前回までのあらすじ
タツヒコは出来る限りのことはやってみると言い残しその場を後にします。真虎に決意表明し、吉川に拉致られた場所を特定してもらい、バイクで送って貰います。場所は渋谷のココナツホテルと分かります…
絶体絶命のピンチも土屋が刺され急転直下
吉川はタツヒコをホテルまで送って去ります。アオイと犬飼は暴力を振られ、一室に監禁されています。犬飼は真虎が掛け持ちさせたと知り戦慄します。ホテルから2人ヤクザが出てきて、数勘定し、絶好のチャンスと踏んだタツヒコは、ヤクザに犯されているアオイを助け、ホテルを逃げ出します
運よく入口まで行けますが、そこには若頭がいます。ボコボコにされたタツヒコは、バーストの指示で来たと言えと言われますが、頑なに口を割りません。命を懸けても仲間を助けるというタツヒコ、最早意識も朦朧としています
タツヒコは事前にカエデにホテルの場所を伝えていました。カエデの回想が入ります。親に先立たれ、借金1億を背負ったカエデは闇を抱え、淫乱と言われながら、金を作ります。カエデはホテルに行き、5000万の貯金で妹を帰して下さいと懇願します
若頭は組長(土屋)に電話します。土屋は天野と会食しています。今まで山城の失態には目を瞑って来たが、次あったらそのとき考えると言います。土屋がトイレに行くと、なんと土屋は刺されてしまいます!若頭は電話でその件を知り、タツヒコや犬飼を殺す手間を考えて、逃げてもトコトン追い詰めると言い残し、現場に向かいます
タツヒコ達は逃げ出します。アオイを叩いたカエデは「私を一人にしないで」とアオイを抱き締めます。タツヒコはアオイの地元(北海道)に犬飼を連れて行って欲しいと提案します。犬飼の部屋の荷作りをしながら、アオイは親の借金は子が相続する必要はないのではと問います。カエデは他の何かを相続した場合、その借金も一緒に相続しないといけない…家を継いだという訳なのです
犬飼とアオイを見送り、カエデは今度こそAVを紹介してと言います。タツヒコがなんで家を相続したのか問うと、カエデはアオイが帰る家を守るために継いだと言います。タツヒコは「強ぇー女はモテねーぞ」と呆れます
それぞれの思惑…
美竹組組長の土屋の生死次第で今後の出方が変わると踏んだ天野、そして若頭は土屋のいる病院に裏から入ります。若頭はなんと土屋を射殺してしまいます!タクシーを捕まえて病院の表玄関に回してくれと言い、何事もなかったかのように現れます
事の次第を真虎に報告しているタツヒコ、そこに葉山が現れます。葉山は真虎に言われた犬飼を利用してバーストにトラブルを招き入れ、葉山は暴れるという指示に従いながら、森長をけしかけ土屋を刺させたと言います。真虎は目的はバーストと紋舞会の仲を裂くことと言います。この矛盾する行動は何なのでしょうか?葉山に警告し、真虎はその場を去ります
土屋の後釜としてその場に収まったのは若頭の灰沢でした。タツヒコは真虎と上納金を納めに行きますが、特にお咎めはありませんでした。灰沢は田無には森長に見立てたニセモノを殺し自首し、そのかわり森長を許せと言ったと話します。森長にほとぼりが冷めるまでどこか遠くに行ってろと言う灰沢は、田無は森長の代わりに修羅の道を選んだという言葉を残し、その場を去ります
温泉社員旅行!!
バーストは渋谷進出記念ということで、伊東温泉に社員旅行に出かけます。海では派閥対抗ナンパ合戦が開かれます(笑)。牛尾、鼠賀という出戻り組も含め、タツヒコのみが気合が入っています。海はシロートナンパ師のフィールド、完全アウェーのスカウトマンたちはことごとく散っていきます
ひよる真虎派、仕事に逃げる葉山派、戦線離脱の出戻り組、ライフセーバーに捕まる関派、そして何もしない社長派…ナンパ合戦はうやむやになる中、タツヒコは10人アポったと息巻きます(笑)
宿に着き、温泉に浸かりながら、葉山はこの後地獄の飲み会が待っていると脅します。夕食で山城直々に褒められたタツヒコ、その後山城はミネルバとぶつかると言います。「バースト総勢200人、ミネルバ総勢500人、苦しい戦いになると思うが、気合入れてけやぁ!」と檄を飛ばし、いよいよコンパニオンが登場します!しかし、サファリパークのような有様(笑)、しこたま飲ませるしかないとタツヒコは瓶ビールのケースを取りに行きますが、戻ると既に幹部連中できあがっています
新宿のキャバクラは出禁だし、バーストの幹部クラスともなるとどこも飲ませてくれないため、酒も弱くなると葉山は説きます。「弱すぎませんか?まだ7時半ですよ?」とタツヒコが言ったところでこの巻は終わります
まとめ
絶体絶命のピンチを救ったのはアオイの姉、カエデでした。闇を抱えながら苦心して貯めた5000万を渡し、アオイを救う姉の姿には、どんなに堕ちても血縁は逃れられない繋がりの定めがあり、一生ついてまわるものと考えさせられます。カエデの強い意志が、アオイと犬飼を救いました
土屋が刺されたどさくさにまぎれ、若頭の灰沢が暗躍し、美竹組の組長にのし上がります。修羅の道を行く者、こうやって上手く立ち回ってのし上がる裏の世界の壮絶さを思い知らされます。森長は許されますが、今後はどうなっていくのでしょうか?
これでやや重い内容でもあったAV編が終わります。新宿スワンのいいところは、重くなりがちな内容の中にきちんとお笑い・息抜き要素を入れてくれることです。今回は社員旅行のナンパ合戦と、飲み会では全員下戸だったというオチで癒してくれますした。このように緩急をつけた演出が和久井健先生の作品の見どころであり、魅力だと思います
大きく膨れ上がったバースト、次はミネルバとぶつかると息巻きますが、どうなっていくのでしょうか?続巻も読みましょう!!
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