「MONSTER」13巻の深まる謎と極上ミステリー~テンマが脱獄常習犯・ミルヒと計画した脱走劇とは!?エヴァに忍び寄るパウル=ロベルトの魔の手~

前回までのあらすじ

テンマと関わりのあった人達は皆、テンマがこんなことをする訳がないと一致します。シューマンや、アジア人街で働く女医、そしてシューバルト等主だった人物皆テンマの身を案じています。ライヒワインと共に電車に乗るエヴァは、「あたししか彼を救えない、見ちゃったの」と言い笑います。テンマが監獄に囚われてしまいます…

脱獄常習犯・ミルヒ

グリマーの告発文によりスークの嫌疑が晴れますが、スークは混乱しています。ルンゲは例の扉の奥の女性の絵の額の裏に残された文章を発見します。護送されるテンマルンゲは意味深な言葉を残し、改めて残された文章を読み思案します

ギュンター・ミルヒという脱獄の常習犯と一緒にデュッセルドルフ警視庁に送還されたテンマ、取り調べでも黙秘を貫きます。ミルヒは吐き気を催し、緊急手段として医師であるテンマが様子を見ますが、テンマは即座に仮病であることを見破ります

自分の生い立ちについて話するミルヒは、いつかチュニジアに行きたいと言います。テンマは取り調べでついに真実を話すことにします

テンマは自身の身の潔白というより、ヨハンの存在の照明をしたいような供述をします。ヴァーデマンという弁護士がテンマの弁護を引き受ける決意を固めます

エヴァに忍び寄る魔の手・ロベルト

ヴァーデマンライヒワインに接触し、キーマンとなるエヴァに取り次いで欲しいと言います。アル中のエヴァの説得は困難を極め、ライヒワインも途方に暮れますが、去り際エヴァヨハンの事を思い出します

ヴァーデマンの妻がご懐妊で、間もなく産まれるという事で、代わりにパウルという弁護士がテンマに面会しますが、その男は何と痩せたロベルトなのです!ロベルトは多くを知っているエヴァを亡き者にしようと提案してきます

またミルヒが仮病を使って医務室に運び込まれると、そこには点滴をしているテンマがおり、一緒に脱獄させてくれと投げかけます

エヴァと面会したヴァーデマンは、エヴァヨハンを目撃していることを聞き出しますが、法廷での証言については嫌だと断られます

テンマは全ての事件の犯行を認めてしまいます…このことはニュースでも大々的に取り上げられ、テンマは拘置所に移送されることになります。ヴァーデマンエヴァにドア越しにテンマの無実を伝え、連絡先を書いた紙を置いていきます

エヴァは思い出の多い町・デュッセルドルフでテンマとの出来事を思い出し、子どもからサンドイッチを貰い食べます。エヴァは思い直しテンマの無実を証言すると電話で話しますが、その相手はよりによってロベルトなのです!

テンマ脱走!

テンマミルヒは同じ日に護送されます。ヘレーネグスタフというカップルがおり、ミルヒが言っていた「刑事フォルトナー」の再放送の時間にグスタフは道路に横たわり意図的に轢かれようとしています

10:00ちょうど、何と移送車がそのグスタフを撥ねてしまいます!するとミルヒは計画は失敗だと言い、撥ねられた男はグスタフだと言います。護送官はミルヒに立ち会って貰うことにします。また、医師であるテンマグスタフの様態を診せることになりますが、どさくさに紛れてテンマが護送官に銃を向けます!

テンマミルヒ脱走の報はただちにニュースに流れ、待ち合わせしていたエヴァはホテルのロビーで電話している男の声を聴き、ロベルトだと悟ります。エヴァは入れ違いで部屋にロベルトがいた事に怯えます

重症のグスタフを乗せ、アイスラー記念病院に向かったテンマ達、ヘレーネに医師宛の手紙を託し、病院に向かわせます。エヴァを救うために事を起こしたテンマは、上手くエヴァ滞在のホテルの部屋番号を割り出します

ホテルに侵入したテンマでしたが、402号室は既にチェックアウトが済まされており、エヴァを見つけられません…

電話が殺到しているヴァーデマンのところにルンゲが現れます。テンマの件ではなく、絵本について調べているというルンゲは、その作者とヴァーデマンの父が関りがあると言います。クラウス・ポッペ、またの名をフランツ・ボナパルタたる人物が、赤いバラの屋敷に関係する、チェコ秘密警察の重要ポストにいたという事実が明らかになったところでこの巻は終わります

まとめ

どちらかというと常識的で、突飛な行動はしないタイプのテンマでしたが、元恋人・エヴァの身に危険が及ぶことを恐れ、何とも大胆な行動に打ってでます。要因のもう一つは脱獄常習犯・ミルヒの存在でしたが、彼らはお互いの特性を上手く利用して、鮮やかな脱走を成功させます

ミルヒはありとあらゆる場所で様々な脱走・脱獄を繰り返してきた所謂プロ。様々な連絡網もあるようで、グスタフという伝手の意図してかどうかは不明でしたが交通事故からの一連の流れで上手く脱走に成功します

テンマの弁護を担当することになりかけていたヴァーデマンと共闘する弁護士パウルは実はロベルトだったことは驚きでした!しかもロベルトエヴァとも因縁のある人物、エヴァにも命の危険が忍び寄ります

凄腕弁護士として名を馳せるヴァーデマンの元にルンゲが別件で訪れます。ヴァーデマンの父とフランツ・ボナパルタを繋ぐ一本の線が浮上してきます…MONSTERの伏線の回収っぷりには度肝を抜かされますね、14巻ではどんな話が待っているのでしょうか?

おまけ

浦沢直樹先生の作品にPLUTOがあります。手塚治虫先生の鉄腕アトムに含まれる「地上最大のロボット」の回を原作としており、単行本全8巻、累計発行部数は850万部を突破する人気作です

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