「バガボンド」23巻の数々の激戦と成長譚~又八一世一代の大博打!植田の小次郎代役案に一本気な伝七郎が出した答えは…!?~

前回までのあらすじ

人相書きの本位田又八だと悟られ、絶体絶命の又八、すると、女を連れた小次郎が通りかかります。童顔で巨躯、垂らした総髪、耳が聴こえない…小次郎の特徴にぴったり一致しています!

必死の又八の説得に応じる小次郎!?

又八は以前侍(草薙天鬼)から「頼む」と言われていたのは、小次郎に印可目録を渡して欲しいということだったのだと悟ります。御池は強さを感じたいとついに剣を抜いてしまいます。強さを知りたいという欲に呑まれ、斬りかかってしまいます

代役を立てられていると知った伝七郎は激怒します。伝七郎は物凄い熱が出ており、屋敷に戻ります。床に伏し、植田を殴ってしまったことを謝る伝七郎、妻のおみつ伝七郎がここしばらく寝れていないことを植田に密かに話します。植田おみつを安心させるように代の話をします

小次郎御池の上段からの振りに出籠手のような形で合わせ、腹を斜めに割いてしまったようです。吉岡の連中はなんとか客人として迎えようと思案しますが、小次郎は耳が聴こえないため、交渉になりません。怒り狂い、小次郎に斬りかかりますが、また一人斬られてしまいます

最後の一人となった吉岡衆、このままでは…というところで、又八が飛び出します!又八は身振りも含めて必死に命乞いをします。すると小次郎は剣を納めます。結果的に小次郎又八の言うことを聞く形となりことは収まり、又八は大胆にも吉岡道場小次郎と共に乗り込むのです!!

又八一世一代の大博打!

吉岡道場御池斎藤を斬った二人と言われ、怯むかに見えた又八ですが、小次郎は耳が聴こえないので又八を通して話をするようにと強気です。小次郎は道場の様子から、鐘巻道場のことを思い出します。人相書きの本位田又八だとバレ、首を絞められる又八ですが、植田小次郎を客人として迎え、剣技をご教授頂きたいと話をつけてくれと言うのです!

納得のいかない一人が小次郎に斬りかかりますが、小次郎は避け、木剣で一刀にしてしまいます。植田は土下座して非礼を詫び、又八は態度が大きくなります。佐々木光次郎と名のる又八に、今目の前で小次郎に話ができるところを見せてくれんか?と言われ、又八は困惑しつつ承知します

心に語り掛けるという又八、しかしそんな能力はありません。又八は指で狐を作り、頷かせようとします。小次郎に手を払われ、又八吉岡は嫌いだ、絶対に断ると言っていると嘘を付きます。すると小次郎は刀を取り、植田に差し出します。植田がこの中で最強と見て取ったのです!

植田は「あと2日、全てが終われば応じよう、それまではご勘弁を」と刀を受け取りません。小次郎は荒れますが、又八は言葉巧みにもてなして貰えるなら機嫌も良くなると言い、吉岡のもてなしを受けます。小次郎は酒に強く、又八は上機嫌です

植田小次郎を身代わりに立て、全てが終わったら二人を好きにして構わん、それまでは我慢しろと十剣に話します。最早十剣ではないのです…

刀に魅せられたものの止められない連鎖

小次郎又八は豪勢な料理と酒の接待を受けています。行儀の悪い小次郎はげっぷをしたり屁をこいたりやりたい放題です(笑)厠へ行った小次郎又八は一人約束の印可目録を渡すべきかで悩みます。結局又八小次郎に印可目録は渡しませんでした

又八が厠に行くと、吉岡衆から代役の話を聞き、驚愕します!武蔵小次郎とは!両者を知る又八にとっては途方もない話です

武蔵光悦の刀研ぎを見せて貰っています。武蔵の刀を研ぎながら、だいぶくたびれていると光悦は言います。刀を振り回す武芸者も、その刀を研ぐ者も、世には迷惑な存在だろうと感じながら、止められない連鎖徳川家からの依頼を断った件を話すと、光悦は刀に囲まれていたからこそ刀が見えなくなったのか、研いでも研いでも満足出来なくなったと言います

刀を究極に美しくあらしめるためには、刀ではあってならないような気がしたと言う話に、武蔵石舟斎の「天下無双など、ただの言葉だ」という言葉を思い出します。剣を振りたくなったという武蔵に刀を貸す光悦、一線を退いたあと刀を研いだのはこれで二人目(もう一人は恐らく小次郎)と言います

伝七郎と植田の反目…植田は破門!

本阿弥邸で積もった雪で雪だるまを作る武蔵素浪人に今京中が注目する決闘に挑む男に見えんと言われ、武蔵は気を入れたら戦う前に疲れちまうとのんびりしています

植田の意図を知った又八は、小次郎を連れて逃げ出そうとします。しかし小次郎は既に屋敷にはいなく、光悦の母の食事を食べに行くのです

熱の下がった伝七郎は、代役の件を話す植田を一喝します。植田先代拳法先生は似ている似ていると言ったのは清十郎ではなく、伝七郎の方だったと言います。だから当主に選ばなかったのだと…。植田は愚直は美徳ではないと言い切ります

伝七郎は4年前小次郎と立ち会った闘いで手に入れた勇気・覚悟・非常を手放して、二度と取り戻せない気がすると言います。兄を斬った男を自分が斬らずして誰が斬ると凄む伝七郎に、植田拳法先生が遺した「10度闘って10度勝てる相手としか闘わぬこと」という掟を清十郎は守れなかったと言います

どうしても譲らない植田に、伝七郎植田を破門すると言います。当主の決定だと…

小次郎武蔵の作った雪だるまに顔を作っているところでこの巻は終わります

まとめ

言葉の通じない小次郎を如何に説得するか…吉岡衆が苦心し、諦めかけたところで、又八の必死の訴えが小次郎の心に届いたのか、言うことを聞くようになります。ここで又八は一世一代の大博打に打って出ます!よりによって吉岡道場に二人で乗り込むとは、大胆としか言いようがありません

植田の意図が分かっていない又八は出世の糸を掴むチャンスと粋がり、結果上手くことが運んだかに見えましたが、植田の掌で転がされていたのです!そのことに気づき逃げようとしますが、気まぐれの小次郎は既に屋敷にはなく、この後又八はどうなってしまうのでしょうか?

武蔵光悦と刀について語り合います。斬る側、研ぐ側として一流同士の会話は、行き着く先には刀そのものの存在意義を問う、ただの言葉だという結論が待っています。それでも人は刀に魅せられるという悲しい輪廻のようなものなのでしょうか?

伝七郎植田の代役案に納得がいかず、なんとついに植田を破門としてしまいます!一本気な伝七郎のことですから、代役案など受け入れられる訳がありません。小次郎も去った今、武蔵との決闘は、どのような運びとなるのでしょうか?

疑問系ばかりになってしまいましたが、答え合わせは続巻で是非!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました