ためになる!「コウノドリ」17巻の産科医療現場の光と影~全編離島医療編!超高齢社会の先進地でゴローが得た離島医療の重要性とその課題とは!?~

前回までのあらすじ

矢部は27週ですが入院する事になり、投薬等のお蔭か痛みも引き、その後立ち合い出産に成功します。今回の一件がきっかけで山下は初デートにベイビーのライブを選択、その才能に嫉妬する程彼のピアノを認めています。ベイビーがライブ中突然いなくなる件を小松はオンコールだと言い、全ては赤ちゃん(ベイビー)次第と締めくくります…

離島医療①

ゴローはペルソナ医から1か月離島研修に行く事になります。するとフェリー船内で老人が突然倒れ、ゴローが冷静に対応、糖尿病のため低血糖になったのだと言います。島後病院は予想以上にキレイなところで、産科のイチロー先生に威圧されながら挨拶します

初日はやることもなく、三崎の案内で宿舎に着き、なんと三崎は以前ゴローが街なかで心肺停止の対応をしていた時にいた看護学生だったことが判明します!島民15000人程のこの離島でお産が出来る妊婦は40%で、初産婦やリスクのある分娩は本土で出産して貰うのです

それ以外は院内助産(病院の中にある助産院のようなもの)で対応します。ゴローイチローの往診に同行し、高齢者を診る事になり、イチローはこの島が日本が近い将来直面する超高齢社会の先進地だと言います。イチローは内科医だったのですがこの島に来て産科医と総合診療医になったと胸を張ります

総合診療医はある特定の専門医ではなく、まんべんなく幅広い知識を持って対応を行います。この島は「子供の産めない島」と呼ばれていましたが、マキ達の努力で産科医や院内助産の制度を作り、全体の妊婦の4割しか診れないが、その意義は大きいと言います

離島医療②

イチローの家に招待され(マキは妻)、歓迎されると共に、島の伝統・相撲を加持の息子(ハジメ)と取る事になり、ゴローは圧倒されます。休みの日に魚を買いに行くと、釣りに誘われ、その後今度は前ノ島病院の妊婦検診に赴きます

院長の白井もまた豪快な人で、いつもはイチローが月に2回訪れ、そのタイミングで他の島の妊婦がやってくる(出産や健診費用・交通費も行政負担)のですが、今回はゴローが対応します。すると珍しく未受診妊婦(ミズキ)が現れます!もう中絶も出来ないため、予定日を1月9日と決め、初産なので本土で産む事になります

ゴロー白井が15年以上も離島医療を続けている事に感嘆しますが、責任感だけでなく、面白いから続いていると言います。離島で医師が必要な一番の理由は死亡診断書を書くためだとも言い、そこに急患で外国人観光客が運ばれて来ます!

レントゲンの結果右肺が気胸になっており、白井は離島の医師は総合医でなければならないとメスを入れます。総合医にとって一番大切なのは自分の限界を知る事、適切なタイミングで専門医に患者を紹介する事と、地域の医療ニーズ(離島の場合は高齢者への対応等)だと白井は言います

今では物置きになってしまった分娩室、この島の医療ニーズに合わず閉まってしまいましたが、島後病院の方の院内助産の意義は高いと話します。ゴローは単純に父親が産科医だから産科医になりましたが、総合医の面白さを感じます

離島医療③

ゴローの代わりの2人の研修医はスーパーローテートなので産科が最終目的ではなく冷めており、四宮は内診台に上げて妊婦の気持ちを分からせます

島で人気の雑貨屋で妊婦の久松が足にむくみがあるという事で、ゴローは明日必ず病院に来て下さいと言います

ゴローはフィリピンパブに連れて行かれ、美味しい蕎麦をご馳走になります。久松の父はパワースポットである八百杉に祈り、イチロー久松の父が消防局長で救急隊員として働いてきたことから、この島で本当のお産の怖さを知っているのは私達の他に彼なのだと言います

久松は入院することになり、血圧が高い事から、本土で分娩させた方が良いと判断、ヘリの用意をします。するとミズキが現れ、切迫早産で分娩は避けられず、先にヘリに乗せて久松には待って貰う事になります

今度は久松が胃が痛むと言い、調べるとHELLP症候群(母体死亡率1%・児の周産期死亡率30%)だと分かります。更に子癇発作を起こし、症状は治まりますが、ゴローはすぐ帝王切開すべきだと言います。イチローはこの病院に輸血製剤がなく、手術は出来ないと判断します

しかし胎児の心拍が低下し、ゴローは自身の存在意義を叫び、イチローは島内のAB型の人を探し、帝王切開をする事に決めます。結果無事出産出来、ゴローがいたお蔭だと労われます。イチローは医者は都会に集中し、地方はますます医師不足になっていくであろう中、未来のある場所を守る意味でもこの島で産科医を続けると言います

ミズキも本土で無事出産出来、ゴローも研修は終了、送別会を開かれ、三崎ゴローのお蔭で助産師になった事と、この島で産科医をして欲しいと告げますが、まだ経験不足だと言われます。三崎「まだ帰って来れない」ということは、いつかまた帰って来るってコトだと解釈したところでこの巻は終わります

まとめ

今巻は全編離島医療編ということで、作者自ら隠岐の島へ取材を敢行、そこで得たものを漫画化しています

離島は日本が近い将来直面する超高齢社会の先進地という事で、ある意味モデルケースでもあります。地方に住んでいると、都会では感じない不便さを感じる事がありますが、やはり人口の1箇所集中は地方の衰退も生んでしまうのです

医師にも専門医というよりは総合力が求められ、まるで大きな家族のような共同体として生活している離島の人々、ゴローは多くの事を感じ取り、学んでいきます

離島を「子供の産めない島」にせず、マキ達の努力で産科医や助産院の制度を作ったという事は、未来のある場所を作る意味でも非常に意義深い事なのです。ゴローは都会で父親の跡を継ぐという単純な道筋でしか考えていませんでしたが、様々な事を経験し、更に視野が広がっていきます

都会に住んでいる人も決して人事ではなく、日本人が今後直面する課題として今回の離島医療編を胸に刻んで頂きたいです。まだまだ続くコウノドリ、18巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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