前回までのあらすじ
歌仙はホテルに籠り明に困っており、零花は別件のホームレス事件を捜査後ホテルへ行き恭一と会っていると打ち明けます。事情を把握した零花は7年前に何があったか悟り、歌仙は哲雄がどんな選択をしても味方になると健気です
零花は弱い親と言う歌仙がむしろ強過ぎで、大抵の親だったら簡易に終わっていたものをここまでの大事にまでして守ってくれた事から哲雄を止め窪と共に捕まえるという形でしか愛を返せないと謝ります…

別の線から動いていた零花が哲雄と繋がる
半日前、哲雄は窪からの置手紙の300㎥の大規模爆破テロの予告に震撼します。哲雄が気付いているのは窪は「大量の爆薬」を持っていない事で、その規模から石油会社に通達し、犯行現場も特定出来ず渡辺は再度哲雄・戸島ペアで捜査させます
翌日零花は例のホームレス事件が殺人の可能性があると知り監視カメラ確認を始めます。すると例の村の2人の明砂と似ている人物を見つけます。零花は恭一に相談し、間野会絡みで新宿に潜伏している可能性もあるとし恭一に協力を求め了承を得ます
30日早朝零花は窪の犯行を恭一に伝え、哲雄・小沢と村の2人で何か企んでいるのでは?と恭一に話します。ホテル等に交渉し、路上で職質を拒否するアジア人がおり、零花はアラビア語を話せ解決します。零花は窪逮捕の為言語も習得していたのです。哲雄も同様にアラビア語を扱えます
ホテルのオーナーと話が出来、哲雄に恩義を感じるオーナーからロビーの映像を手に入れます。更にマンションの物も手に入れ、後は外資系ホテルです。ここで恭一が一芝居打ち、下手な2人の演技でも上手く映像をゲット、これで歩行者の照合にかけると事件現場Xから本当に消えた人物は明砂だと特定します
第3のテロ現場
戸島は哲雄と暗号を解析、標的となり得る数が34万6千人から新宿と読み、使うのは都市ガスで建物内に充満させ「300㎥の爆弾」と断定、更に入居者の多いマンションでは?と推理します。一部屋で300㎥の空間から120㎡で候補を9件→高層マンションの2件にまで絞ります
現地に向かうとそこでたまたま零花・恭一ペアと出くわします!不審がる戸島に零花は一連の流れからこのテロ事件は全部哲雄の自作自演ではないか?と読みます。戸島もその線は疑っており、村の2人が共犯で実行犯では?と推理、窪の指紋もあり戸島は論破した気ですが零花は納得していません
渡辺も哲雄の自作自演を疑っており、戸島はここがテロ現場だった場合零花伝手で渡辺に連絡するよう指示します。7年ぶりの再会の哲雄と恭一、腹の探り合いとなり哲雄はのらりくらりとかわし、恭一は時間稼ぎをしていると感じ、未来の娘婿として内見を一緒にさせて欲しいと一芝居打ちます
哲雄は了承しついて来られても問題ないようです。例の部屋はドアが開かず「入り口の遮断」をされており消防のクレーン車を要請、窓から捜査隊が侵入するとガス漏れで気圧が上がっていたのか一気に空気が出て行き、状況からテロ現場と特定、着火装置の下に封筒を見つけます
ついに窪と志野登場!
窪の場所を示す最後のヒントは「イ**の*ルカッ*病院のインディアを確認しろ」というものです。哲雄はある解き方を提示し、可能性を潰しておきたいのでそっち方面に移動する事にします。その前に戸島は零花に言われた村の住人全員の顔写真を見せ例の2人を特定させようとします
哲雄は巧みに例の2人を含む複数の候補を挙げ、流石の戸島も哲雄の底が知れず慄きます。恭一は一連の流れから哲雄が次に動くなら戸島の排除が行われるのでは?と読み零花はその事を戸島に電話し、父があたしの為に人生を狂わせてしまったとしたらその犯した罪を知る事でありがとうって言えると涙します
戸島の電話の相手は零花だろうと哲雄は見抜いており、家族で過ごした時間は全て僕の宝物だと感慨に耽ります。哲雄と戸島が失踪し、零花はGPSで戸島の位置を把握、ホームレス事件の絡みから哲雄を追っていると渡辺に告げます。結局駐車場で上手く車を乗り換えられ時間稼ぎをされており、この行動が何の為か分かりません
夜タンカーから窪と志野が降りて来て哲雄の計画通りで小沢と電話越しで必ず仕留めましょうと意気上がるところでこの巻は終わります
まとめ
哲雄の明晰な頭脳が光る中、その目的が自作自演による捜査攪乱のようにも見られ、その一挙手一投足から目が離せません。哲雄の真意は伏せられたまま周りの人物の思惑が主に描かれる為、まるで哲雄の掌の上で踊らされているようにも見えるのです
この窪からのテロ犯行予告は大がかりなものだった訳ですが、見方を変えると哲雄と村の2人による自作自演の可能性もあり、まだ現時点で何が真実かは明かされません。底が知れない哲雄に娘である零花も一目置き、ホームレス事件絡みから後を追いますが見失ってしまいます
戸島と共に失踪した哲雄ですが、夜タンカーから窪と志野が降りて来て、そこに戸島はおらず小沢と電話でついにこの時が来た、必ず仕留めようと話しています。非常に緻密で様々な伏線が散りばめられているだけに、どういった経緯でこうなったかも次巻以降で明かされそうです…22巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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