ためになる!「コウノドリ」15巻の産科医療現場の光と影~NICUに新しく赴任してきた工藤は神経質…今橋のみ知る工藤の過去とは!?双子の片方が死産してしまう横山夫婦の葛藤と決意~

前回までのあらすじ

結局早産で帝王切開の流れとなり、やはり県外からの出産は色々と大変です。更に別の患者に帝王切開等手が足りないため、先程ジャムパンを寄越した下屋を助っ人として呼び出します。珍しく下屋を褒めた四宮が、当直明けでジャムパンを食べながら休みます…

胎便吸引症候群

新生児科に新しく工藤が赴任して来ます。サクラは初産婦で全開から2時間、羊水混濁もある安西の対応に追われます。吸引分娩となり、無事出産も、陥没呼吸のため、NICUで治療となります。サクラはこの症状を胎便吸引症候群と見ます

赤ちゃんがストレスが掛かると羊水内で便をすることがあり、それを気管に吸い込んで呼吸障害が起こっているのです。工藤は夫婦を優しく労わります。ただ、非常に細かい神経の持ち主のようで、白川と処置についていちいち揉めます

その赤ちゃんが新生児無呼吸発作を起こし、両親は慌てますが、工藤は看護師に悪態をつきつつ冷静に対応します。その神経質な対応に加え、赤ちゃんの両親への態度に裏表を感じる同僚は陰口を叩きますが、今橋はそんな工藤が他のスタッフと決定的な違いがあると言います

サクラ工藤と二人きりになり、工藤が大学で航空宇宙工学を学んでいたと知ります。工藤はNICUが赤ちゃんの両親のための場所でもあり、24時間面会が可能なため、せめて保管器の中だけはキレイにしておきたいと言います

NICUに工藤の娘(ナツキ)がやって来ます。今橋は当時働いていたNICUにナツキが運ばれて来て、カサバッハ・メリット症候群だった経緯を説明します。当時工藤は学生で、この件から医学を志すようになり、ここが他のスタッフとの意識の違いだと今橋は言います

出生届

出産を終えた夫婦に小松は出生届について説明をします。2週間以内の提出期限で、住まいの役所か本籍地、またはこの病院のある役所に提出でき、印鑑と母子手帳を持参と話します。小松は勤務後友人の結婚式に行き、慣れないハイヒールで躓くと、男性に手を取られ、支えられ無事です。男性は新郎の友人のピアニスト・山下ジョージでした

その後山下が有名なピアニストであり(独身)、ベイビーとも共演したことがあると知った小松はCDを買います

シンジの母(横山)は妊娠が分かりペルソナ医に行くと、双子の可能性があると言われます。双子は単胎の妊娠と比べてリスクは上がります。シンジは小学生になり、その成長を感じつつ、双子では色々と大変だとは感じながら、夫婦は喜びも感じています

同じく双子持ちの佐藤に様子を聞いてみると、やはり大変という言葉が返って来ます。産まれて来る予定の双子の性別が男女だと分かり、シンジは興奮します。しかし次の検診で片方の子が死産していることが判明します

DD双胎・二絨毛膜二羊膜なので部屋も胎盤も血流も別々のため、亡くなった赤ちゃんを身ごもったまま、もう一人の赤ちゃんの成長を見守ることになります。恐らく男児の方が亡くなり、今回のケースは予見する事は難しく、出来ることはなかったとサクラは話します

双子が産まれたら5人家族になり、大変なので一人の方が良いと心の中で思ってしまっていた事を夫婦は悔います。産まれて来る一人のために頑張ると決意を新たにします

サクラ山下のコンサートのチケットを手に入れ、小松に一緒に行かないか誘って来ますが、小松下屋と一緒に行くと持って行ってしまいます。満員の会場で最高の演奏をし、観客は満足します。打ち上げで下屋ベイビーの方がパッションがあると話していると、小松のスマホに山下から連絡が入ります!

横山はエコーで胎児の様子を見せて貰います。女児は発育が良く順調で、死産した男児は小さくなっています。シンジにその事を説明しますが、上手く理解出来ていないようです。学校で描いた絵が双子だった事を気にしたシンジですが、先生はこの絵のままで良いと諭します

妻は少しずつ死産した男の子の事も受け入れ、家族でも双子の両方に名を付けようと話します。横山は無事出産し、死産した男の子も姿を残して産まれて来ます。女の子には双子であった事を覚えていて欲しい事から二葉と名付け、男の子には一輝と名付けます

出生届と共に、死産許可証も提出しなければならないのですが、一輝にしてやれることはと考え、業者には頼まず夫が手続きを進めます。火葬では一輝の骨は残りませんでした。妻はサクラ二葉の誕生日が来る度に、いや、何時でも一輝の事を思い出し、私たち家族が5人分幸せに生きると堅く決意したところでこの巻は終わります

まとめ

NICUに新しく赴任してきた工藤は異常な程の神経質で、また、両親とスタッフへの対応に裏表が激しく、陰口を叩かれますが、これには訳があり、今橋が以前勤めていたNICUで工藤の子供(ナツキ)がカサバッハ・メリット症候群のため一年程療養した経緯があり、その事から工藤は志していた航空宇宙工学から新生児医療へ転科するのです

今橋は確かに神経質なところはあるかもしれないが、こういった背景もあるのだと他のスタッフに話します。実の子供の経験から、工藤はより両親の気持ちが理解出来る新生児科の先生になったのです

出生届では、双子が産まれて来る事に期待と不安を感じていた横山夫婦が、男児の死産から息子のシンジも含めて心境が変化していく様を見事に描いています。双子が産まれるという事は何かと不安も多いでしょうし、死産した事でホッとしてしまったと自身を責めてしまう点も仕方ないことでしょう

無事女児を出産し、出生届と共に火葬許可証も提出しなければならず、夫婦・またシンジも複雑な心境でしょう。二葉と名付け、産まれて来るはずだった一輝の分も5人分幸せに生きると決意した横山は、辛い部分もあるでしょうが、きっとどの家族よりも力強く生きていくことでしょう

小松山下の二人の今後にも期待しつつ、まだまだ続くコウノドリの世界、16巻ではどんだお話が待っているでしょうか?

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