プレイボール11巻(集英社文庫)の表紙
東京の下町の家の光景とそのそばをランニングする墨谷高校ナインたちの姿が下にあり、上には谷口をはじめ、他のナインたちが走っている姿が描かれています
これまでは全て谷口君だけでしたが、最終巻のためか少し違う表紙です
目次
勉強の特訓は苦手の巻
スカウト田所の巻
たのもしい新入部員の巻
問題児(?)井口の巻
特訓はじまる!の巻
よゆうある谷原高の巻
おせおせ墨高の巻
墨高野球部再出発の巻
解説 七三太朗
8話収録されています
それと作者ちばあきお氏の兄弟である七三太朗氏の解説があります
プレイボール第11巻のあらすじ
プレイボール第11巻は墨高野球部が勉強会のために、せわしなく練習する場面から始まります
そんな折、墨高野球部OBで現在は電気屋の田所はOBが借りてくれた河川敷のグランドにやってきます
誰もいないのを不思議に思う田所ですが、墨谷ナインたちは勉強会のために河川敷に来られなかったようです
ただその河川敷で待っている間に田所は江田川中学の練習を見ていてすごい中学生を発見していました
そう、田所が目をつけたのは「キャプテン」において剛速球と切れのいい変化球を武器に墨谷2中を苦しめた井口でありました
後日田所は再び江田川中学が練習している河川敷のグランドに現れ、井口の球を打たせてもらうのでした
田所は有望な中学生をスカウトしようとしているのです
一方墨高野球部の方はキャプテン谷口が勉強会をきちんとこなすからと野球部の練習時間の延長を部長に頼み、なんとか了承をしてもらっていました
練習中の墨高野球部のグランドにOB田所が現れ、スカウトの結果を報告しています
田所は井口をはじめ有望な中学生に何人か声をかけていて入学確実な選手も中にはいました
墨高野球部員の成績は上がって勉強会は終了しましたが、今後成績が下がることがあればグランドの使用や試合出場はさせないという厳しい条件を出されました
墨高野球部には墨谷2中からイガラシと久保、江田川中学の井口、リトルリーグでの優勝経験者の片瀬などの有望な新人が続々と入部してきました
有望な新人が加入して練習にも気合が入る墨高野球部ですが、そんな時に第1シード校で甲子園にも出場した谷原高のマネージャーが練習試合の申し込みにやってきます
谷原高のグランドで墨谷の先攻で試合開始になりますが、谷原高の先発はエースではなくキャプテンも審判をしています
墨谷は先頭の1番丸井がライト前ヒットで出塁し、2番横井の時に丸井が2塁への盗塁を決めます
横井がサードゴロに倒れて1死2塁から3番倉橋がセンター前ヒットになりそうな打球を打ちますがセカンドのファインプレーでダブルプレーになるのでした
試合は4回終了時点で0対0ですが、墨高は谷原のピッチャー野田を捕えつつありました
そして5回の表の墨谷の攻撃で先制点を挙げると、谷原高はピッチャーをはじめレギュラーメンバーに総入れ替えをしてきました
甲子園経験者である谷原高打線はその技量とパワーを見せつけ、19対5と墨谷を圧倒して勝利するのでした
谷原高に力の差を見せつけられてショックだった谷口ですが、後輩の手前強がって見せています
そして試合当日ですがグランドまで学生服姿のまま走っている場面でこの漫画が終了しています
プレイボール第11巻のみどころ
このプレイボール第11巻では部活をやる高校生たちにとっての最大の課題、勉強との両立がよく描かれていました
野球の強豪の私立高はどうなのかわかりませんが、普通の公立校であればずっとつきまとう問題だと思います
それからOBの田所も有望な中学生をスカウトするなどの活躍を見せてくれました
ただ墨谷は都立の公立校ですから、私立校のような特待生などのスカウトができない中でよくやったと思いますね
やはり強豪そろいの東東京でベスト8というのが決め手だったのでしょう
しかし谷原高の強さはかなりのものだと感じさせられました
墨高は以前にも倉橋の知り合いがいる甲子園出場経験のある川北校と試合をしていましたが、谷原高の強さはおそらく川北以上だと想像できます
この敗戦後にキャプテン谷口が夏の大会までにどのようにチームを作っていくのか見たかったのですが、残念ながら連載はここで終了しています
プレイボールという作品全体を読んでみての感想
この「プレイボール」という作品を読んでみて感じるのはひたすら現実の中で努力していくという姿勢です
谷口が入学した1年生時には夏の大会で3回戦進出、2年生時には5回戦を勝ってベスト8と少しづつ力をつけていっている点も非常に現実的で素晴らしいと思います
ただ谷口の同級生の松下がいる城東高の扱いが悪かったように感じます
最初に登場した時には一体どれほどの強さがあるのかという期待を抱かせましたが、田所の同級生でキャッチャー、キャプテンの小倉やエースの藤井なども完全に墨高野球部のかませ犬にされてしまった感が否めません
高校野球漫画であれば甲子園に出場して甲子園大会での活躍を描きたくなると思いますが、連載中に甲子園に出場していないのがかえって良かったかもしれません
谷口が3年生時の夏の大会の成績はどうなったのか、谷口卒業後に「キャプテン」の近藤や牧野などが入学したのかどうか色んな想像を膨らませることができる終わり方でありました
コメント
谷原高の主力である村井や佐々木はそれなりの顔で描かれていますが
監督が青葉中や東実高のようにいかにもな監督顔ではなく
小学生が書いた原始人みたいな適当な顔に描かれていたのは
連載終了が決まっていてやる気が無かったからでしょうか?