前回までのあらすじ
牛山の活躍で車内では有利ですが、その隙にアシリパは飛び降りようとすると月島達が脇を固め降りられません。杉元・土方も死闘を演じます。ここで月島が車内に侵入し、牛山と対します。尾形が先頭車両を占拠し、暴走列車地獄行きだぜと宣います…
ラストに相応しい壮絶な展開!
月島は銃剣を投げ牛山の腕に刺さりますが、牛山はひるまず組みして「どうだ強いだろう?」と不気味です。土方の前には鯉登少尉が立ち塞がります。牛山は月島を放り投げ、杉元達は前の車両へ急ぎます。車上にいる鶴見中尉の元に尾形が現れます
ここまで犠牲が出るとは思わなかっただろうという尾形は、鶴見中尉に表舞台から消えてもらい自身は出世して第7師団の肩書が欲しいようです。鶴見中尉は尾形の野望を見て、「第7師団なんぞ偽物でも成り上がれる」と証明したいのだろうと問い、尾形はその通りですと笑います
牛山は後ろから月島に殴られますが、担ぎ上げ天井が盛り上がる程です。鯉登少尉は歴史上土方歳三が死んだとされる場所「一本木関門」はこの列車の終着駅だと言います。土方の太刀は鋭く、鯉登少尉不利ですが、腹を据え自顕流で攻めるつもりで、土方は狭い車内で初太刀を打たせなければ良いと迫ります
牛山に敵わないと悟った月島は手投げ弾を投げますが、激針を上手く受け止め牛山は投げ返し、月島の頭上で爆発します!鯉登少尉は斬りつけますが、土方は上手く銃剣を押し上げ頬を斬り、初太刀を受け止めます
杉元が弾を受けながらも遮二無二前に進む中、何と後方車両からヒグマが迫って来ます!鯉登少尉の刀は割れ、土方が獲った…!と思いきや、短くなった刀が先に土方の頭を割ります
月島は俺の命このために使ってもいいと鶴見中尉を想いながら手投げ弾を抱え牛山に迫ります。弾みで手投げ弾を落としてしまい、激針が落ちる先にはアシリパがいるため、牛山は身体ごとそれを防ぎに行きます。牛山は身体半分が吹き飛び、アシリパに抱かれて逝きます
勇作に憑りつかれた尾形、逝く
ヒグマが後ろから迫ってきている中、どさくさに紛れて月島がアシリパの矢筒(権利書が入っています)を鶴見中尉に渡します。鶴見中尉はそのまま月島を上に上げようとしますが、月島にその力はなく、鯉登少尉はもう月島は十分尽くした、開放してあげてくれと懇願します
そこに先程倒したはずの土方が後方車両へ向かって行き明らかに様子が変です。迷うことなくヒグマと対峙し、脳裏には新選組の仲間の事が過ります。土方は自身の刀を杉元に託し、新八(ガムシン)に看取られて逝きます
ヒグマは更に前方に向かい、何と屋根の上にいる尾形に迫ります!尾形が止めを刺しきれない中、後ろから杉元が銃剣で尾形を刺します
鶴見中尉は権利書を持って旅順へ行き、「関東都督府陸軍守備隊」(のちの関東軍)と交渉し「文句があるなら北海道の土地を外国に売る」と恫喝してやると呟きます
杉元と尾形は死闘を演じ、ボロボロになりますが、杉元はヒグマに捕まれ絶対絶命です。尾形が止めを刺そうとすると、アシリパが弓を構えたため、あれから誰か殺せたか?と問うと、私は杉元佐一と一緒に地獄に落ちる覚悟だと尾形に弓を放ちます!
