「のだめカンタービレ」4巻の数々の恋模様とクラシック音楽の光と影~理事長とミルヒーの恋の行方は!?ニナ・ルッツ音楽祭でレベルの高い指導に磨かれる4人…のだめ幼少期のピアノ教室の読切アリ~

前回までのあらすじ

Sオケは好評価を得て存続が決まり、千秋はベンチで寝たフリをし、のだめにキスをさせる隙をワザと作り、これは「お礼」だからな…と照れます。シュトレーゼマンが次はどうしてくれようか…と嫉妬します…

ミルヒーの過去

梅雨時期のジメジメした中、Sオケ練習中にミルヒーが現れ、合コンを企画、最初不評でしたが、千秋が参加と聞いて女子たちは目の色を変えます(笑)のだめは途中転んで服を汚したためミルヒーに水着を買ってもらい、合コンでは千秋も脱ぐなら…と野球拳を始めます

合コンでの醜態にあれは偽物なのでは?と噂されますが、千秋は本物のミルヒーだと断言します。千秋は家でパソコンで検索を掛けようとすると、のだめがフォントを「みそ字」に変えており激怒します。アルファベットなら何とか読めるので海外サーバーから調べるとシュトレーゼマンは失踪中と出て来ます

翌日相変わらずのミルヒー、そこにヘリが降り立ち、秘書が捕獲に現れます。行き着いた理由は大学の理事長が旧友でその写真を後生大事に持っていたからということで、強制送還されます。しかし2日後またミルヒーは学校に現れ、自家用ジェットをハイジャックして戻って来たと言います

ミルヒーはやる気がUPしており、千秋に的確な指導をしまるで心を入れ替えたようです。すると理事長(ミーナ)が現れ、45年ぶりの再会を祝いますが、ミルヒーのプロポーズも上手くかわします。すると千秋に難曲のピアノをやれとSオケの指揮者役を奪ってしまう横暴ぶりです

ミルヒーのだめのピアノを絶賛し、将来について聞きますが、幼稚園の先生になりたい(あわよくば千秋のお嫁さん)と答えられ、今のままじゃいっしょにいれないよと意味深です。秘書(エリーゼ)は千秋ミルヒーの過去を語り、彼が弟子を作るなんてどんなに頼まれたって一度もないことだと断言します

クラシック界隈の就職難事情

ミルヒーは長野の高原で夏の音楽祭とセミナーがあるので行こうと提案します。例の3人と車で行くことになった千秋、しかし着いたのは新潟の海で、海水浴をすることになります。海に入れない千秋は日焼け出来ないからと適当に嘘を付き、何とか海に入らないように思案します

しかしボートに乗らないか提案され、水没しカナヅチなのが判明、黒ギャルに助けられ、結局千秋は黒ギャルの車で、悪戯をされたのだめ真澄を置き去りにして長野に向かうというオチです(笑)

ニナ・ルッツ音楽祭は1997年から行われている会期8日間の音楽祭で、楽器別に有名演奏家が講師を務めるマスタークラスが始まり、練習して臨んだ真澄はともかく、のだめも全くついていけません。千秋は特別待遇でミルヒーに帯同しており、パーティーにも出席します

ところがエリーゼからマネージャーの仕事を押し付けられ、かいがいしく尽くし、音楽祭の学生オケでやる曲がドヴォルザークの5番だと悟ります。二日酔いのミルヒーは学生オケで指揮し、千秋はオケのレベルの高さを感じます

食堂で就職先の話になり、オケ志望でも空きがなく皆就職難なことが分かります。のだめは練習が厳しくて帰りたそうです。ミルヒーは不調で、指揮の代打に千秋を指名します

ニナ・ルッツ音楽祭閉幕!

取材陣はミルヒーに日本人の弟子がいるなんてスクープだと張り切ります。あまりのレベルの高さに千秋は惚れ惚れし楽しいと感じます。逆にはついていけず、一人猛特訓を続け、翌日のミルヒー復活後邪険にされていた沙悟浄からもある程度認められます

音楽祭最終日のミルヒー指揮の特別オケ演奏は成功で幕を降ろし、パーティーではサラブレットかつミルヒーの弟子という千秋の新風に記者の河野は目の色を変えます。千秋がピアノの講師・ニナのだめのことを聞くとやる気がなく退席後一度も来ていないと言われ愕然とします

のだめは最後にバルトークを彼女流に演奏しニナは驚き、3人は車で帰る中、千秋ミルヒーと新幹線で帰京するところでこの巻は終わります

番外編~リカちゃん先生の楽しいバイエル

リカはピアノ教室をやっていますが、集まった生徒は3人、コータはアニソンをでたらめに弾き、真衣は正しい’’拍’’が分からず、不思議ちゃんののだめと個性もバラバラです。リカは厳しい指導をするピアノ教室ではダメだと個性を尊重し音楽を楽しむことに重点を置きます

コータの大好きな’’獣神ガイダー’’を楽譜に起こし、真衣にはカスタネットで拍感覚を身に付けさせる等の工夫を施しますが、超マイペースののだめの対応だけは未だ掴めず、通い始めて3か月経ってもまだ一度もピアノを弾いたことがないのです

真衣の母から辞めると通告され、言うことを聞かない残った二人にリカはついキレてしまいますが、後悔し泣いて寝てしまいます。のだめは珍しくピアノを弾き、実は実力があることが分かります。結局真衣リカの元に戻って来て、ピアノ教室は存続し、のだめの才能は人知れず埋もれていったところでこの読切は終わります

まとめ

ミルヒーの傍若無人ぶりが光りますが、理事長とは縁があり、勿論実力もあるので、彼を一概にダメ人間とは決めつけられません。長野の音楽祭に4人を招き、特に千秋ミルヒーの付き人のような形で一時指揮も任され、そのレベルの高さに学ぶことも多かったようです

今巻ではクラシック音楽業界で度々話題になる就職難について語られています。全国各地にオケはある訳ですが、クラシック音楽は引退は多少長引く傾向があり、欠員が出るのが稀なため、その隙にタイミング良く入れるかは運次第なのだというのはなかなか大変なことです

また、巻末の読切でもリカのような個性を尊重する自由なピアノ教室もあれば、コンクール入選を優先に厳しい指導をするところもあり、こちらも何が正解なのか分からないところです。のだめは才能はありましたがソリが合わず、リカのところで伸び伸び過ごしての今であることが分かる貴重な読切です

ミルヒーがいるうちに彼から盗めるものは盗んでおきたい千秋、5巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

おまけ

クラシックのコンサートなんて敷居が高くてなかなか行けない…と思っている方に朗報です。クロネコファミリーコンサート「音楽宅急便」というヤマトホールディングスが主催する定期演奏会が全国各地で行われており、こちら無料招待制なのです!

本レビュー筆者は2023年7月17日(月・祝)の南相馬市公演に行きましたが、各公演コンセプトがあり、今回は「踊りの音楽」を学ぼうというもので、座席に座りながらでしたが、身振り・手振りをダンサーと一緒に行いオーケストラを楽しむという趣向が非常に良かったです

ファミリーコンサートと謡っていますので、お子様連れも多く、クラシック入門にもおススメ出来ます。抽選応募制とはいえ、無料で大迫力のクラシック音楽を堪能できるチャンスなので、お近くで開催される場合、是非応募だけでもしてみて欲しいです

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