「進撃の巨人」12巻のレビューです
進撃の巨人 attack on titan12巻【電子書籍】[ 諫山創 ]
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ライナーとベルトルトにさらわれたエレンを助けにミカサたち調査兵団と憲兵団が彼らを追います
これまでのあらすじ
エレンと鎧の巨人の戦いは超大型巨人の介入により後者に軍配が上がりエレンはさらわれました
ユミルも同時にさらわれて巨大樹の森で4人は巨人が動けなくなる夜まで待つことにします
ユミルはライナーとベルトルトの仲間ではありませんでしたが、クリスタことヒストリアを助けることを条件に協力することにしました
12巻の展開
ライナーとベルトルトは調査兵団が追いかけてくることに気付き、夜になる前にエレンとユミルを連れて逃げることにしました
しかしユミルはヒストリアも一緒に来ているかもしれないからと2人を脅し彼女も一緒に連れて行くことを要求します
ユミルの想い
ライナーたちに協力することにしたユミルですが、ヒストリアを今連れて行くか、それとも一度故郷に帰還した後に連れに行くかでもめます
ユミルはもちろん今すぐ連れて行くと主張するのですが、どうも彼女は故郷に戻ったら死ぬことになるのが分かっているようです
ユミルはライナーたちの仲間を食べたことで巨人から人間に戻れたようで、故郷に帰ったら別の巨人に食べられて能力を取り返されるのでしょう
人類側と巨人側、2つの勢力の中でヒストリアへの愛のために右往左往し、彼女に自分たちのために生きようと言われ彼女と決別することを選択したユミル・・・
その姿がとても美しいです
彼女の真意は謎ですが、きっとヒストリアの、そして彼女が生きる世界のための決断だったのだと思います
ミカサの想い
絶体絶命、死を待つだけの状況でミカサはエレンに想いを伝えます
私と一緒にいてくれてありがとう
私に生き方を教えてくれてありがとう
私にマフラーを巻いてくれてありがとう
その言葉がエレンを奮い立たせ事態を打開させました
子供の頃からエレンはミカサに守られていたのですが、実はエレンもミカサを守っていた
それが分かってエレンは無力感から解放されたようです
あるいはエレンが自分一人の世界で絶望に浸っていたのをミカサの言葉で1人じゃないことを思い出したのかもしれません
人間がどういう時に絶望から立ち上がるかということがよく表現されたシーンです
最後に
個人的に見て欲しいところは
ライナーたちを脅迫するユミル
巨人に腕をかじられても前進を命じるエルヴィン
アニが拷問されていると嘘をつくアルミン
ヒストリエを諭すコニー
ありがとうと言うミカサの表情
最後のすっきりした表情のユミル
というところです
巨人側のライナーとベルトルト、巨人側だけどライナーたちの仲間ではないっぽいユミル、そして人類側のそれぞれの思いが交差していた巻でした
人類側は巨人側を単なる巨人の群れとしかまだ認識していないようですが、巨人側もそう単純な生態系ではないようです
きっと人類側と同じく複雑な社会があるのでしょう
人類側がそれを知った時どうなるのかが楽しみですが、今回のユミルとヒストリアのように種族を超えた想いがキーになるのではないでしょうか
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