前回までのあらすじ
他の全ての事件から脚を引かされたルンゲは、テンマの写真を見て、「おまえしか残っていない」と言い、そこにエヴァが面会に来ます…
「赤ん坊」とゲーデリッツ教授
庭師の男は奔放なエヴァに惹かれ、誘われ食事に行き、一夜を共にします。寝言でテンマの事を口にしたエヴァがまだ未練があるのだと指摘され、エヴァは激昂します。クリスマスの日、待っていると告げた庭師の男の元に別れた妻が現れ、それを見たエヴァは激怒し自分の屋敷を燃やしてしまいます
アンナは娼婦のふりをして「赤ん坊」という男を捜しています。テンマはメスナー刑事を追い、フォルトナー夫妻とマウラーの命を奪ったなと問い詰めます。メスナーはキャンディという酒場にいる「赤ん坊」に会いに行けと言います。極右の大物で、アンナは大事な餌だと言います
アンナは「赤ん坊」と面会します。ヨハンを殺さなければならないと言うアンナに、「赤ん坊」は必ずあなたに会いに来ますよと言います。キャンディに侵入しようと企てているテンマは車に轢かれ、中には「赤ん坊」が乗っています
アンナはゲーデリッツ教授と面会します。ヨハン・ヴォルフ将軍・ゲーデリッツ教授・「赤ん坊」の4人で組織を統括していると言います。カリスマであるヨハンの命で、アンナにしばらくここに留まるように言います
轢かれたテンマは「赤ん坊」に捕えられます。幸い大怪我はしていませんが、拘束されています
アンナは個室の流しから女性が助けを呼ぶ声が聴こえ、奴らがトルコ人街を焼き払おうとしていると言われます。ディーターはテンマを捜していると、先程一緒だった女がそれがテンマでは?と勘づきます
もうすぐヴォルフ将軍がやってくると聞かされ、アンナもテンマも警戒します。キャンディに忍び込んだディーターは外でテンマのジャケットを見つけ、室内に侵入しますが、黒い陰が後を追います。アンナは話していた女がアイシュという名であることを聞きますが、その女は殺されてしまいます
覇気のないヴォルフ将軍
「赤ん坊」はテンマの目の前でディーターを殺そうとしますが、ヴォルフ将軍の部下が逆にテンマは客人だといい連れて行きます。アンナは屋敷中捜索しますが、ゲーデリッツ教授以下皆殺されています。テンマは車内で運転手を脅し、ディーターにトルコ人街に危機を知らせに行けと向かわせます
テンマが屋敷に着くと、そこには覇気のないヴォルフ将軍が待っています。かつてヴォルフ将軍に助けられたヨハンは「あなたも今にわかりますよ」と告げ、ヴォルフ将軍の周りの人間は皆いなくなりました。ヨハンの伝言を見て、アンナもそこに向かった、ヨハンを殺して欲しいとテンマは言われます
ロンベルクのヒルデン&エンゲルス社の倉庫に向かうアンナ、テンマもそこへ向かう前に、カルヴィン通りに寄り道します。ヘッケルとディーターは放火の主犯に捕らえられてしまいます。テンマは街の代表者に合わせてくれと頼み、デニズにノギ将軍の様だと言われ、信用されます
「赤ん坊」が女と食事をしていると、銃を持ったアンナが現れ、街のどこに火をつけるつもりか問いただします。テンマはあちこちが放火される中、必死にディーターを捜します。アンナは先にディーター達の捕らわれている現場に着き、二人を逃がしますが、ヘッケルはここは囮だと言います
ヨハンは二重人格…
ヘッケルは川べりの工場跡に火を付ければひとたまりもないと言います。アンナとディーターが現場に向かいます。ガソリンが撒かれており、火を付けようとする男がおり、アンナは銃で止めます。ヘッケルから事情を聞いたテンマも現場へ向かいます
男は火を付けようとしますが、テンマが止め、それでも火が付いたため、ヘッケルが折角盗んでいた絨毯で鎮火します。結局ボートでテンマ達はその場を離れ、アンナはテンマにヨハンは二人いると告げ別れます。倉庫跡に着いたテンマはヨハンのメッセージを見つけ、ヨハンは二重人格だと悟ります
警察に事情聴取されたアンナは解放され、ロッソと食事をします。アンナはロッソの洋食屋で仕事をしていました。看板娘となり、お店も繁盛、一見平穏に見えましたが、アンナは密かに射撃のトレーニングを受けていました
ロッソの暗い過去について調べ上げていたアンナは、問いただすと、かつて殺し屋だったことと、コーヒーに入れる砂糖の件で脚を洗ったと話します。アンナはロッソに見送られ、泣きながら次の街へ向かうところでこの巻は終わります
まとめ
今巻ではヨハンを取り巻く重要人物が多数出て来ます。「赤ん坊」・ゲーデリッツ教授・ヴォルフ将軍…これらがヨハンと組織を統括しているというのですが、ヨハンの存在は飛び抜けており、最早彼らの手に負えないのです
捜索の傍ら、トルコ人街の焼き討ち計画にも出くわしたテンマ達は、様々な偶然からなんとか大火事は阻止することが出来ます。しかし結局はヨハンの掌の上で転がされており、異様な恐怖感を煽るメッセージと共に、アンナからの言葉でテンマもヨハンが二重人格であることを悟ります
テンマとアンナはそれぞれトレーニングを受け、銃の扱いをマスターしていました。ヨハンを追う二人は、その必要性を感じたのでしょう。アンナの世話をしてくれたロッソにも暗い過去がありました。人間必ずどこかに闇は抱えているものです
テンマ・アンナの追跡は続きます…5巻で話はどう転がっていくのでしょうか?
おまけ
「もうひとつのMONSTER」ANOTHER MONSTERという書籍があります。浦沢直樹先生全面関与の、副読本にしてアナーザーストーリーとして楽しめます。難解な物語のため、この本も読むことでより内容が理解出来るかと思われます
コメント