ためになる!「コウノドリ」23巻の産科医療現場の光と影~全編出生前診断編!事前に赤ちゃんが障害を持つと分かった上で夫婦はそれを受け入れられるか?~

前回までのあらすじ

塚原の腰痛の症状から骨折の疑いもあり、下屋は整形外科の診察を受けさせます。結果腰椎に2か所の圧迫骨折が見つかり、さらに骨粗鬆症だと診断されます。授乳は卒業し、母体の完治を優先させます

下屋四宮の助言もありこの事に早目に気づけました。しかしジャムパンを取ろうとかがんだ際ヘルプに来た下屋までもぎっくり腰になってしまったというオチでした…

出生前診断①

は検査結果から赤ちゃんが21トリソミー(ダウン症)と分かり、悩んだ末中絶を選択します。ゴローは安易に命を選別する事に疑念を感じますが、倉崎サクラは冷静で、そのリスクとリアルな現状を語ります

水沢小松に出生前診断について問い、万が一赤ちゃんに問題があった場合も考えての事かと返されます

山根は両親から実は死んだ姉がダウン症だったと明かされ、妻にNIPT(新型出生前診断)をして欲しいと言われます。夫は本屋で調べものをした際察しの良い部長が気づき、職場の食堂で実は自身の息子がダウン症なのだと明かします

障害を持つ赤ちゃんが産まれて来るか事前に分かるならという山根の両親の考えは分からなくもないし、NIPTが悪い事ではないと諭されます

サクラ今橋と遺伝カウンセリングやNIPTの是非について語り合います。院長は新任の臨床検査技師・真田サクラに紹介します。なんと真田は更に認定遺伝カウンセラーの資格も持っています!非常にレアな資格であり、今後のペルソナ医にとっても貴重な人材なのです

山根は妻に事情を説明しNIPTを受けないか打診しますが、最初困惑され、妻は一晩考えて納得し、サクラに相談します。詳しく説明を受け、費用が21万も掛かると言われ、遺伝カウンセリングについて検討、真田サクラが応対します

時間厳守と確認したものの、サクラは急患のため間に合わず、真田がアイスブレイクで対応します。真田は自身の愛猫・ゲノムの話で場を和らげ、良いタイミングでサクラも現れ、山根夫婦はその不安な心情を吐露します。真田は受け入れた上で分かりやすく説明し、夫婦は悩んだ末早目に判断するとしてこの場は終わります

出生前診断②

神崎は他の病院でNIPTを受け、陽性と診断され、ペルソナ医のような認定医で羊水検査をするように紹介されます。ゴローが対応し、ダウン症なら産む気はないという妻と夫が揉め、ひとまず遺伝カウンセリングを受けることになります

山根夫婦は両親を自宅に招き、ダウン症で早期に亡くなったシオリの件を聞きます。山根の妻(ヒカル)は辛い想いとはシオリがダウン症だった事と心臓が悪くて亡くなってしまった事のどちらなのか問いますが、両親はどちらも辛く、ヒカルにあんな想いをして欲しくないと涙します

夫婦はお互いちょっとした経験も踏まえ、検討した結果、NIPTは受けず、産まれて来る赤ちゃんを受け入れるとサクラ達に告げます

神崎マリコは40歳で部長職になるくらいのキャリアウーマンでもあり、ペルソナ医を受診し遺伝カウンセリングでダウン症の赤ちゃんが産まれて来たとして、今まで同様に働きながらの生活は難しいだろうと言われます。自身のキャリアも踏まえ、マリコは羊水検査でダウン症と分かったら中絶すると断言します

残酷にもマリコの赤ちゃんはダウン症という事が分かり、人工死産を選択、夫もマリコが相当悩んで出した結論なのだと受け入れます。グリーフケアの事も伝えられますが、マリコは断り、女の子であった事も判明しますが、感情を抑え敢えて淡々と予後過ごします

神崎は死産した赤ちゃんのためにぬいぐるみ等は用意したものの、結局対面せずに別れる事にします。非常にデリケートで難しい判断だったでしょうが、サクラ達は受け入れ、供養したところでこの巻は終わります

まとめ

本レビュー記載者は過去知的障害者通所施設の支援職員として働いていましたので、今巻で取り上げられるダウン症の問題について非常に感じ入る部分があります。医療は日々進歩し、事前に障害を持って産まれてくると分かってしまって、その親は果たして安易に産み育てる決断が出来るのか?ということです

以前と比べ福祉制度も進歩し、特別支援学校や卒業後の通所施設・ヘルパーやレスパイト・グループホーム等の充実で単純に入所施設に入れる以外に自宅で、地域で生活していく制度は発展し続けており、例え障害を持って産まれて来ても育てられるのではないか?と思いがちです

しかし実際の両親にとって障害を持った子を持つという事は壮絶かつ残酷な現実が待っています。世間体・兄弟関係・進学・将来的な展望・両親の死後等問題は山積みなのです。私は支援者として関わっていたので、ご家族の心労というものが痛いほど分かります

ゴローが言うように安易に命の選別をする事に疑念を感じるのも分かりますが、子供が障害を持って産まれるという事(その他障害を事後で負ってしまった場合)は、当事者にしか分からない非常に苦しい、難しい問題が孕んで来ます

サクラが言葉選びに慎重になり、真田も冷静でいるのはこういった背景も良く理解した上で、淡々と数字での確率を告げ、最終的には夫婦に選択させるしかないという事を示唆しています。重ね重ね申し上げますが、決して障害を持っているという事=不幸という訳ではないのですが、多くのハンディがこの世の中にはあると敢えてお伝えしたいです

まだまだ続くコウノドリの世界、24巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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