ためになる!「コウノドリ」30巻の産科医療現場の光と影~新しいNICU<後編>…新井の復帰がもたらす相乗効果とは!?祖父母・きょうだい面会から広がるペルソナ医の変化~

前回までのあらすじ

新井は再度今橋に会い、NICUを出た後の生活も踏まえた本人・家族へのケアが必要な事に同意し、もう一度ペルソナ医のNICUに戻らせて欲しいと話します…

新しいNICU<後編>①

新井はついにペルソナ医のNICUに戻って来ます!様々な意見がある中、今橋は外の世界を見て来た新井がNICUに良い風を運んでくれるのでは?と期待しています。相変わらず他者に厳しい工藤新井西島にカンガルーケアをさせている事に怒ります

今橋新井の対応を褒めつつ、工藤の心配する気持ちも察して欲しいと言います。本田の赤ちゃんは先天性横隔膜ヘルニアと診断されます。28週という事もあり、今後の成長次第ではありますが、重い障害が残る可能性もあるのです

その後38週になりますが肺の成長は進まず、出産後迅速な処置をする事を確認し、帝王切開となります。先天性横隔膜ヘルニアの手術の場合、蘇生のために大がかりな医療機器が必要です。産科と新生児科との連携プレイで乗り切ります。時間もない中赤ちゃんを母親に合わせた事で工藤新井は揉めますが、正解等ないという結論が出ます

予後も不安定な状態が続き、両親も不安がります。今橋新井から祖父母・きょうだい面会を出来るようにしたいと提案されます。更に手術し、赤ちゃんの今後や例の面会の件でことごとく新井工藤は意見が対立します

新しいNICU<後編>②

今橋院長に例の面会について相談しますが、こちらにメリットがないと相手にされません。サクラは当然リスクも増え、対応も大変な事は承知の上で、その面会に意義はあると言います。工藤は過去自分のケースで今橋が例の面談について上司に掛け合っていた事を思い出します

渋っていた院長でしたが、サクラの巧みな話術もあり、(金儲けの意味でも)例の面談を前向きに考えると心変わりします。新井は面会によってNICUのスタッフの意識を変えられると言い、リスクが高い中、本田メイのオムツ交換をさせます。少しずつ状況が良くなっていき、更に祖父母・きょうだい面会もスタートします

今橋は長年の念願が叶い、確かにリスクもありますが、得られるものも大きいと胸を張ります。メイは一時抜管出来ますが、予後が悪く再挿管となってしまいます。母親がメイに付きっ切りということもあり、兄のマーくんは赤ちゃん返りをし母に甘えて来ます

結局メイの状態を見て、工藤は気管切開をする事を勧めますが、様々な不安から両親は慎重になり、工藤は心無い言葉を投げかけられ戸惑います。両親は安易に気管切開し、在宅暮らしになるという選択は出来ず、妻のアヤカの気持ち次第だと夫は言います

アヤカは気管切開をすると決意し、在宅になるという事は、家族にもカニューレの挿入の仕方を学ぶ必要が出て来ます。工藤は自身の過去を語り、NICUを退院することはゴールではなく家族のスタートなのだと説きます。本田家の意識も少しずつ変わって来ます

新しいNICU<後編>③

メイの将来について不安を感じる両親に、工藤は特別支援学校や医療ケアの出来る家族と一緒に通常の小学校に通う選択肢があると言います。そこで今橋が同じような境遇の看護師・内海を紹介し、彼女の子供が気管切開をしているものの小学5年生で通常の小学校に通えている事(専任の看護師が在中)を伝えます

結局メイの気管切開は行われ、家族でカニューレ交換をマスターして備える事になります。新井は家庭をNICUのようにするのではなく、メイは新しい家族として迎えて欲しいと言います。あまり深刻にならず、各々の生活も大切にした上で、メイの成長を見守っていこうと話します

向井の手配で在宅への移行も進み、マーくんのスイミングを継続出来ないかと工藤は持ち掛けます。白川新井がペルソナ医のNICUに戻っている事を知り、焦り、自身も大きくなって戻って来ると話し、今橋はNICUの未来は明るいと感じます

新井が戻って来た事で確実にNICUは変わりました。刺激を受けた下屋が、私も産科に戻るべき頃かと思案したところでこの巻は終わります

まとめ

外の世界を見て来た新井がNICUに戻って来た事で、確実に意識が変わりました。職場では原動力となる人物の働きかけで劇的に改善・改悪されるケースが多々ありますが、新井の復帰は間違いなくNICUを良い方向へ動かします

一度バーンアウトしてしまった新井ですが、視野を広げ、一回りも二回りも大きな医師に成長し、周りにどんどん良い影響を与えていきます。あの工藤ですら心動かされるのです!

最後には救急に行っていた下屋まで産科に戻ろうかと影響を受けます…良い連鎖が広がった今回の新井の復帰、一番喜んでいるのは上司の今橋なのかもしれません

このように、様々な妊娠・出産のケースを紹介するだけでなく、医療現場で働く人の目線からの気づきも示唆してくれるコウノドリは、本当にためになる・勉強になる漫画と言えるでしょう

まだまだ続くコウノドリ、31巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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