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前回までのあらすじ
鶴見中尉の「雷」型駆逐艦はまんまと潜入に成功し、今夜は我々がシャチとなって狩りに行くと粋がります
鶴見中尉がのっぺら坊とアシリパを確保せよと叫びます…
のっぺら坊を探せ!
杉元達は脱出を試みますが門倉は裏切り応戦して来ます。インカラマツは谷垣に鶴見中尉との内通を認めます。正門を破って来た兵士を十字砲火で挽肉にしてやると息巻く犬童でしたが、鶴見中尉は駆逐艦の大砲で裏手側の塀を攻撃します
鶴見中尉は今回の一件を巧みに偽装して中央に報告するつもりです。犬童は奴らはここを潰しに来たのだ、戦わねば死神に蹂躙される運命しかないと応戦します。インカラマツは建物の下敷きになりますが、谷垣がど根性で救い、更に崩れて来たところを牛山が救います!
牛山はそのまま潰されるかに見えましたが、軽々と倒壊した建物を投げ捨て、馬鹿力を見せます。アシリパは都丹庵士も門倉ものっぺら坊が偽物だと分かって事を起こしたのか?と怒りますが、土方は機を逃すぞ、ついて来いと淡泊です
監獄内に鶴見中尉達が現れ、杉元は偽のっぺら坊を盾に交渉しますが、偽のっぺら坊は頭を撃たれています。宇佐美は門倉を撃ちますが、門倉は火災時に作動させる一斉開房装置を使い、700人の凶悪犯と戦わせる気です(鶴見中尉達は63名です)
鶴見中尉は兵士に付け剣させ、一掃しようと攻撃しますが、囚人達も物凄い勢いです。二階堂は杉元を探しますが、白石と共に逃げ出しており、偽のっぺら坊のいる舎房で騒ぎを起こさせ、犬童が本物ののっぺら坊の隠し場所に向かうところを押さえるのが土方の狙いだと気づきます
これを機にアシリパと自身を引き離す気だと感じた杉元は、狭い場所から脱出できた白石にアシリパを託し、正門で落ち合う約束をします。犬童は予想通り教誨堂に向かいますが、土方達はアシリパを見失います。アシリパはキロランケ・白石と合流、キロランケが杉元を救出して教誨堂に向かい、のっぺら坊を正門に連れて来ると言います
監獄内では肉弾戦が繰り広げられています。外に出られない杉元の下にキロランケが向かい、爆弾で壁を壊し合流します。アシリパは父親のマキリ(小刀)を託しており、杉元は単身のっぺら坊を連れて来ると向かいます
のっぺら坊の最期の言葉とは…
杉元は道中二階堂に襲われ、ナイフを突き立てられると歯で噛み抑えてしまいます!教誨堂では都丹庵士と犬童が相打ちになり、本物ののっぺら坊を土方は見つけますが、犬童は生きており、鎖で自身と土方を繋ぎます
杉元と二階堂は極限の肉弾戦を展開し、二階堂は右脚の仕込み銃で止めを刺そうとしますが、勘の良い杉元に避けられ、最終的に脚を曲げられ自身の右腕が吹き飛びます。人が来たため止めを刺せず杉元は隠れます
お互いを鎖で繋いだ犬童と土方は刀で死闘を演じ、腕を斬られ土方不利です。土方との因縁で何としても屈服させたい犬童に、土方は左手の傷口から滴る血を掌で貯め、犬童の目を潰し、そのまま仕留め、生け捕りに出来る程まだ老いちゃいないと吠えます
正門で牛山達と合流したアシリパの下にキロランケも現れ、事情を説明します。杉元はついに青い目をしたのっぺら坊を見つけ、アシリパのマキリを見せると、その男はアシリパの物と分かっており、杉元はどうしてアシリパをこの金塊争奪サバイバルに巻き込んだ?と怒ります
のっぺら坊はアシリパはアイヌを導く存在だとし、杉元はアシリパをジャンヌ・ダルクにしようってのか?と吠えます。杉元はアシリパを人殺しにさせるなと喚くと、のっぺら坊は建物の屋根にインカラマツを見つけます
