前回までのあらすじ
更に警備会社を上手く使い胡蝶の自宅にも侵入、金庫から盗み、中には村の住民の物と思われる貯金通帳やカード300枚が出て来ます!総額6億の他に海外への送金で総額50億以上と分かり、典型的なマネロンの手口です。志野が窪にこれは戦争だ!と煽り、哲雄は一人軟禁され焦ります…

甲斐の機転で小沢無事
甲斐は小沢を守りながら窪を倒すと複雑な思惑の中、ライフルと人員を窪に届け、空気銃を構える窪は雰囲気があります。甲斐は小沢に先頭の車両に半グレと窪が乗っていると連絡します。哲雄は半グレが村に来る前に2人を連れて逃げるのは今日しかないとし、祭りの祝いに太鼓を叩きたいと告げます
モールス信号を知っている歌仙に伝える事が出来ると勇み、小沢にも連絡しますが小沢は例の爆弾で窪を亡き者にしてやろうと企みます。ところが爆弾の上を車は通過し不発、小沢は窪に撃たれます。窪は経験豊富で紛争地帯で実際使われているブービートラップだと読んでいた為です
窪がとどめを刺そうとすると甲斐がナイフで小沢を刺し、死体処理を自身に任せろと言いこれもチープなトリックで窪に見破られそうになりつつ何とか凌ぎ、小沢の治療をし甲斐は戦線離脱して高飛びだな…と諦めると小沢は撃たれた状況すら利用すると凄みます
小沢と甲斐は哲雄にTV電話し家族の危険から哲雄に窪を殺すよう指示し哲雄はこれ以上⁉あり得ない…と絶句します。小沢は哲雄がまだ自分が人間でいたいと思っているとし、見張りを警戒し一旦退散します。哲雄は苦悩しながら半グレと実家を争わせて潰し合いをさせるという修羅の道を思いつきます
推理マニアの哲雄が出した脱出策とは!?
窪達が教祖一族に金をむしり取ろうと迫りますが、郷一郎はお前達の為に祈りたいとし改心した信も現れこの村の良さを語り殴られると洋二達が現れ一触即発です!狙撃手がガラス窓を撃ち洋二は瞬時にこの距離なら射殺する能力はないと読みます。郷一郎は後を次郎に任せます
手荒い揉め事は次郎担当のようで、盗んだ6億は窪達にやるから帰ってくれと請います。このまま村と全面戦争は分が悪いと窪は一旦引き下がりますが、底が知れない次郎を警戒し電波の通じるところで志野に連絡します。山の麓で警察が検問をかけており八方塞がりとなり、窪は教祖の拉致を企てます
小沢は哲雄のところの見張りを倒して欲しいと甲斐に頼みます。覚悟の足りない甲斐は迷いつつ向かうと見張りに見つかり、こいつなら言いくるめられると感じるとその隙に哲雄が逃げ出し、よりによって最悪のタイミングです。哲雄はトイレの時間だけ一人になれると窓の開閉防止用金具の解除を試みていました
哲雄は何と輪ゴムを使ってネジを緩めるという奇策を思いつき上手く金具を外せ、中の見張りも時間差で気づきます。甲斐は哲雄に銃を向ける見張りを制し哲雄は靴下で足の裏をズタズタにしながら逃げ、心折れそうになりながら家族を想う気持ちで奮起しまだ先に進みます
哲雄、修羅の道へ
甲斐と違い覚悟が異次元の哲雄は何と蜂の巣を投げつけ逃げ、迷う甲斐が時間稼ぎすると村の者に見つかりますがそこで無線が入り、状況から「衝突禁止」で鳥栖家と合意したという事で双方納得させ、甲斐達は助かります。窪は甲斐のトリックを見抜いており、夜全員で村に戻り教祖拉致を目論みます
哲雄は神社に着きますが人が多く近づけず歌仙のいる山奥の神社に向かいます。洋二は哲雄逃亡から必ず家族と接触すると読み哲雄確保を指示します。哲雄は柵を越え神社に行き着き、中からお香のような香りと天照の声が聞こえ、様子見していると窪が現れ軒下に隠れます
どうやら幻覚を見たらしく、天照が出て行き中に入ると歌仙が意識朦朧としており、父に言われた通りにするから2人に手を出さないでと泣いています。哲雄に憎悪の感情が染め上げ、歌仙を繋ぐ鎖の鍵を探し外まで出ると洋二が入れ替わりで入って来ます
洋二は歌仙に薬を使ったと悟り、非情な事を言い見張りを置いて去ります。無力な哲雄は心を鬼にして村と半グレを潰そうと決意します。零花は志楽久に従順なフリをしてこの祭りの喧騒のどさくさから逃げ警察を呼ぼうと決めたところでこの巻は終わります
まとめ
小沢のトラップは窪に見破られ、甲斐必死の機転から何とか生き延びますが、窪はこの世界のプロで芝居だったのでは?と見抜いています。泳がされた甲斐は家族も大事だし小沢にも恩義がある為迷いつつ小沢を手助けし、結果哲雄は上手く軟禁から脱出します
窓の開閉防止用金具の解除の為に輪ゴムを使う等流石の推理マニアぶりを発揮、歌仙を見つけますが、彼女は薬で幻覚を見せられており教祖に従うと洗脳されています。哲雄は洋二に何とか見つかりませんでしたが、この状況から心を鬼にして修羅の道へ進もうとしています
繰り返しになりますがマイホームヒーローは家族を想う哲雄の物語です。彼の家族を救いたいという強い想いは時として狂気を孕み、想像を絶する判断を下しその展開が読者の興味を引くのです…窪達の動向、村の祭り準備等各々の思惑が行き交う中、14巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
おまけ
マイホームヒーローは実写映画化もされています。ドラマ版と同キャストで、流石に13巻現在語られているカルト教団のくだりの映像化は難しかったのでしょうが、原作を上手く活かした狂気と感動のラストで話題を呼びました。主題歌はEveの「インソムニア」となっています
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