まらず、責任を感じる倉崎は居残る気でいますが、小松が保育園に迎えに行くことで事が収まります

倉崎は一人で育児も仕事も出来ると意地を張り過ぎていたと反省します。サクラはもっと人を頼っても良いのだよと説きます

子宮筋腫

山本は子宮筋腫のせいでお腹がボコボコしていた中、無事出産出来ます。小松も子宮筋腫があると言い、40代以上の女性の3~4人に1人は筋腫があると言われています。女性にはデリケートな問題でもあり、当事者の小松も気にしています

山本の残っている筋腫も今後様子を見て切除するか検討しなければと話します。妊娠中の子宮は血流も豊富で柔らかいため、筋腫を取ったら出血や感染のリスクもあるのです

矢部は診察時にサクラから子宮筋腫がある事を指摘されます。夫は心配して次の診察時に現れ、良性の腫瘍であることを説明されます。サクラは筋腫は3種類ある事を説明し、そのうち矢部は筋層内筋腫で、基本的に問題ないが痛みが出る事があると話します

武田は夫とも相談し、来週子宮筋腫の手術をすると話します。小松も自身の事を踏まえ、気持ちが宙ぶらりんなのは私だけか~と空を見上げます。山下ベイビーのライブに行き、楽屋でそれとなく気になる助産師(=小松)がいると漏らしますが、ベイビーに冷やかされ、40過ぎると腰が重くなりなかなか誘えないと言います

山本は出産後筋腫の事で頭を悩ませ、サクラは状況に応じて対応を考えましょうと諭します。筋腫は本当に考え方次第で、治療や向き合い方も千差万別です。サクラはそれとなく小松山下との事を冷やかしますが、小松も40過ぎて新しい恋愛など、そんな情熱はないと似た者同士です

小松山下にメールの文面を迷いつつ書き、送信するか悩んでいると、サクラに送信されてしまい、結果的に会うきっかけとなります。サクラは恋愛は年齢ではなく行動力だと言います。山下と食事に向かう車内で緊張した小松はコンビニに向かって貰うと、そこで下腹を痛める矢部と偶然居合わせ、山下が車でペルソナ医まで送ることになります

矢部は27週ですが入院する事になり、投薬等のお蔭か痛みも引き、その後立ち合い出産に成功します。今回の一件がきっかけで山下は初デートにベイビーのライブを選択、その才能に嫉妬する程彼のピアノを認めています。ベイビーがライブ中突然いなくなる件を小松はオンコールだと言い、全ては赤ちゃん(ベイビー)次第と締めくくったところでこの巻は終わります

まとめ

ネット等で気軽に情報を手に入れられる世の中になり、良い面も勿論ありますが、情報に流されたり、知らなくても良い事を耳にする機会も増えました。今回の3つのケースでは、どれも妊婦が仕入れて来た情報に左右されながら、良いと思う方を選択していく場面が見られます

VBCAには良い面も、リスクもあり、選択する自由はあるものの、誓約書を書かせる等あくまで決断は夫婦にゆだね、病院側もリスクを背負わないように対応しています。人命にすら関わって来てしまう問題のため、安易に決断する訳にもいかないのです

勿論当事者は気を使いますが、受け入れる病院側も慎重になり神経を使うということは、覚えておかないとなりません

小松山下の恋模様も若干進展し、基本的に医療もので淡々と事例を紹介していくコウノドリの中でアクセントとなります。お互い40代、恋愛への情熱等最早ないとは言いますが、サクラの言う通り恋愛とは年齢ではなく行動力なのかもしれません

まだまだ続くコウノドリの世界、17巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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