前回のあらすじ
米示達に酷いじゃないかと言われる前田ですが、あんまりヒロトを舐めるなと苦言を呈します。前田はヒロトは決してギブアップしないとヒロトの事をある程度認めています。改心したヒロトは制服を戻し、三迫の連中に絡まれますが、前田共々相手し袋にしてしまいます…
不屈の男・ジャッカル三谷
進路指導で前田は敢えて厳しいボクシングの道に進むと断言します。ボクシングで食べていけるのはほんの一握りなのに、その僅かな可能性に賭けています。仲間達の進路を確認しながら、コンビニに寄ると要領の悪いおじさん店員と出くわします
その日ボクシングの試合を観に行く前田達、そこにはなんと先程の37歳バイト男・ジャッカル三谷が出場しています!前田は7年前にもジャッカルの試合を観ており、その不屈の闘志がとても印象に残っていました
登り竜の相手に対し、防戦一方のジャッカルでしたが、前田の一言で渾身のパンチを放ち、なんとKO勝ちしてしまいます!前田はボクシングって生き方だよなと感心します
小兵二はアメリカ留学を夢見ますが、軍団を世襲制にしてはどうかと提案し皆呆れます。小兵二に気がある茜は小兵二の気を引こうと募金を頑張り、千秋に対抗して制服も真似します。小兵二は総帥の座を茜に譲り、アメリカに行く話は無くなったと言います。千秋に真意を確かめた茜は密かにほくそ笑みます
卒業後に沼田や竹原にお礼参りをしようと企む大橋達でしたが、前田はくだらないと取り合いません。タバコが沼田にバレますが、何と竹原が庇い、更に殴らせてやると言って来るのです。大橋達は思いっきり竹原を殴り、前田は竹原の手紙を見つけます
竹原は一切手を出さず、逆に傷の事を沼田に問われ、殴り返しクビになってしまいます。新幹線に乗る竹原の元に事情を知った前田が現れ、脳溢血の父へと高い栄養剤を買って来ます。母からの手紙には竹原へ激励の言葉があり、生徒に慕われる先生になれという言葉に感化されていたのです。前田は礼を言い、竹原を送り出します
中島の弟?!
ヤリマンのナミエは男をとっかえひっかえです。ひなのはまだウブなので、ホテルもキスも未経験でたじろぎます。ひなの目当てで追試の日にヒロトが委員会を居残っていると聞き、確かめようとすると、海老原が現れ、よりによってナミエからプレゼントされたバンダナをしています
案の定ヒロトはひなのを待っており、一緒に勉強しながら、ひなのは涙し、ヒロトとキスをしようとしますが、ギリギリで思い直し、海老原はそんな奴じゃないと言い教室を出ます。ナミエは海老原と付き合っている気でいましたが、海老原にその気はなく、ひなのはにやけます
稲川という冴えない男が惨めな思いをしながら学園生活を送っています。見かねた前田が稲川を救いますが、稲川は中島そっくりで、兄弟かと問われますが、違うと言い張ります。しかし別の場面で稲川は中島を「淳一兄ちゃん…」と言うのです
稲川は前田達の集合写真に一緒に映っているように捏造し、虐めていた連中に仕返しとばかりに今までやられていたことをやり返します。千秋のスカートをめくらさせ、前田に殴られ、事の詳細を説明すると、中島が「淳二!」と現れ(それで稲川と呼ばれていたのです…)、兄弟は仲直りします
赤城、たこ焼きでアメリカ進出!?
島袋は就職活動に精を出しますが、全く上手く行きません。逆に赤城はたこ焼き屋がアメリカ進出のビッグチャンスを得、前田達に大盤振る舞いしますが、誤って包丁で手を切ってしまいます
赤城不在の中例のアメリカ話を持ってきた男が現れてしまい、邪険に扱った前田達にキレ、この話はなかったことにしてくれと言われてしまいます。島袋は非礼を詫び、せめてたこ焼きを食べてから判断して欲しいと赤城の代わりにたこ焼きを作り、上出来だと言われます
赤城はここで気を効かせ、リース代が残っていて大変だから島袋に屋台の後を継げと言って来ます。島袋は渋々(実は嬉しそうに)屋台を引き継ぎます
体育の授業では女子が見学になり、俄然張り切る小兵二、しかしお目当ての千秋は寝違えた前田の介抱をしています。小兵二は前田を引きずり出すために、デッドボールを連発し、怒った前田がバッターに向かいますが、小兵二はトルネード投法で野茂フォークを操り、前田は空振りします
追い込まれた前田は、何とバントで対応し、小兵二が処理しますが、一塁に投げる球までフォークになり、走塁が逸れ、前田は出塁出来ます
勝嗣はいよいよ念願の童貞喪失のチャンスを得ます!禁煙1か月という約束で和美をホテルに連れ込みますが、匂いでバレ、トイレに流したタバコを見た和美は嘘を付く人はもっと嫌いと言います
後日勝嗣は弁明しますが、口の軽い勝嗣に対し、和美は不信感を覚えます。そのことを仲間に愚痴っていると、大橋がソープに連れて行ってやると言うので、何と勝嗣は行くと答えます
電車での帰り道に話を聞いていた和美が3人に詰め寄りますが、石鹸の匂いをさせた2人に対し、勝嗣はタバコ臭く、純潔を通し、和美じゃないとダメなんだ、愛していると話し、和美が勝嗣に抱き着いたところでこの巻は終わります
まとめ
ボクシングで食べていくというのは非常に大変です。チャンピオンになるまでは非常に貧しい生活をしながら練習に明け暮れなければならないのです。前田はそれが分かった上で、厳しい道を進もうとしています。成吉への対抗意識もあったことでしょう
7年前に既に三十路だったジャッカル三谷の試合が強烈に印象に残っていた前田は、まだ一線で踏ん張っている彼の姿を見て、興奮し、応援・激励し、なんとジャッカルは勝ってしまいます!前田が言うように、ボクシングとは男の生き様なのです
小兵二軍団の行く末、改心した竹原へのお礼参り、ひなのとヒロトの恋の行方等今回も師玉のショートストーリーが満載です。ろくでなしBLUESは各キャラが立っているので、どのキャラ中心の話にしても面白く話が転がっていくのが楽しいですね!
赤城のたこ焼きでアメリカ進出の件では、責任を感じた島袋の漢気と、就職活動が上手く行かない島袋に華を持たせた赤城との男の友情が垣間見えます。不良達はヤンチャを散々してきて、就職先に四苦八苦する訳ですが、決してヤンチャしたことも無駄ではなく、今後の人生の糧となっていくことでしょう
和美に純潔を通した勝嗣の漢気、今度こそは上手くチャンスを逃さないで貰いたいものですね(笑)次巻もコミックスで是非!!
おまけ
巻末にはWKA世界ムエタイ・スーパーフェザー級チャンピオンの前田憲作氏の寄稿文が載っています。実写映画版ろくでなしBLUESで同姓の前田役を好演した前田氏の熱い文面が載っていますので、是非ご覧下さい
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