前回までのあらすじ
気落ちする縁壱のところに炭吉の妻が現れ慰め、炭治郎は縁壱の心が何百年も昔に亡くなっている、この人の心がほんの少しでも救われることを願います…
赫い刃の効果覿面
柱総出で鬼舞辻を襲いますが、苛烈な攻撃で全く近づけず、逆に甘露寺は重傷を負います。伊黒は隠に甘露寺を託すと、伊黒の昔語りが始まります。女ばかりが生まれる家で三百七十年振りに生まれた男の子として可愛がられますが、度が過ぎており、その家には蛇鬼がいついており、赤ん坊を食べてしまうのです
伊黒は珍しい男の子なので成長するまで生かされ、座敷牢を伊黒は何とか脱出し、炎柱に救われます。一族は皆殺しに遭い、伊黒は自身の罪深さを呪い、柱として鬼を倒すことで救われますが、何時までも十字架を背負っています。伊黒はもう一度人間に生まれ変われたら今度は必ず甘露寺に好きだと伝えると決意します
伊黒は斬撃と同時に蹴り上げて切断面を離し即再生するのを阻む気ですが、やったところで焼け石に水です。義勇は油断して刀を離してしまいますが実弥に助けられ、「流流舞い」で水柱として恥じぬ戦いをと気張ります。まだ15分しか経っておらず、夜明けまでは絶望的な長さの中、突如空中に猫が現れます
猫のお蔭で柱の怪我が回復し、これは珠世が最後に託したものだったのです。鬼舞辻の攻撃が苛烈を極めます。伊黒は時透が散り際刃を赫くすることができたのに倣い、万力の握力で刀身を赫くし、同時にそのことに囚われ過ぎたと悔います。鬼舞辻は襲ってきて、伊黒は辛うじてかわします
劣勢の中、鬼舞辻は両腕を斬られ、再生するもののその断面から切れ味の悪い刃物だと気づき、ついに善逸・伊之助・カナヲも加勢します!また、赫い刃で斬ると鬼舞辻でさえ再生が遅くなることも判明し、「肆ノ型 紅花衣」と「壱ノ型 霹靂一閃」を同時に放つと伊黒は「参ノ型 塒締め」と畳み掛け、人数が増えたことで悲鳴嶼にも余裕が生まれます
悲鳴嶼は鉄球と斧をぶつけることで色が変わり、鬼舞辻の頸元を鉄球で捕えます。義勇と実弥はお互い刀をぶつけ、刀身が赫くなり、夜明けまで一時間三分、状況は変わりつつあります
日の呼吸 十三個めの型へ
愈史郎たちは炭治郎を介抱し、脈が戻って来ていることに気づきます。炭治郎は決して刀を離さず、ついに立ち上がります。実弥は「漆ノ型 頸風・天狗風」を放ち、悲鳴嶼は透視で複数の脳と心臓が移動していることに気づきます
伊黒が鬼舞辻の体を注視すると、一瞬体が透けて、無数の鞭の斬撃を放たれ、柱は一気にやられます。カナヲがこれまで…というところで炭治郎が「ヒノカミ神楽 輝輝恩光」で鬼舞辻の腕を斬って救います。炭治郎は鬼化しており醜い姿ですが、「終わりにしよう、無惨」と決意は固いです
炭治郎は縁壱との邂逅からついに日の呼吸は繰り返すことで円環を成し十三個めの型になると気づきます。凄まじい死闘を演じた炭治郎は、鬼舞辻の背中の九本の管と両腕、それを上回る速度の管を八本腿から出して攻撃していることに気づきます
炭治郎は「日の呼吸 円舞 烈日紅鏡」から「火車」の連撃を放ち、繋がることに気づき、今度は十二の型全てを繋げる気です。ところが鬼舞辻に言わせれば縁壱の赫刀の斬撃はこんなものではなかったとまだ余裕があります
炭治郎は「日暈の龍・頭舞い」から「火車」で六つ繋げ、際の際の攻防の中、夜明けまで一秒を繰り返せと気張り、「幻日紅」、「灼骨炎陽」で技の精度が落ちる中、鬼舞辻も動きが鈍っているのです!鬼舞辻は珠世が原因だと悟り、その薬には老化の成分が混ざっていたことが分かります
珠世の執念が結実した毒
一分で五十年老いる計算なので、最早鬼舞辻は九千年老いているのです!夜明けまで五十九分、炭治郎は「飛輪陽炎」、「輝輝恩光」、「碧羅の天」、「火車」、「烈日紅鏡」、「炎舞」、「幻日虹」、「円舞」、「斜陽転身」、「灼骨炎陽」、「日暈の龍・頭舞い」、「陽華突」とついに十二の型が繋がります
この十二の巡りを夜明けまで繰り返せば打開できる!?…愈史郎は治療を続けながら珠世に炭治郎を守ってくださいと願います。炭治郎は狙いを心臓と脳に定めようとすると、酸欠で前が見えなくなります。では匂いで捉えると気張ると油断し鬼舞辻に吹っ飛ばされます
ところが寸でのところで伊黒が炭治郎を庇っていたのです!伊黒は鏑丸の助けで激しい鬼舞辻の攻撃を掻い潜り、老化薬の影響は大きいのです。透明な世界に入れない中、炭治郎は鬼舞辻の体に縁壱がつけた古傷を見つけます
夜明けまで四十分、確実に鬼舞辻を追い詰める伊黒と炭治郎、ついには鬼舞辻は逃亡を計ります。何としても逃がしたくない二人は共闘し、伊黒に視覚が開ける紙を鏑丸伝手で渡し、確実に戦いやすくなります。禰豆子は今までのことが走馬灯のように過り、ついには覚醒し自身を取り戻します
夜明けまで三十五分、鬼舞辻は分裂して細かく飛び散ってくると思われた中、珠世の薬は実は「人間返り」、「老化」、「分裂阻害」に加え、三つの薬で弱った所に細胞破壊の薬が効き始めるという策士ぶりで、いよいよ鬼舞辻が追い詰められるところでこの巻は終わります
まとめ
鬼殺隊総力を上げた苛烈な攻勢にも鬼舞辻はその圧倒的な強さから一時絶望的状況まで巻き返します。この困難に鬼化した炭治郎と柱の中で唯一まだ動ける伊黒が躍動します
炭治郎は戦いの中で日の呼吸の十三個めの型について閃きがあり、次々に型を繰り出すことでそれに近づきつつあります。夜明けまでのタイムリミットも迫り、更に珠世執念の毒には実は四重の仕掛けがあり、「人間返り」、「老化」、「分裂阻害」に加え、三つの薬で弱った所に細胞破壊の薬が効き始めるという正に執念の毒だったのです
鬼化していた禰豆子も走馬灯が過りついに鬼から脱し自身を取り戻せたようです。鬼化している炭治郎は心配ですが、この苛烈極める最終決戦、決着は如何に…!?次回最終巻です!23巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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