前回までのあらすじ
新井が戻って来た事で確実にNICUは変わりました。刺激を受けた下屋が、私も産科に戻るべき頃かと思案します…
胆嚢結石
インスタグラムが流行っており、心身が不安定な妊婦も楽しみとして活用されていると話題になります。谷岡の妻はインスタにハマっており、最早生きがいとなっています。そんな中、妻は就寝中に苦しみ、ペルソナ医を受診、サクラは胆嚢結石と診断します
谷岡の妻はそんな事より携帯がないとインスタが上げられない!と騒ぎます。胆嚢に石が3つ程あるようで、その原因について説明を受けます。谷岡の妻はインスタ友達と入院中も盛り上がり、一旦退院しますが、1か月後16週で再発、手術(腹腔鏡のためお腹は切らない)をする事になります
手術は無事成功、再度退院し、マタニティアートを夫と楽しんでいると、陣痛が来て、無事出産、インスタは過去最大のいいね!が付き喜びます
救命の未来
下屋はすっかり救命医として板に付いて来ています。バイク事故にも機転を利かせ対応し、加瀬はそろそろ下屋を産科に戻しても…と話しますが、部長は手放したくないようです。倉崎母娘が溶連菌の疑いがあり休む事になり、加瀬は研修医時代に当たったケース、劇症型A群溶血性レンサ球菌感染(人食いバクテリア)について話します
患者はみるみる様態が悪化し、救命に運ばれ3時間で亡くなってしまったのです!死後劇症~だった事が分かりました。非常に稀な症例ではありますが、見分けが付きにくく、やっかいな病原です
白川は新生児科に戻ると息巻き、下屋も自身の今後について考えます。夜勤は倉崎が休みで、サクラとゴローが緊急帝王切開中で人手が足りない中、小松は下屋にヘルプを頼みます。長倉は高熱を出しており、原因を探っているうちに早剥となり、下屋は加瀬に前立ちを依頼します
下屋は劇症型の溶連菌による敗血症ショックからの早剥だと診断します。無事出産しますが、出血が止まらず、下屋は子宮を取る決断をします。下屋の迅速な対応もあり、何とか母子共に無事で、夫に状況を説明、非常に稀な症状とはいえ、妊娠期ともなると母体致死率は60~70%という難局でしたが無事乗り切ったのです
救急の部長は今回の救命医の産科助っ人の件に苦言を呈しますが、加瀬はヤキモチを焼いたのだと冷静です。長倉がICUから出られ、加瀬はサクラに下屋の成長ぶりを褒めます。下屋は小松を飲みに誘いますが、逆にジョージも一緒にベイビーのライブに招待されます
ここで以前救命に行く決意もした下屋は、今回も産科に戻る決意をし、念願の楽屋でベイビーにその事を告げます。下屋は部長に産科に戻りたい旨を話していると急患が来て、脳出血が見られ、下屋は家族に手術が出来ず、意識が戻る事はないと告げざるを得ませんでした
更に未受診の妊婦が運ばれて来て、心拡大に肺水腫で、循環器科は心不全だと診断しますが、心停止し、下屋は周産期心筋症(2万分の1の確率)だと言います。死戦期帝王切開となり、無事出産、必死の蘇生術が功を奏し、妊婦は命を取り留めます
部長は下屋の頑張りを認め、胸を張って産科に戻りなさいと話します。産科のスタッフ全員が下屋を暖かく迎え入れたところでこの巻は終わります
まとめ
賛否両論あるとは思いますが、特に専業主婦の間ではインスタを生きがいとしている人が数多くいる事でしょう。どうしても家庭内で完結してしまう生活の中、ネットで繋がる輪というものは無限大で、自分の事を知って欲しいという承認欲求も満たされ、虜になってしまうのです
度が過ぎると色々問題も出て来ますが、炎上や特定等に気を付けていけば、生きがいとして楽しむ事も十分に出来るでしょう。自身の生きた証として、記録が残るSNSは今や無くてはならないものになりつつあるのです
救命で壮絶な毎日を経験した下屋は大きく成長し、自身の目標であった救命も出来る産科医として戻って来る事が出来ます。人間は苦境に見舞われると、その事から逃げ出すか、乗り越えるために努力するかに分かれますが、下屋は逃げずに努力を重ね、却って強みを身に着け大きく成長します
誰でも辛い事からは逃げたくなりますし、思い出したくありません。しかし下屋は患者の死をきっかけに自分の弱点を分析し、敢えて茨の道を進み、自身の視野を広げて大きくなります。産科スタッフからも暖かく迎えられ、皆下屋が戻って来た事を喜ぶシーンは感動を呼びました
なかなか下屋のように乗り越えられるものではありませんが、その姿勢が読者に勇気を与えてくれたのは確かです。次巻最終巻です!32巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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