はじめに
当時としては珍しいクラシック音楽に焦点を当てたラブロマンス含む内容が話題を呼び、特にドラマが大ヒットした印象の強いのだめカンタービレ。累計発行部数3900万部の人気作に、今回はスポットを当てていきます
イケメン音大生:千秋と異彩ののだめが出会い…
桃ケ丘音楽学院の千秋はイケメンかつ優秀で特に女子から人気です。ピアノのレッスンにも身が入らず、総譜(指揮者が用いるスコア)を持ちそのことを先生に指摘されるも逆に言い負かしてしまい、選抜学生コンサートからも漏れてしまいます
世界的名手:セバスチアーノ・ヴィエラの指揮に憧れ、幼い頃弟子として師事した千秋は指揮者になりヨーロッパの最高の楽団と最高の音楽を奏でたいと願っています。元カノの彩子と飲みに行き、トラウマから飛行機や船に乗れないため海外に行きたくても行けなくなったことが判明します
千秋は酔い潰れ自宅の入り口で寝ていると隣に住む女子(のだめ)が汚い部屋に招き入れ、その独創的なピアノを披露します。ゴミの中で美しく響くピアノ・ソナタはカプリチオーソカンタービレ(気ままに気まぐれに歌うよう)でこれが運命的な出会いとなります
ゴミ屋敷ののだめの部屋で正気を取り戻した千秋は即部屋を出て、先輩と呼ばれたのでうちの音大の生徒なのかと理解します。翌日早速のだめに声を掛けられ、ベルトを部屋に忘れたことを指摘されますが知らんぷりします。千秋のピアノ担当者はハリセン教師:江藤から谷岡に変更になります
早速谷岡の様子を観に行くと、そこにはのだめが「おなら体操」なる自作曲を披露しており、噂では’’落ちこぼれ専’’と言われています。彩子は千秋を見限り指揮科で有望株の早川に乗り換えており、千秋はイライラしながらベランダで煙草を吸っていると隣から異臭がし、のだめの部屋に行きゴミ部屋の大掃除を始めます
つい本気で掃除してしまった千秋、のだめは即興でオリジナル曲を披露、手がでかく難しいことを難なくやっているのです。デタラメだけどおもしろいのだめのピアノを楽しいと千秋は感じます。谷岡からのだめと連弾しないかと言われ、不服ながらモーツァルトの曲をやることになります
のだめは読譜も満足に出来ず、耳が良いので聴いて覚えるタイプのため苦戦します。千秋はのだめの部屋に行くと1週間でゴミ部屋に戻っており、曲を覚えるのに1週間掛かると言われたので、自慢の耳で覚えろとスパルタ指導します。今度はのだめの頭から異臭がし、シャンプーは5日おきと言われ無理矢理シャワーをします
ドライヤーを掛けられ、のだめはまるで王室にいるかのように感じます。逆にトリマーの気分の千秋はまるでのだめはヴィエラ先生のように感じます
餌を与えられればどこにでも行く?
谷岡のレッスンで連弾をすると千秋ものだめの癖を理解し始め、暴走も却って身震いするほど感動する演奏ができることが本当に’’まれ’’にあると息の合った演奏で褒められます。完全に千秋に虜ののだめ、千秋はオレのためのレッスンだったのかと谷岡の意図を理解します
中華料理屋’’裏軒’’の息子:峰はエレキバイオリンでロックにキメています。ピアノ伴奏者を千秋から逃げられ、オレの感性(センス)についてこれる芸術家肌の人間を求めます。電源コードを抜いたのがのだめだったことが縁で試験の伴奏を担当することになります
千秋は料理上手で、洋食が得意ですが、突撃となりの晩ごはん~とのだめが頻繁に来るようになります。2週間前アジの干物を炭にしたのだめに呆れ、手料理を振舞ったら不覚にも餌付けしてしまったのです(笑)しかしメシが終わると必ずピアノの練習とそこはしっかりしています
峰とはフィーリングが合うのか抜群の呼吸で課題曲を演奏し、のだめは最高のパートナーだと言われます。裏軒で絶品中華をご馳走になるのだめ、その日は千秋の部屋には現れず、千秋は餌を与えられればどこにでも行くのだと呆れ、CDを聴いていると唐突に彩子が現れ、部屋に入るところをのだめに見られてしまいます
峰の試験演奏に急遽千秋が代打!
結局彩子は泊まり、のだめは傷心してボロボロの演奏をし、峰は千秋と彩子が理想のカップルだとし、あきらめて練習しようと追い討ちをかけます(笑)彩子はオペ研の’’夜の女王’’役を巨漢の女に奪われ気落ちしています。ヨリを戻さないかと言われますが、負けメス犬はキライだとフッてしまいます
のだめ宅で練習する峰は、絶不調ののだめに千秋を寝取ってモノにしろと提案します。まずは身だしなみということで、化粧を施し、そこに千秋が現れますが、重ね塗りし過ぎのダッチワイフ風メイクに唖然とします。峰は全国のジュニアコンクールで3位になったこともあると言いますが、千秋はヴァイオリンも上手いのです
峰はロックに傾倒しており、クラシックのテクニック・正確さ重視の1カ所の間違いを追求される点が嫌なのです。のだめは千秋の部屋に行き課題曲を一聴しただけで理解してしまい、千秋のバイオリンと合わせます。峰とは上手く合わせられなかったのに峰は’’気持ち良かった’’と言ったことについて、それはオナニープレイだと言われます
ひとりよがりでアンサンブルがわかっていねぇ、ピアノの音ちっとも聴いてない、テクニックにばっか気をとられるな、と4つのダメだしをされ、峰は気落ちしますが、良いところも指摘され持ち直します。試験当日薄着していたのだめは風邪を引き、峰のピアノは急遽千秋が弾くことになります
天才と言われる千秋にも苦悩はあり、努力もしている上で指揮者になる夢はなにひとつ報われてねーよと言うので、峰も千秋を理解し、二人は抜群の呼吸で演奏し(千秋の順応性が高く)、試験は好評価を得ます
ゴキゲンな峰が中華料理を持参し、何故か千秋の部屋にいるのだめと3人で食べよーぜと千秋の報われないボランティア活動が続くところでこの巻は終わります
まとめ
漫画は特に主人公とヒロインの初期設定が大事になって来て、そこがヒットするかの分かれ目となりますが、のだめカンタービレは天才イケメン音大生・千秋と異彩のだらしないのだめという今までになかった二人の設定が見事にハマり、現代もの・音楽ものということで映像化も容易となりヒットします
千秋は一見何も欠点の無い完璧な男のように見えますが、彼なりの葛藤があり、自分にないものも理解しています。夢は指揮者になることという千秋は、ひょんなことから隣部屋に住むのだめと懇意となり、この凸凹コンビから生まれるハーモニーが絶妙なのです
のだめは所謂不思議ちゃんで、天才肌のためその独創的な演奏は聴く者を選び、後述しますがプロを目指すというよりは幼稚園の先生になりたいというくらいですから、音大生とは言え様々な学生がいることが分かります
1巻からつかみはOKといったところ、このドタバタコメディー調の音楽もの漫画、2巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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