「バガボンド」22巻の数々の激戦と成長譚~清十郎の死の衝撃…混乱する伝七郎…身代わりは小次郎?絶体絶命の又八の前に、本物の佐々木小次郎が…!~

前回までのあらすじ

武蔵は涎にも気づかぬ程意識は体の隅々へ、清十郎の一の太刀に後の先を合わせるためだけの体と化します。清十郎を斬り、吉岡一門との長い戦いが始まります…

清十郎の死という衝撃

清十郎の回想が入ります。20年ほど前、蓮台寺野ー罪人と真剣勝負をした場所、吉岡の次期当主として生まれた身、背負ったものの重さ…清十郎蓮台寺野で散ります

武蔵は咄嗟の出来事で刀ごと振り投げてしまった感覚に陥りますが、刀は握ったままで、清十郎を両断してしまいます

伝七郎は兄を待ち、夜を明かしますが、余一の伝える事実が辛すぎます…清十郎の死体を見て、皆驚愕と落胆をします。武蔵からの置手紙の通り蓮台寺野に行ってみると清十郎の無残な死体がありました。世間体等考えて、清十郎は病死ということにされました。伝七郎は稽古をしながら、過去兄から教えて貰ったことを思い出し、涙します

武蔵は刀傷を癒していると、光悦に出逢います。彼の家で療養することになります。光悦は牢人者を養う癖があるようです。武蔵は紙に水で絵を描きます。清十郎を倒して、もっと嬉しいと思っていたんだけどなと述懐します

京の町は武蔵の噂で持ち切りになります。噂が噂を呼び、輩が武蔵を倒すと息巻いています。吉岡十剣御池は素牢人を斬って捨て、この噂話の広がりを危惧します

光悦は刀研ぎ師で、徳川家康から依頼がある程の腕前、しかし自身は引退したいようです。するとから清十郎の死を聞かされます。素牢人は宮本武蔵だったのかと悟ります。当の本人は眠りっぱなしで静かなもの、追手が来ても知らぬふりをしようと言います

光悦の母が筆談をしています。なんと相手は小次郎なのです!

錯乱した祇園藤次の最後

伝七郎は稽古に身が入りません。何度も倒される伝七郎、最早心のうちは混乱の極み、家に帰っての股の下に顔を埋め震えています。植田達は幹部会を開き、今後の身の振り方を思案しています。植田清十郎の刀傷を見て、今までも伝七郎を陰で守っていたのではないかと涙します

又八おつう城太郎武蔵の噂を聞きつけ、それぞれの反応を示しています

光悦と対峙する武蔵、出逢った時のことを光悦は述懐します。一仕事終えたかのように刀傷を癒していた武蔵、腰の刀だけ妖気を放っていたと…武蔵の刀を見物し、本阿弥光悦は家業が刀の研ぎと話します。光悦武蔵が戦っているところを見てみたいと言います

武蔵伝七郎との戦いの場所となる蓮華王院を見てくることにします。噂を聞きつけ武蔵に因縁を付けようとする素牢人達でが、武蔵の圧倒的な殺気に怖気付いて何も出来ません

食事をしている又八は、小次郎が耳が聴こえないという話を聞きます。町中で伝七郎武蔵がばったり出くわします。植田は斬りかかろうとして、伝七郎に止められます。兄はどうだった?と聞く伝七郎に、「おめーより格段に強え」と答える武蔵、そこに祇園藤次が現れます

錯乱して斬りかかる藤次武蔵は間合いの掴めない片目だと伝七郎に悟られたくなく、足元に目印をして、藤次の首を一刀してしまいます!藤次は混乱したまま、息絶えます。藤次の死体を持ち帰った吉岡では、藤次の変わり果てた姿・そしてその剣を懐かしみ、痛み入ります

本物の小次郎、現る!

植田伝七郎を勝負させず、身代わりに小次郎を立てる案を思いつきます。小次郎は女とすれ違い、惚れさせてしまい、女を連れていきます。植田小次郎を客人として迎え入れようとします。御池武蔵光悦の家に滞在していることを知り、寝首を掻くのは難しいと悟ります

光悦吉岡との争いがこじれてきていないかと言われますが、武蔵はあくまで3日後の伝七郎戦で最後と冷静です。小次郎は先程の女を連れ込み、光悦の母に怒られています

又八は酒屋で酔い、自分が佐々木小次郎だと息巻いていると、御池に見つかります。人相書きの本位田又八だと悟られ、絶体絶命の又八、すると、女を連れた小次郎が通りかかります。童顔で巨躯、垂らした総髪、耳が聴こえない…小次郎の特徴にぴったり一致しています!又八が本物?と思ったところでこの巻は終わります

まとめ

奔放に生きていたようで、吉岡の当主としての重圧や責任感を背負ってきた清十郎、陰で伝七郎を救ってきたのかもしれないと植田は涙します。混乱の極みにある伝七郎の勝利は絶望的な中、植田は代案として小次郎を身代わりに立てることを思いつきます

京中が武蔵の噂で持ち切りの中、当の本人はのんびりしています。清十郎を斬った喜びを今一つ感じられないまま、淡々と時を過ごします。錯乱した祇園藤次すら負傷した体のまま一刀してしまうくらいです、最早武蔵の実力は抜きんでてしまっています

又八小次郎の名を騙り、御池に見つかり、絶対絶命の中、ふらりと小次郎が現れます。この運命のいたずらのような出逢いが、又八吉岡小次郎にどんな未来をもたらすのでしょうか??刻々と決戦の日が迫る中、吉岡がどう対応していくのか、興味深いですね!次巻も読みましょう!!

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