「新宿スワン」9巻のアンダーグラウンドな夜の街の光と闇~天真爛漫なマユミの影…歌舞伎町を謳歌する闇金業の繁栄とその恐ろしさ~

前回までのあらすじ

新宿のキャバクラは出禁だし、バーストの幹部クラスともなるとどこも飲ませてくれないため、酒も弱くなると葉山は説きます。「弱すぎませんか?まだ7時半ですよ?」とタツヒコが言います…

天真爛漫なマユミ

旅館で清々しい朝を迎えていると、犬飼から電話が掛かって来ます。北海道で上手くやっているようです。露天風呂では山城牛尾鼠賀にまで頭を下げ、幹部連中はどこまでも付いていくと喜びます。帰りの電車で横浜に着くとタツヒコヒデヨシを見かけます!

葉山との飲みの席でそのことを伝え、横浜に探しに行くというタツヒコは、を紹介され、1週間捜索しますが、見つかりませんでした

新宿に戻ってスカウトをしていると、他のスカウトマンがいないことに疑問を感じます。スカウトの仕事にすら疑問を感じているとマユミという女に声を掛けられて、まんざらでもないと改めます。幹部連中も最近のスカウトマンの出勤率の悪さを危惧しています

天真爛漫なマユミは借金がある癖に金に無頓着な様子です。早速ワガママを言われ、紹介しても決まらず一日無駄に過ごしたタツヒコは、真虎に信用出来る人間に任せれば?と言われ、裕香の店に連れて行きます。源氏名はいらない、フリフリのドレスが着たい等、我が道を行くスタイルで裕香は困ります

井出の話だと出勤して来ないスカウトマンは闇金業に手を出しているというのです!スカウトは完全歩合制の中、闇金業は基本給が出るということで、歌舞伎町は闇金ブーム、キャバクラには闇金業者がはびこり、多重債務者から巻き上げた金を湯水のごとく流していました。債務者が債権者を接客する構図が生まれた時代なのです

闇金の恐ろしさ

裕香タツヒコマユミがまっすぐだから水商売には向いていないと話しします。井出牛尾鼠賀に闇金の話を持ち掛けます。井出は本格的に闇金業も始めてしまいます

マユミに海に行こうと言われ、結局川に連れて行き、しばらくして相談事を聞こうとすると、マユミは橋の柵を越えて立ち、信じていれば空も飛べると言い出します。お金を貸しての一言が言えないと言うマユミは、ちっちゃなプライドをカンタンに壊さないでよと川に飛び込みます!

タツヒコはすぐ後を追い、マユミを救います。もう死んでもいいと思ったというマユミに力になるとタツヒコは優しく言います

幹部連中はスカウトマンの闇金兼業の話に気づき、山城牛尾鼠賀に調査させようとします。また、カエデをAVに紹介したスカウトとしての実績を持つタツヒコを中堅へ昇進させるという話が出て、特に牛尾は納得がいかないようです

マユミをクロブタローンに連れて行ったタツヒコは、マユミがいつの間にか借金が膨れ上がっているという話に戦慄します。店長の原木に調べてもらい、54万6000円、初めに借りた金の3倍になっていると気づきます。原木マユミに毎週12万9000円つくることと約束し、タツヒコにその金額を稼げる環境をつくってあげるよう言います。原木マユミの危うさに気づいています

保証時給6000円期間1か月、給料の支払いは毎週土曜日という好待遇にも関わらず、マユミは保証期間が終わってしまえば時給が下がるので、次の店で保証してもらいたいとワガママを言います

牛尾鼠賀井出を連れてキャバクラに行き、豪遊しています。牛尾は金融業に向いているようです。席に着くキャバ嬢が皆バーストの紹介した女ということで牛尾はキレます。暴れる牛尾をたまたまマユミと訪れていたタツヒコが止めに入ります。鼠賀は何でもかんでもしゃしゃりゃあいいってもんでもないと苦言を呈します

井出マユミの相談にのって闇金を紹介したのだから、牛尾鼠賀も含め闇金に手を出していることは黙っていて欲しいと言います。マユミはまた保証が切れてしまいそうだとタツヒコに泣きつきます。マユミが「ごめんねタツヒコ」と言ったところでこの巻は終わります

まとめ

横浜でヒデヨシを見かけたタツヒコは、単身横浜に捜索に行きますが、消息は掴めませんでした。ここでという人物を紹介されますが、今後重要人物として出てきますのでチェックしておきましょう

マユミという天真爛漫な子の扱いに苦慮するタツヒコ裕香を頼りますが、流石の裕香でも持て余すくらい水商売に向いていないのです。しかし闇金の借金が膨れ上がるマユミは誰にも頼ることが出来ず、しまいには川に飛び込んでしまいます。借金というものは本当に人間を追い詰めるものです。当時は気軽に誰でも借りれるといううたい文句で多くの人が手を出してしまい、痛い目に遭って来た時代、本当に恐ろしいことです

スカウトマンは過酷な労働条件の上、完全歩合制のため、生活の保障が不安定です。闇金は基本給が出て、しかも楽に金を稼げるということで、そちらに流れるのも必然となります。井出牛尾鼠賀は闇金に手を出してしまい、あぶく銭を稼ぎ謳歌しますが、タツヒコとぶつかります

タツヒコマユミを闇金に紹介して貰った手前、そのことを報告出来ず苦悩します。また、マユミが一向に仕事が軌道に乗らなく、そのことも追い打ちを掛けます。この闇金という地獄のループ、大きな影を落としてきますが、今後どうなってしまうのでしょうか?続巻も読みましょう!!

おまけ

ドラマ版の第5話は「風俗嬢の危ない秘密」で、ゲストはアゲハ役が麻実ゆまです。アゲハは映画版では沢尻エリカが演じているので、その違いを比べてみても面白いと思います

コメント

タイトルとURLをコピーしました