インカラマツはアシリパを呼び、双眼鏡で確認させます。アシリパは幼い頃アチャ(父)とヒグマを狩った時の光景を思い出し、間違いなくアチャだと確信します。のっぺら坊もアシリパを確認し、アイヌを殺したのは私ではない、金塊…と言ったところでのっぺら坊、そして杉元と狙撃されます!(尾形の仕業です)
インカラマツはこのままでは金塊の謎を解く鍵はアシリパの中だけに存在する、あなたを巡って殺し合いになると怯えます。尾形の更なる狙撃を谷垣が身を挺して防ぎます。谷垣がのっぺら坊と杉元を引きずり正門まで行くと、インカラマツは刺され倒れており、ウイルクが撃たれた時キロランケがどこかに合図していたと言います
いざ樺太へ
予備の船に辿り着いた白石達に、キロランケはインカラマツが第7師団と内通していたため連れていけないとし、更に尾形が現れ、谷垣の捕縛と、のっぺら坊・杉元の死を伝えて来て、アシリパは泣き叫びます
後日不死身の杉元はやはり生きており、鶴見中尉に脳味噌が欠けたもの同士、カケトモだと言われます。名医・家永の腕と杉元の驚異的な回復力が功をした訳ですが、瀕死のインカラマツはキロランケ達は樺太へ向かったはずと言うのです。病床の杉元はアシリパを取り戻す、俺を樺太まで連れて行けと吠えます
教誨堂の地下にそのまま潜伏していた土方達は、あと2・3日すれば地上も片付いて兵士達も減るだろうと粘ります。犬童の忘れ形見を目にし、土方は網走は徒労に終わったと思えたが、最後に小さな光が見えた、ここを出て南へ向かうと言います
インカラマツは刺された際キロランケに脅されており、誰が犯人か分かるように刺さったマキリを離しませんでした。鶴見中尉はキロランケがかつて極東でゲリラ活動をしていた仲間と合流する可能性が高いと読みます
杉元と谷垣がアシリパ奪還に向かい、月島と鯉戸少尉が同行します。杉元は鯉戸少将(父)の船で話し、アシリパに伝えなきゃいけない事が沢山あると樺太へ向かいます。大泊港に汽船し、何とチカパシとリュウもいたため、特にリュウは得意の鼻が役に立ちそうです
杉元達はアシリパの写真を住民に見せ(毎回間違って谷垣の裸の写真を見せてしまいます…)、アシリパが樺太に来ている事を掴みます。子供の足跡を見つけ森へ行くと少女がおり、アシリパと会ったと言います。するとヒグマが小動物に襲われ逃げて行き、鯉戸少尉がその小動物と対峙したところでこの巻は終わります
まとめ
3つ巴の網走監獄での乱戦は様々な策謀が入り乱れる中、土方VS犬童、杉元VS二階堂等の極限の戦闘シーンが見ものでしたが、最終的に本物ののっぺら坊を確認し、アシリパも確実にアチャだと気づきます
ところが尾形の狙撃でのっぺら坊の肝心な言葉を聞き損ね、杉元も頭を撃たれます。主人公ですし、不死身と言われるだけあり、家永の治療もあって杉元は息を吹き返しますが、ここから何と今まで敵対していた鶴見中尉陣営と共闘し恐らく樺太へ向かったアシリパを探す事になります
ゴールデンカムイは多くの登場人物が出て来て、更に局面局面で共闘したり敵対したりする場面が多いため、非常に混乱しますが、金塊への手がかりとなるのはアシリパの頭にしかないという事で、アシリパを追う事になります
鶴見中尉と内通していたインカラマツ、また、キロランケがかつて極東でゲリラ活動をしていた仲間と合流する可能性が高い等、一見仲間だと思っていた人物が反旗を翻すケースも多々見られ、この金塊争奪サバイバルをより複雑かつ面白いものとしています
ついには北海道を離れ、樺太まで来てしまった杉元達、ヒグマを襲っていた小動物とは何なのでしょうか?15巻へ続きます…
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