「バガボンド」19巻の数々の激戦と成長譚~落人狩りに執念を燃やす百姓の恐怖!臆病さを身に着けた小次郎、貞伊たちと対峙し…~

前回までのあらすじ

利宗市三巨雲といった落人達が残党狩りから如何にして生き延びるか思案しています…

命をとることを目的に向かってくる百姓の恐怖

今度は落人狩り…権之助小次郎を窮地に仕向け続ける一刀斎の無常を嘆きます。助けに行こうとしますが、足手まといになるだけです。命をとることを目的に向かってくるもの達、生き抜いてみよと一刀斎は言います。一刀斎の傍にいたため、何とか一夜を明かした権之助は涙します。小次郎は初めて出来た友達だと…

小次郎は竹やりで突かれながら、瞬時の判断で百姓を殺していきます。小次郎は極限状況で闘って来たため、疲労のピーク、眠気で立ちながら寝てしまいます。しかし、いざ殺そうとすると反応し倒してしまうのです!更に人が集まってきます

足を怪我した新二郎を斬れと貞伊に言われ、意地でも連れていくとおぶってしまう巨雲がいます。すると、巨雲達は武士の一団と出くわします。殿の待つ大阪まで帰るため、貞伊の言葉巧みな誘導から戦闘が始まります。手練れの揃った巨雲達は強く、一蹴してしまいます。水や食料をぶんどり、英気を養います

夜語らっている巨雲達、すると、いつの間にか敵に囲まれています!利宗がやられてしまいます。新二郎は仲間のことを考えます。こういう困難な状況をいつも打破してきた巨雲父から受け継いだ武の血を頼もしく感じる弟の市三脇差で仕留める堅実かつ合理的な右源の剣に憧れる新二郎は、武士が百姓の剣に憧れてどうすると自分に呆れます。巨雲の剣は魔剣、右源の剣は理の剣と…

すると新二郎は気づかれ、竹やりの餌食になりかけます。すんでのところで利源が助けますが、逆に利源は討たれてしまいます

何とか闘いは終わりましたが、払った代償も大きかった…生き残った新二郎は自責の念に囚われます。百姓の身なりに変え、そこから歩くこと一昼夜、頂きに小次郎が現れます

全てを引き受けた貞伊と臆病さを身に着けた小次郎

荒れた民家を発見した一刀斎権之助一刀斎死の際までもう何度か行ったであろう小次郎が、臆病さを身に着けただろうと言います

小次郎は吐きながら「ギアイ…(自斎)」と呟きます。貞伊小次郎と話していくと言い、巨雲達を先に進めさせます。貞伊は鎖の繋がれた武器(万力鎖)で小次郎の攻撃を受け切ります

昨晩一同は話し合い、一人しか生き残れない場合、市三を生き残すと決めます。4人の命が危機にさらされたら貞伊は自分が引き受け3人を先に行かせると話していました。巨雲小次郎の佇まいを思い出し、道を戻ります

貞伊小次郎の剣を絡めとり、分銅で攻撃を加えます。刀を奪い取り、完全に貞伊優勢です。しかし小次郎は物陰に隠れて何かしています。小次郎は左腕を着物でぐるぐる巻きにして、刀を奪い返すつもりです

貞伊小次郎と刀の一体感・美しさに嫉妬を感じたと言います。言葉を持たぬ小次郎に気づき、何か幻術でも使うのかねと問う貞伊海と長剣と幼き小次郎を見て、其処元はすべての刀に愛される男だと述懐します

貞伊の鋭い剣先がいよいよ小次郎を捕らえ、上方に振り上げた剣の先に、小次郎の袖から隠し持っていた短剣が出てきて、貞伊が胸を突かれるところを巨雲が見たところでこの巻は終わります

まとめ

一刀斎わざと小次郎を極限状況に陥りさせ、小次郎に欠けていた臆病さを身に着けさせるつもりのようです。確かに言葉の通じない者なので、こうやって自身の身体に覚えさせるのが早い訳ですが、弟弟子に仕向ける行為としては愚劣ですね。最早並びいる者のいない極地にいる一刀斎には、自身の身を脅かす存在を意図的に作っているようにしか思えません

小次郎はそんな極限状態でも何とか対応し、落人狩りを潜り抜けていきます。最早その凄まじい生存本能だけで動いているとしか言いようのない異様さ、決して関わりたくはないですね

小集団として理想的な貞伊達の統率の取れた連携も、ついに利宗右源が討たれ、4人になってしまいます。特に足を怪我している新二郎は自分のせいで右源が討たれたと自責の念に駆られます。当事者だったらと思うといたたまれません。巨雲は頑なに新二郎を連れて帰ろうとします。一同の絆の強さが思い知らされます

貞伊小次郎に惹かれるものを感じ、立ち会わなければ良かったものの、勝負を挑んでしまいます。それ程小次郎からは剣を持つ者として闘わざるにはいられない何かがあるのでしょう。小次郎は剣を奪われてしまいますが、一計を案じ、一瞬の隙に乗じて貞伊の胸を短剣で突きます!このような意図があったとは、驚きですね。戻って来てしまった巨雲は何を思うでしょう…連戦は必死ですね!続巻も読みましょう!!

おまけ

バガボンドには原画集が2点あります。今回紹介するのはWATER。カラー原画集ということで、カラフルで美麗な表紙絵含む一枚絵が多数収録されています。ファン必見の一品です。

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