前回までのあらすじ
WBの被害は軽微でカイのキャノンが中破程度、デブリの空域を抜けたら高速巡行に移り、ミライとカムランがお互いを想う中WBがメインエンジンをブロウし前進します…
ニュータイプ、シャリア・ブル
テキサスコロニー内にシャアのザンジバルが入港したとの報を受けWBクルーは色めき立ちます。コロニー内で馬車を走らせるシャアは、ララアの故郷・インドに似ているのでは?と聞くと、ララアは忘れました、大佐が忘れさせてくれたのでしょう?と喜びます
ララアは大佐が私の心を触ったんですと独特の表現をし、シャアはそういう冗談はやめにしてくれないかと淡泊です。新装されたゲルググを見て、ニュータイプ戦士の育成は難しいが、使える域に達したのはシャリア・ブル大尉のみ、その彼でもララアの足元にも及ばないと話されます
堅苦しいシャリア・ブルに対し、少女のようなララアは顔を合わせ対照的です。ブライトは取って付けた作戦を伝達、セイラがテキサスコロニーに住んでいた事があるという話から、彼女をガンタンクに乗せ出撃させます。セイラはアルテイシア時代にガンタンクに乗った事があるため懐かしみます
WBからMS隊が出撃し、シャアはまずシャリア・ブルに対させる気です。WBからはほぼ全ての戦力が出撃、ブラウ・ブロに乗るシャリア・ブルは身震いし仕留めると意気上がります。セイラは土地勘があるため、見た事のある景色に感慨に耽ります
ブラウ・ブロはオールレンジ攻撃でシンとカイのガンキャノンを軽々撃破、アムロは鋭い反応を見せ対抗しますが、遅れて来たダニーのキャノンもやられ、ゲルググで様子見していたシャアはニュータイプ畏るべしと戒めます
シャアのゲルググ
ガンダムを追い込むブラウ・ブロですが、アムロの巧みな操縦にシャリア・ブルは感情的になり、透視しようと心を落ち着けるといつの間にか下部にいたガンダムは上方に正確に射撃し、ブラウ・ブロは被弾、シャリア・ブルはプライドを傷つけられたと怒ります
覚醒しつつあるアムロ相手に善戦したシャリア・ブルですが、大型MAのブラウ・ブロが狭いコロニー内で戦うには不利で、結局ガンダムに破壊、シャリア・ブルはギレンとの謁見を思い出しながら、モルモットのようにされなくてもジオンの役に立てたのに…と涙して逝きます
結局無傷なのはジョブ・ジョンのキャノンのみです。タンクのスレッガーは艦橋に指示を仰ぎますが、前方にMSを確認、それどころではなくなります。ザク相手にタンクは相性が良く、主砲にバルカンと駆使し倒していきます
接近戦を挑まれますが、装甲の厚いタンクは強く、最終的に接近したザクを主砲で一掃します!ザクが退散したため、本来の目的としてセイラのナビで先を進みます
アムロは更に何かを感じ、そこにはシャアのゲルググがおり、気を取られ地雷原にハマります。シャアは私こそが正真のニュータイプでなくてどうするっ‼とガンダムに応戦、ララアは何かを感じ戦車の外に出て行ってしまいます
アムロは思い切りの良さが売りでもあるので、エネルギーの尽きたビームライフルを投げ捨て接近戦に持って行きます。ゲルググはビーム薙刀を振り回し鋭い攻撃を仕掛けます。ガンダム自体のエネルギーも尽き掛けているため、アムロは超反応を見せますが、ゲルググは速く、もっと早く反応してくれと願います
シャアとセイラ、再び相まみえる
対峙したガンダムとゲルググは一撃必殺の勝負を仕掛けます!ガンダムは右腕を斬られ、ゲルググは薙刀の中央が斬れ2刀流になります。シャアはニュータイプの資質を持ちながら連邦に与してきたお前はスペースノイドにとっては反逆者だ!と一方的に攻め、ガンダムを地雷原に落とします
するとララアが現れ、アムロと共鳴しているようで、お互い誰だ?と感じながら戸惑います。激しい誘爆からララアを守るためゲルググが盾になります。シャアはこのコロニーには別れを告げなければならない過去があると馬に乗り駆けて行きます
タンクのセイラは軍機違反になってでもとスレッガーに請い、どうしても行きたい場所があると単身向かいます。スレッガーはこっそりカイに後を付けさせます。セイラはかつての自宅と母の墓に赴き、多くの人が死んでいってしまったと嘆いていると、そこにシャアが現れます!
セイラは感情的になり、ジオンの軍人になるなんて筋違いなんじゃないですか?と問い詰めます。テキサスコロニーを攻撃させなかったのは私だというシャアに、本物のシャア・アズナブルを殺し、本人に成りすまして今がある事を非難しますが、実際に手を下したのはキシリア機関だと悪びれません
シャアは全ては人の革新という大義の為だと言い、根底には母の死への復讐があるものの、ニュータイプを知って考えが変わった、オールドタイプとニュータイプが戦うべきだったのだと話します。セイラはついガンダムのパイロットがアムロだと告げてしまい、前巻で出会った少年がそうだったのかとシャアは理解します
エドワウ・マスという名を捨て、私の名はシャア・アズナブルだと豪語するシャアは、アムロにニュータイプがニュータイプとして生まれ出る道をこの私が作ると伝えろと言い去ります。地雷原にいたガンダムも何とか無事で、MS回収班に回収されます
カイから事の詳細を聞いたブライトはセイラがアルテイシア・ソム・ダイクンなのだな?と確認し、重大過ぎる事実とはいえ、セイラが利敵行為を行った事実はなく、自室謹慎という形を取ります。セイラが自室に戻り、兄さん…とシャアを想ったところでこの巻は終わります
まとめ
今巻では「ニュータイプ」という言葉が多く飛び交う内容になっています。ジオンはニュータイプの研究が進んでおり、その素質の高いシャリア・ブルが大型MA:ブラウ・ブロでコロニー内に君臨します。オールレンジ攻撃は今まで経験してきた事のないもので、旧型のキャノンはほぼやられてしまいます
それでも覚醒中のアムロの敵ではなく、シャリア・ブルもその才能故に命を落とします…ララアとアムロは共鳴を起こしており、お互い誰かも分からないながら感じ合います。前巻での邂逅といい、後述のエルメスとの戦闘といい、ニュータイプ同士鋭い感性を発揮します
ゲルググに乗るシャアも自身がニュータイプだと豪語しますが、その真相は続巻以降に譲ります。再び相まみえたシャアとセイラ、シャアの不可解な言動に混乱しながら、セイラは未だにあの優しかった兄がこうなってしまった事を受け入れられません
事が事だけに、ブライトはセイラを(彼なりの温情もあり)自室謹慎処分とし、セイラは一人兄を想います…最終局面へ向けて動き出したTHE ORIGIN、19巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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