前回までのあらすじ
セーラと遠峰は飲み白い梅の花を想起、「~レゼルヴ」’88年そのものです。雫とのキスを思い出しセーラは勝負あったがこんな風にあっさり雫退場しちゃうの?と思案します。ローラン・クリスの様子も伺える中、~事業部で出陣式でシャンパーニュを開け6‐6イーブンに持ち込み「神の雫」にチャレンジすると意気込みます
ロベールと仄香が飲み月を見ながら豊多香を想います…
ヴィンテージ1年違い
クリス・ローランと役者が揃いロベールは「~ルートシルト」’82年を開け「千夜一夜物語」を想起、雫寝ぐせ付いてます(笑)遠峰も現れ霧生が口上を読み上げます。遠峰先攻で黄金色のワインは美しい川から歴史ある修道院に行き着き森の中から雌鹿が現れ豊多香の謎めいた表現に迫っています
川岸で手を振っているのは遠峰自身でこの川は「ステュクス」で「永遠」という名の幻ー走馬灯だと「シャトー・ディケム」’75年は歴史的ヴィンテージです。超長熟の甘口ワインでみやびは口上に限りなく近いと感じます。一方雫は様々な想起からそれは豊多香の記述と全く異なるように感じられます
このワインは偉大なる混沌、時空を超え受け継がれていく人としての営みで魂の継承と締め何と「シャトー・ディケム」’76年で1年違いです!
「使徒」対決は6‐6同点で決着
1年差のワインなのに二人の表現は正反対でロベールはここで二人の意見を聞きたいと振りローランは’75年を遠峰の表現したイメージをより分かり易く簡略に伝え、対する’76年は終わる事の無い人生芝居と締め二人の表現をある意味超える見事な「感想」でまるで別人です
一方クリスは’75年をムソルグスキーの「展覧会の絵」の様だと感受性・表現力増し’76年はマルセル・プルーストの「失われた時を求めて」だと輪舞のように繰り返す人の生きざまあり方…とロベール合格点です。ロベールは二人を褒め遠峰は負けを認め何と雫の勝ち、6‐6同点です!
仄香が現れ「新たな戦い」を見届ける役割を私も託されてると黄金のタストヴァンを出しワトキンスも受け取っており「神の雫」を巡る戦いがたった今始まります!「私設騎士団」だとし、今日の所は帰れとロベール顔色悪く皆去ると雫は屋敷に戻り遠峰がまだ居ます
もう一度お互いの選んだワインを飲み豊多香の真意を白日のもとにさらけ出すと一対一の勝負=豊多香対俺たち「息子」の勝負です
「神の雫」を懸けた新たな戦いの舞台へ…
雫が’75年を飲み遠峰の表現した世界そのもので、次に’76年を飲み遠峰も全く同様のイメージを抱きます。つまり豊多香が’75年と’76年の二本が揃う事を予期しており、’75年に何か意味があると遠峰、雫はトーマス・カーライルの言葉を想起し既に完結した豊多香の人生を意味し「神の雫」が謎です
お互いライバルと認め人生とはワインでありワインこそが人生だ、お互いを豊多香の前に乗り越えると意気込み、仄香とロベールも戻って来ます。後日モノポール~事業部貸し切りで祝杯を挙げ主役は沈んでいます。ここで藤枝からサプライスで秋絵と婚姻届けで二人を結婚の証人とします
夫婦になったお祝いに例の「第十二の使徒」を結婚10周年で飲んでねと秋絵意味深で藤枝もとっておきの一本を出し最高のパートナーと数多くの仲間に囲まれてまっとうする至福の人生=幸福と「ロマネ・コンティ」’85年です。お開きとなり藤枝は秋絵の例の末期癌の事を1週間前に知りました
可能な限り知らないふりをするつもりで、後日雫は吉田を訪ね書斎の豊多香の著書のあとがきから遠峰を想います。セーラは遠峰に「神の雫」を飲んでみたいとし、帰宅後霧生から手紙です。雫は河原毛に退職願を出しますが自分の影響力を分かっていないと休職扱いにして貰います
みやびに旅に出ると告げ、美島の店で乾杯します。雫は遠峰のオフィスにも現れ同様に旅に出ると告げミュジニーを開けロベールは儂の命が続けば良いが…二人の息子にさらなる試練を課そうとは…と「神の雫」と書かれた手紙を開け無数の空き瓶を背に佇む所で神の雫は終わります
まとめ
44巻にも及び長かった「使徒」対決決着をみます。先述した通り「十二使徒」で偶数なので引き分けもあり得た訳で、作者があらかじめ意図していたかは不明ですがここまで人気漫画となり6‐6引き分けで最終巻を迎えるという形には納得もいきます
これはあくまで今作が後述する「神の雫」対決の前哨戦で、特に未熟な雫にとっては成長のきっかけとなり彼は旅立ちを決意します。もうお分かりの方も多いと思われますが、続編のマリアージュ~神の雫最終章(全26巻)へと物語は続いていきます
今作はワインに特化した形となりましたが、続編では食とのマリアージュを主とし、グルメ漫画としてまた違った趣もあり、ワイン愛好家以外にも向けられた作品となっています。ここまで来たら二人の戦いを最後まで見届けて頂きたい…本レビューでも取り上げる予定です
優雅で幻想的な想起が印象的だった神の雫、ワイン初心者から玄人まで唸らす圧巻のワイン漫画となりました!まだ終わらないこの物語のラストを是非楽しんで頂きたいです
終わりに
如何だったでしょうか?偉大な父=豊多香の遺言として「十二使徒」対決を繰り広げた二人の壮大で幻想的なワインの世界、正に沼で特に富裕層には嗜みとして愛好家も多いと思われます。そんな玄人からワイン初心者まで巻き込んだ抜群の物語性と筆致は流石でした
また二人に会いたくなりますね!続編に期待しつつ、一先ずここまでお付き合い頂き有難うございました
コメント