矢じりの毒を抜き、まだ死ねないと気張る尾形でしたが、例によって勇作の亡霊が見え、錯乱しながら勇作と重なるアシリパが俺に罪悪感を気づかせたと悟り、自身で引き金を引き壮絶な最期を遂げます。尾形は最後まで勇作の亡霊に憑りつかれていました
いちばん大切なひとまで失いたくない…アシリパの想い
アシリパはヒグマを退治し、杉元はアシリパを心の底から相棒扱いしてこれなかったんだ、彼女が俺と一緒に地獄へ落ちてくれるつもりでいると分かるまで…と感じます。先頭車両が切り離され、鶴見中尉は逃げる気です
アシリパは腹を括り最後のお願いとしてあの井戸は埋めたままにして欲しいと請い、黄金のカムイの呪いを断ち切らないとと言います。いちばん大切なひとまで失いたくないと本心を告げ、杉元は了承の上、一人では行かせないと最後まで相棒として先頭車両へ飛び移ります
鶴見中尉と杉元が死闘を演じる中、アシリパも弓で狙い、2対1では不利と悟った鶴見中尉は車両前方に向かい足場の悪いところへおびき出そうとします。ここでも際の際の死闘を演じ、鶴見中尉は菊田が言っていたノラ坊が杉元の事だと気づきます
後方車両が止まる中、白石が追いかけようとすると、何と馬に乗った谷垣が現れます!
追い詰められた鶴見中尉は金塊はお前達の物だ、権利書のみで良いと言いますが、杉元は俺の分け前はもう貰っていると砂金を飛ばし鶴見中尉は目をやられ銃を外したところで杉元が一刀します!しかし意地でも権利書を離さない鶴見中尉は執念を見せます
アシリパは何とか権利書を奪いますが、杉元は胸に刀を刺され、致命傷です。それでも不死身の杉元だとアシリパを放り投げるとそこには白石と谷垣の馬がいます。結局駅舎まで続いた杉元と鶴見中尉の死闘も、最期は杉元が銃を撃ち、お互い噛みつきながら車両ごと海に沈みます
大団円
6か月後東京でアシリパは干し柿を買っています。杉元は目が見えるようになった梅子と会い、砂金を渡します。事の顛末として、ひと月前榎本武揚から権利書について上手く話を取りつけ、アシリパは事を成します。干し柿を食べてこれからどうすると問われ、今までの数々の美味しい食事を思い出し、アシリパに故郷へ帰ろうと言います
湿っぽいサヨナラは嫌いだぜと白石も去り、夏太郎・新八・谷垣・門倉・キラウシ・マンスール・鯉登少尉・月島の未来が語られます。アイヌの文化は語り継がれ、アシリパの功績で権利書の土地は昭和期に国立公園や国定公園に指定されます
3年後アシリパと杉元が幸せに暮らす中、白石から自身の金貨が送られて来たという衝撃(笑劇)のラストでゴールデンカムイは終わります
まとめ
この複雑怪奇な金塊争奪サバイバルのラストを締めくくるに相応しい緊迫感溢れる白熱の展開で走り抜けたゴールデンカムイ、主要キャラがどんどん逝く中、人たらしとして鶴見中尉は忠実な月島・鯉登少尉が最後まで味方でいます
本性を現した尾形でしたが、最後まで勇作の亡霊に魅入られて壮絶な最期を遂げます。狙撃手として様々な局面でその冷徹な頭脳が光った尾形でしたが、名脇役として命を落とします。また、土方も鯉登少尉の一撃が元で死亡、最期まで気高さの残る印象でした
暴走列車が終点に着くまでノンストップで繰り広げられたこの壮絶なラストも、アシリパの’’いちばん大切なひとまで失いたくない’’という想いが語られ、ついに杉元と相棒以上の堅い絆が結ばれます。際の際の、一瞬たりとも目の離せない壮絶なラストでこの暴走列車のくだりは終わります
結局梅子や権利書の顛末、そして白石の無人島の王国!?という伏線も全回収する中、アシリパと杉元は幸せに暮らしたという大団円で終わったゴールデンカムイ、本当に様々な側面がある中賑やかに、そして個性的な登場人物が勢ぞろい、食の充実という点でも、アイヌ文化を詳細に描くオンリーワンな漫画となったのです
終わりに
如何だったでしょうか?アイヌという普段あまり触れる機会のないものを題材とし、色鮮やかに、淡々と、お笑いから下ネタ・シリアスと様々なテイストを駆使し、ヤングジャンプを代表する唯一無二の漫画として連載終了した今なお人気は続いているゴールデンカムイ、またすぐ杉元達に会いに行きたくなりますね!今までお付き合い頂き有難うございました
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