前回までのあらすじ
流川が戦列に復帰した湘北メンバーは「オレたちは強い」の掛け声でまとまります…
ラン&ガン真っ向勝負
後半の作戦は豊玉のラン&ガンに真っ向勝負を挑むという湘北。流川はまだ遠近感が掴めないのか、宮城の速いパスを取れません。後半先制は豊玉です
ここで豊玉の回想が入ります。元豊玉監督の北野はラン&ガンで結果を残してきた監督ですが、大阪優勝が当たり前になってくると今度は全国でも結果を出せと言われ、クビになってしまいます。豊玉の選手は北野の信望者なのです
板倉の挑発にも乗らない宮城は冷静に、素早いドリブルで抜き去ると、名案を思い付きます。桜木にアリウープパスを出すのです!桜木は凄いジャンプ力でボールを受け取り、そのままダンクへ…と思いきや、なぜか一旦着地し、ゴール下を決めます(笑)これはバスケットインターフェアになり、得点にはなりません
速い展開から板倉が加点します。彦一のデータによると、大阪の県予選個人得点のベスト3が南、岸本、板倉なのです!湘北は得意の速い展開で対抗します。安西は得意な展開で勝てないようでは次の山王工業に何をやっても通用しないだろうと言います
日本一の選手になる…流川の決意と凄み
流川は南に「日本一の選手はどんな選手だと思う?」と問います。日本一の選手になると言うのです。ジャンプシュートも身体が覚えているのか、加点していきます。さらに宮城のスティールから流川はダブルクラッチでシュートは外れますがフリースローを貰います。宮城に強いパスが取りにくいのでワンバウンドさせてくれと頼みます
片目が塞がり遠近感が掴めない中、流川は自分の感覚を信じ、目を閉じてフリースローを打ちます。それがなんと入ってしまうのです!2本目は外れて、桜木がリバウンドを獲り、そのまま密集地帯で合宿シュートを打ってしまい、ブロックされます
岸本の速攻が決まってしまいますが、桜木は「今のは上半身だけだった。ヒザからだヒザから」と呟きます。そして次のチャンスでなんと見事にジャンプシュートを決めてしまうのです!!
海南の一同は驚愕します。高頭はたった1か月で安西はどんなマジックを使ったのかと不思議がります。桜木軍団と春子は巣立つ雛鳥を見守る母鳥の心境だと言います。これで勢いづいた湘北は周りも見えてきて、三井の3ポイントが決まります
南は懸命にプレイする流川が無言のプレッシャーになり、3ポイントをエアボールしてしまいます。宮城の速攻が決まり徐々に湘北ペースへ変わり、残り5分で81-81の同点となります。
エースキラーも人の子…
タイムアウトでは湘北サイドはメンバーがばっちり噛み合っているのと対照的に豊玉サイドは荒れています
監督の金平はついにキレて手を出してしまいます。結果を出さなければ北野同様クビなのだと…揉める豊玉を尻目に、湘北は安西が淡々とリバウンドを制すれば勝てると言います
金平は「オレはお前らが憎くてしょうがないんだよ」と口走ってしまったことを後悔します。取材陣は南の不調を「エースキラーも人の子か」と分析します
桜木のリバウンドから流川がダンク(しかもカウント付き!)で最早負傷者とは思えない働きです。南の回想で北野更迭の撤回を上層部に直訴しに行くも、一番投資しているバスケ部がもっと結果を出してくれないととぼやかれます。新監督の金平は全国ベスト4を目標にディフェンスにも力を入れていくと話しますが、南や岸本は北野のスタイル・ラン&ガンでベスト4を目指すと誓います
ワンスローも決めた流川、プレイでこれだけ人の心を動かすなんてと記者は涙ぐみます。南は自責の念に囚われ、再度流川に手を出そうと単身突っ込みます。無理やり突っ込んだ南は崩れ落ち、カメラマンと衝突、流血してしまいます。南は藤間の時最初は威嚇でやってしまったと言います。エースがベンチに下がり、結果チームは勝ち、正当化されてしまった…エースキラー南と。
南は気づくと北野に介抱されています。北野は今ミニバスで監督をやっており、試合を観に来たといいます。北野はミニバスでもラン&ガンで楽しそうにやっていると言います
湘北緒戦突破!日本一の山王工業に挑むことに…
リバウンドを桜木が獲り、三井にパスを出すと見せて自らジャンプシュート、加点していきます。残り2分で91-81と10点差になります。戦列に復帰した南は、岸本に北野が来ていることを告げます
二人は北野がいつも言っていた「バスケットは好きか…?」という言葉を思い出します。ここで豊玉は集中力を見せ、南が3ポイントを沈めます。スクリーンアウトを怠った桜木に赤木が喝を入れます。「これは全国大会なんだ!一瞬たりとも油断するな!!」と檄が飛び、チームが引き締まります
南は連続3ポイントを決め、大阪得点王の凄みを見せますが、最後は赤木と桜木がリバウンドを死守し、結果91-87で湘北の勝利となります。湘北は日本高校界の頂点に君臨する山王工業に挑戦することになります
他会場では愛和学院、大栄学園、常誠と強豪校が順当にコマを進めています。宿に戻り士気が上がる湘北チーム、赤木に深体大の唐沢監督から激励の電話が来ます
山王工業はビデオで湘北の分析を始めます。弥生は監督の堂本にこの油断のなさが優勝を確信させると話します。堂本はトーナメント緒戦の入り方が重要だと説きます。裏を返せばあくまで緒戦に過ぎないということでしょうか?
北野と安西は同期生だったようで、お好み焼き屋で談笑します。安西は北野に選手に山王のビデオを見せるべきか問います。北野は「レベルが違い過ぎる、自信喪失したとしても不思議はない…ただお前とこの選手もそれほどやわには見えんかったで」と言います
安西はメンバーに山王のビデオを見せることにします。山王側は夜なのに再度練習をしに行きます。しかも相手は山王OB、最早大学オールスターなのです!弥生が湘北に勝利の可能性など1%も残さないつもりだわと感じたところでこの巻は終わります
まとめ
お互いの持ち味であるラン&ガンでの勝負となった後半、負傷している流川はその影響を感じさせない動きでチームを牽引し、その活躍が南に無言のプレッシャーを与えてしまいます。豊玉の上層部の結果が全てという考えは、特にプロでもない高校生には酷な話で、スポーツの世界ではよくあることなのでしょうが、結果至上主義者の被害者なのかもしれません
北野のラン&ガンの根底には「バスケットは好きか?」という根本的な想いがあったのです。結果が全てとは良く言われてしまうスポーツの世界でも、選手が心から楽しめていないと、結果は付いてこないのかもしれないと考えさせられる内容でした
早くも高校日本一の山王工業に挑むことになる湘北、ビデオを観ることでどのような影響を受けるでしょうか?油断も慢心もない山王に付け入るスキはあるのでしょうか?次巻も読みましょう!!
おまけ
SLAMDUNKには単行本がジャンプコミックスサイズの他に完全版というものが出ています。こちらは全24巻、表紙描きおろし、丸絵なし、A5判サイズということで、大きな誌面で読みたい方におススメします。
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