前回までのあらすじ
のだめはオクレールにブルターニュの海近くの町の教会でリサイタルをやらないか?と言われます。試験で皆トレビアンを獲れたのでパーティーをし、やっとバカンスとなり、各々したいことを口にし、のだめが例のリサイタルをやると宣言します…
いざ「サン・マロ」へ!
すっかりバカンス気分のターニャは水着を着て千秋を誘惑しつつ、実家からの仕送りを止められる厳しい状況です。千秋は車を買い、それでサン・マロに行くことになります。ターニャは1人あぶれるので誰か良い男を紹介してとのだめに迫ります
車を飛ばす千秋ですが、周りが速すぎてこれでも120km出しているのです。サン・マロは三方を海で囲まれた城壁の街で、千秋は内陸の池だと言われてもこわごわ歩きます。ターニャの相手として黒木と待ち合わせしますが、ターニャは「暗~い」と気に入りません
グラン・ベ島に行くことになりますが、千秋は新潟のデジャヴで動けず、ターニャにはのだめとじゃれあっているようにしか見えず、嫉妬しますが自身の相手が黒木なのでガッカリします。一緒にショッピングに向かいますが、好みが合わず先が重いやられる中、軽食で済ませ貴族であるブノワ家でご馳走狙いです
当主のピエールが皇帝のようなコスプレで出迎え、早速のだめと意気投合します。豪勢な部屋をあてがわれ、ターニャは3人が相変わらず音楽にしか頭にないことに嫌気が刺し、当主の息子狙いです
のだめの初リサイタル!
モーツァルト推しの当主の様相から、曲もそうした方が良いのか思案するのだめですが、モーツァルトはどちらかというと苦手としています。のだめの演奏にテンポのダメだしをする当主は、モーツァルトについて語り、何回も同じ話をするのはこの人の悪い癖のようです
ご馳走を期待していましたが、出てきたのはまるで精進料理のような内容で、黒木が日本の禅寺を思い出しますとフォローをして何とか場を繋ぎ、のだめはリサイタルに向け緊張しているのか様子がおかしいです
執事から勧められモーツァルト書簡集を千秋に読んで貰いながら結局寝てしまい、なんだかんだ結局いつも楽しんでいるのがのだめなのです。のだめは太ったのか衣装が破れてしまい、当主はどれでも好きな衣装を選べ!と沢山の豪勢なドレスを見せます
のだめの初リサイタルは12ユーロをきっちり取り、運営費だというのでお金の足りないターニャの分も黒木が払います。リサイタルが始まり、のだめはよりによってモーツァルトのコスプレで登場します(笑)のだめは<キラキラ星変奏曲>で始め、ピアノソナタへと畳み掛けます
千秋はモーツァルトって理論でどうこう言える相手じゃないんだよなと感じ、正しくのだめのようです。大喝采を浴びると、次の曲はリストであっという間に違う世界に引き込みます。ラヴェルではサン・マロの光り輝く海のようで、その世界観にブラボー!トレビアン!の声が飛び交います
締めはシューベルトで、のだめの成長ぶりに千秋はいろいろなことを覚悟しておいたほうがいいと感じます。ターニャは自身のピアノの才能の限界を感じ、あくまで当主の息子狙いです
マルレ・オケのオーディション
当然これで終わりではなく、千秋たちもコスプレの上演奏してくれないか頼まれます。ターニャは折角ドレスを着れる機会なので、当主の息子を狙いますが、当てが外れます(笑)千秋はヴァイオリンで、黒木はオーボエで、ターニャはピアノでそれぞれ頑張り、高評価を得ます
のだめは仕事のオファーも舞い込み上機嫌です。のだめとじゃれあって、千秋はいつも一緒にいるようでそうでもない、ひとりで旅していつのまにか帰ってきてるという奔放なのだめをオレが見失わなければーとキスをします。ご馳走を期待していたターニャでしたが、また精進料理でうんざりです
パリ、8月ーマルレ・オケのオーディションが開催されます。過去大々的にオーディションしたことはなく、大体伝手やエキストラからそのまま入団というケースが多く、シモンはずっとオーディションすべきだと言っていましたが、3分の1いた反対派がごっそり辞め、やっと今日に至ります
流石腐っても歴史あるオケだけあり、レベルの高い奏者が多く、顔見知りも多いため、千秋は公平に客観的に審査しなければ…と肝に命じます。黒木は明日のオーディションに向けて伴奏のターニャと猛暑の中練習を繰り返し、のだめは長田に自作カレーを食べさせる気です(ここでもやしもんコラボが見られます)
意外にも千秋とシモンの意見は合い、個性的なタイプは大概アンサンブルがわかってないと酷評する者にも、わからせればいいと同意見です。時間と予算がないため弦セクションを全部1日でこなし、深夜3時に帰宅、のだめは猫のように寝ています
黒木のオーディションは成功したかに見えましたが、最後の最後で伴奏のターニャが崩れ、長田共々後に語り継がれることになる「のだめカレー事件」の被害者として沈みます。木管オーディション・ファゴット部門でよりによってパソンのポールが現れたところでこの巻は終わります
まとめ
のだめの初リサイタルは大成功に終わります。モーツァルトは難しいと常々話していたのだめも、同じく捉えどころのない者同士、実は相性が良いのか抜群の演奏を披露、当主も満足し、次の仕事のオファーも届きます。このようにライブやコンサートは当日の観客のためでもあり、未来の自分のためのものでもあるのです
今までオーディションを行って来なかったマルレ・オケも流石に窮地でオーディションを開き、才能豊かな俊英が競い合います。先述していた通り、音大を卒業しても就職口が見つからず埋もれていくケースも多く、クラシック界の複雑な構図が垣間見えます
今巻では連載当時同じく他誌に連載されていたもやしもんとのコラボが見られます。もやしもんは菌が見える主人公が織りなす学園もので、のだめカレーには菌がいっぱいという描写はどちらの漫画ファンにも嬉しいコラボだったでしょう。のだめカレーは食べたくはないですね…
オーディションに先述のフランスのオケはパソンからファゴットに変わりつつあるという中、パソン奏者のポールが現れます!16巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
おまけ
アニメ版には続編として巴里編があり、今巻までの内容が全11話で展開されています。実写版が苦手な方も中にはいるかもしれませんので、アニメでも良質な原作に忠実な内容として楽しめます
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