前回までのあらすじ
シューバルトの寄贈セレモニーの前日、テンマは図書館に忍び込みます。ロッテにチェコ語の辞書を取ってやり、自身は2階の本棚の上で身を潜め、閉館の時間になります…
蔵書寄贈セレモニーでの惨劇
テンマは身を潜めながら、過去のことを回想しています。ライヒワインはシューバルト邸に赴き、シューバルトにヨハンについて問い詰めます。ヨハンがシューバルトの周りの人間を排除している怪物なのだと説きますが、シューバルトはその怪物を倒せるのは更なる怪物だけだと言います
朝が訪れ、セレモニー会場が準備で賑やかになり、テンマは銃の照準を合わせます。政財界の大物が多数集まる中、シューバルトはカールに書類を取りに行かせ、その場をヨハンに任せます。ルンゲはテンマやヨハンになりきり、テンマの次の行動を憶測し、蔵書寄贈セレモニーが犯行の舞台だと閃きます
ライヒワインもそのことに気づき、ディーター共々現場に向かいます
ロッテはアンナを追い駅ホームで落ち合い、アンナがヨハンと双子のように似ており、ヨハンが例の絵本を読んで卒倒した事を打ち明けます。アンナは意を決してセレモニー会場に向かいます
テンマはヨハンに照準を合わせながら、手が震え動揺を隠せません。しばらく躊躇していると、ヨハンと目が合い、後方からロベルトが現れ、殴られ銃を奪われます!ロベルトはそのまま銃の照準をシューバルトに合わせます
女がヨハンの指示で灯油を地面に蒔いています。ロベルトと格闘したテンマは本棚から落下し、そのまま殴打されます。シューバルトは演説で聴衆にこの場から逃げるように指示します。するとヨハンの合図で火が付けられ、会場が火事と爆発で大混乱となります
ヨハンの気が変わったと悟ったロベルトは興奮し、それを撃とうとテンマが対峙します。最初の一人を撃てるかで次が決まって来るという教えを思い出しながら、テンマはロベルトの肩を撃ち、さらに引き金を2回引けという教えから2発目も命中させロベルトは階下に転落します
本性を現したヨハン
地獄絵図のような会場は施錠され中に閉じ込められており、阿鼻叫喚の世界の中、ヨハンはついにシューバルトに自身の狂気の本性を現します。会場にアンナとライヒワイン・ディーターも到着します
カールはシューバルトに指示された書類を見つけ、それが実の母、マルゴット・ランガーの調査書類であることを悟ります。カールはシューバルトがこの事を知らせたかったのかと涙します
テンマは閉ざされたドアに銃を撃ち込み、何とかこじ開け閉じ込められた聴衆を逃がします。アンナも窓を破って中に侵入します。テンマがいよいよヨハンに銃の照準を合わせると、アンナがあなたが撃ってはいけないと止めます
ヨハンはにやけながらその場を去ろうとし、アンナは銃を撃ちますが、緞帳が崩れてしまいます
気づくとアンナは病室におり、ルンゲは焼け焦げた現場から犯人の痕跡を探しながら、虫の息だというシューバルトの病院に向かいます
チェドック橋の3匹のカエルとは…!?
カールと面会したルンゲはテンマの写真を見せますが、知らないと言われ、逆にヨハンの存在から疑念を抱き、ヨハンの調査をし、その痕跡の無さに「悪魔か…」と笑います
ロッテと面会したアンナは、緞帳の下敷きになった際テンマが助けてくれたと言います。ルンゲはシューバルトと面会し、テンマやヨハンについて聞き込みをしますが、一見すっかりボケてしまったようなシューバルトの目を見て、あれは真実を全て知っていると悟ります
続けてアンナに面会しようとしますが、今朝退院してしまったということで会えません。アンナはライヒワインの病院で事の経緯を洗いざらい話し、ライヒワインは全てが一本の線に繋がったと悟ります。ディーターはテンマが好きだったパンサンドをアンナと一緒に食べ、早くテンマに会いたいと同調します
シューバルトはヨハンの目の奥に地獄を見たと言い、カールにドレスデンにいるある男に言伝を頼みます。それが終わったらずっと一緒にいてくれるか?と問い、カールは「はい」と涙します
ギーレンに診察されたアンナは、例の絵本から絵本には載っていない3匹のカエルというキーワードを話します。会食ではテンマの行方を案じるアンナが喚きますが、リヒァルトという大切な友人を失ったライヒワインも同調します
翌日3匹のカエルについて何か思い出したアンナは単身向かいますが、ディーターも付いて来ます
ドレスデンでカールを待っていたのは何とテンマでした。カールはシューバルトからの伝言を伝え、チェドック橋の3匹のカエルというキーワードと、「君の追っている怪物が双子なら、その母親はプラハで生きている」という言葉からテンマが驚愕するところでこの巻は終わります
まとめ
蔵書寄贈セレモニーでのヨハン狙撃を試みたテンマでしたが、やはりヨハンの方が一枚上手でした。ロベルトという忠実な部下の妨害もあり、ヨハンの指示で会場に火が蒔かれ、現場は大混乱に陥ります
一同勢ぞろいした現場では、侵入したアンナがテンマが撃ってはならないと止め、ヨハンを撃ちますが、当たったのか定かではなく、再び気づいた時には結局シューバルト含め病院にいます
シューバルトはヨハンの本性を知り、彼の目に地獄を見たと言います。大物であるシューバルトすら震え上がらせるヨハンの恐ろしさが際立ちます
アンナはしばらくして例の絵本から、絵本には載っていない3匹のカエルというキーワードを思い出します。同じくシューバルトからの言伝をカールから聞いたテンマもまた、チェドック橋の3匹のカエルというキーワードを目にします。そこには一体何が待っているのでしょうか?
少しずつ物語の核心に迫りつつある中、10巻ではどんな話が繰り広げられるのでしょうか?
おまけ
浦沢直樹先生の他作品にMASTERキートンがあります。累計発行部数2000万部・アニメ化もされた名作で、こちらのサイトのレビューにもありますので、是非ご覧下さい
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