前回までのあらすじ
銃で撃たれたマルティンは車に乗せられ、ヘルブラウ・ホテルのテンマの元へ向かいます…
エヴァの役目は終わった…!?
ある日マルティンはレストランでテンマを見つけ痛めつけます。そのことをエヴァに告げたマルティン、エヴァはパーティーはもうお終い、役目は終わったと言います。再度レストランでテンマとマルティンは遭遇、エヴァの事を問い詰められ、美青年(ヨハン)を指さしたエヴァは眼鏡の男と食事に行ったと言います
テンマはエヴァの役目は終わったと聞き動揺し、マルティンは急いで戻ると、そこには眼鏡の男しかいなく、エヴァを殺せと命令されます。パーティーでエヴァがヨハンを指さすと、ある青年がヨハンと握手し、エヴァは自身の役目は終わったのだと悟ります
ホテルの部屋で吞んだくれているエヴァを見つけると、エヴァはメフィストとファウストを引き合わせてしまったと言います。早く殺せというエヴァに対し、逃げようと持ち掛けるマルティンは、酔いつぶれたエヴァを車で連れて行きます
エヴァをホテルに置いてパーティー会場に向かったマルティンは、握手をしまくっている青年を尾行し、ホテルの一室に辿り着きます。青年は「彼」が来るまで世界が終わる話をしようと言います。更にマルティンの過去も調べ上げたらしく、エッダという恋人と元彼の情事を目撃し、マルティンが去るとエッダは自殺してしまい、そのまま元彼をマルティンは撃ち殺します
マルティンはエッダも殺したと自供します。青年はマルティンが実の母も置き去りにして凍死させたことを見抜きます。マルティンが部屋を去ると、ヨハンがやってきます。マルティンはホテルで寝ているエヴァに銃を向けますが、結局撃てませんでした
マルティン、逝く…
追手が現れたため、マルティンは巧妙にエヴァを逃がし、テンマのところへ行くように送り出します。マルティンは銃撃戦となり、4人撃ち殺しますが、5人目で弾切れとなり、腹部を撃たれ、前巻の例の車内のくだりに繋がります
マルティンはテンマのところへ連れていかれ、応急処置を施されますが虫の息です。マルティンは赤いバラの屋敷の実験はまだ続いている、ペトル・チャペックは悪魔を操ろうとしている、ヤーレツァイスト・ホテル606号室に悪魔の弟子がいると言い残し逝きます
エヴァが待っている駅のホームにテンマが現れ、マルティンの訃報を伝えます。そのまま二人は喫茶店へ行き、マルティンを弔います。ミュンヘンのライヒワインのところへ匿って貰うように伝えたテンマは、警察に真実を洗いざらい話す事が今君の出来る最善だと言い、別れます
電車に乗ったエヴァですが、思い直し、テンマとは別に、銃を手に入れヨハンを殺しに向かいます
ペトル・チャペックを追え!
ニナはディーターと共に何度もルーティンを繰り返し、記憶を呼び戻そうとします。3匹のカエルの看板の屋敷や燃えた赤いバラの屋敷で断片的な記憶を辿り、「おかえり」というワードからある男に「さあおいで」と言われる場面まで思い出しますが、ディーターにこれ以上無理に思い出さなくて良いと言われ、思い直し、ライヒワインと合流します
プラハ署でヴァーデマンとスーク刑事が朗読会の関係者を尋問します。型通りの尋問しかしないスークと揉めるヴァーデマンは、上手く他の事を聞き出そうとし対立します。個人的な感情で事情聴取していると責めるスークですが、それはお前も同じことだとヴァーデマンは引き下がりません
結局目的は一緒だと和解した二人は、さらに尋問を続けます
ライヒワインの元にニナ・ディーター・カール・ロッテと主だったものが集まりますが、エヴァはまだ現れません。テンマの手紙にはこの事件を終わりにする方法はこれしかないと記されています。全てを思い出す覚悟が出来たニナは、ギーレンの催眠療法で記憶を呼び起こします
ニナは話の中であるとんでもないことを思い出し、取り乱します。寸でのところでそのことは洩らさなかったニナですが、二日後ニナは姿を消します。置手紙には全てをテンマに話しにフランクフルトへ向かう、私が全てを終わらせるとあります
ヤーレスツァイト・ホテルでペトル・チャペックを張っていたテンマは、車で後を追おうとすると、警察に塞がれます!何とか逃げ出しますが、テンマは車に撥ねられてしまいます。気づくとテンマはコラーシュという男の部屋で治療を受け寝ており、どうやらトルコ人街にいる事を悟ります
同居人と一緒に食事を取らないか誘われ、テンマはベトナム料理をご馳走になります。郷土料理の話になり、テンマは親子丼の事を話し、場は爆笑します。テンマは久しぶりに落ち着いて美味しい食事を口にします
自室に戻ったテンマは、そこにペトル・チャペックの資料を見つけ、するとコラーシュが現れ、俺がペトル・チャペックを殺すと言われたところでこの巻は終わります
まとめ
パーティー会場でヨハンを見つけたエヴァは彼を指さし、組織に伝えた事で自身の役目は終わったと悟ります。マルティンはエヴァを始末するように言われますが、それは出来ず、エヴァを逃がします。ここで銃撃戦となり、マルティンが腹部を撃たれたところで前巻の伏線と繋がる訳です
結局マルティンは死に、テンマとエヴァはマルティンの死を嘆きます。テンマはまだやり残したことがあると言い、エヴァをライヒワインの元に向かわせようとしますが、エヴァもヨハンを殺すために銃を手に入れます
全てを思い出したニナは単身フランクフルトに向かいます。置手紙には私が全てを終わらせるとあり、彼女の決意が伺い知れます。テンマはペトル・チャペックに接近しますが、あべこべに車に轢かれ、コラーシュに引き取られます
どうやら警察はテンマではなく、コラーシュを狙うために張っていたようなのです…コラーシュもペトル・チャペックを始末しようと考えているようです
物語はいよいよ最終局面に近づきつつあります。16巻ではどんな話が待っているでしょうか?
おまけ
浦沢直樹先生の近作に連続漫画小説あさドラ!があります。20世紀少年以来久々のビックコミックスピリッツに連載されている人気作です
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