「バガボンド」26巻の数々の激戦と成長譚~一条寺の下がり松での一人対70余人の激闘!川の流れのように斬り進む武蔵~

前回までのあらすじ

またお互い流浪の旅へ…と沢庵に別れを告げ、武蔵は山越えをしようとしますが、思い直した武蔵は「70人だぞ、行くのか?馬鹿か?」と言いながら道を戻ります…

1人対70人の闘い

武蔵は元来た道を引き返してきます。一条寺の下がり松には既に吉岡衆が集まってきています。今福寺に逗留していたことを知っている吉岡衆は武蔵の来る道がここしかないと知っています。余一堀川は今の吉岡の魂は植田だと断言します

約束の時間まであと半刻という時、武蔵が現れます。武蔵は最後に闘うことになるはずの植田を先に狙います。次々と吉岡衆を倒し、植田の右顔を耳ごと削ぎ落としてしまいます!

1対1を70回、どこにも心を留めない、誰にも心を留めない、流れのままに…。斬ろうと思えば斬れたはずなのに、清十郎伝七郎もあの時斬らなかった。おかげでその後の濃密な1年があった。この一年は吉岡に与えられたようなもの、吉岡の懐で育てられたようなもの…有難うと述懐しながら、武蔵は斬り進みます

まさかの本丸・山手の植田側から現れた武蔵吉岡衆は慌てます。武蔵は既に何人斬ったか分かりません。先を何も望むな、先にも後にも寄りかからず、今のど真ん中の繰り返し…しかしキリがありません。十剣の一人、堀川も斬られます

川の流れのように切り結んでいく武蔵藤家も短刀を投げられ首に刺さり絶命します。余一蔵人植田を守るよう言うと、余一塾7名で一斉にグチャグチャにしようとします。あくまで武蔵が疲れ果ててから臨むつもりです

激流の中で…

十剣の一人東紅四郎の剣が武蔵の顎を捕らえます!瞬時に相手の首を絞め、自分の顎の無事を確認すると、更に斬り進めます。まさに激流の中にいます。ありとあらゆる手で止まらぬ武蔵は斬り続けます。十蔵は自分が家に帰ったら取っておいた餅を食べようと思っていたと述懐します。数に頼り、慢心があったことを悔い、斬りかかりますが、兄もろとも武蔵の餌食になります

今福寺ではカラスが沢山集まってきます。沢庵は念仏を読んでいます

止まらぬ武蔵ですが、多勢に無勢、背後から迫られ、背中を斬られます!更に斬り進み、右足を斬られますが、こちらも軽傷、武蔵は止まりません。足を掴まれても蹴り倒し、斬っても斬っても次の敵…まるでこれは俺の人生そのもの…胤栄石舟斎が笑います

最早意識は上空から俯瞰して眺めているような心境、この男は一体何を思ってこれほどの死体を次々と生み出しているのだ?と疑問に感じます。肩を斬られ正気に戻る武蔵、まだ2本差で奪った刀で仕留めているのです。余一塾の7人がここで一斉に襲い掛かります。武蔵は飛びつかれ、耳を食いちぎられながら、限界ギリギリの中、斬り続けます。最早壮絶過ぎて読んでいる方も辛くなってきます

蔵人植田を探しています。無数の死体が転がる中、タバコをふかし、「見ろよこのカラス、目ざとく狙ってやがんだ、あいにくまだ死なねえよ」と植田が呟いたところでこの巻は終わります

まとめ

武蔵のことです。不可能なこともやり遂げてしまいそうな気はしますが、流石に今回ばかりは無謀としか言いようがありません。自分が撒いた種とは言え、憎悪を抱かれている上、70余名に襲われるのですから、最早勝ち目などありません。しかし、武蔵はまず本丸の植田のところから攻め、植田を仕留めると、川の流れのように切り結んでいくのです!

文章にするとどうしてもイメージが湧かないかと思いますが、本当に斬り進んでいく様を実際観ているかのように、流れるように武蔵は斬り続けていきます。最早瞬間的にその時その時のベストを選択し、深く考えて囚われないように斬っているようです

その描写は続巻で更に極まりますが、SLAM DUNKの山王戦のセリフなしの圧巻の描写を思い起こさせます。鬼気迫るとは正にこのこと、しかも今回は生死が掛かっているため、緊張感も半端ないです

数を頼りにしていた吉岡衆にも慢心はあったかもしれませんが、武蔵が強すぎるのです!最初に斬られた植田はかろうじてまだ生きていますが、再戦はあるのでしょうか?植田の炎はまだ消えていないようです。壮絶な描写が続きます、続巻も読みましょう!!

おまけ


当時井上雄彦先生を取り上げる雑誌が多く、沢山のムック本が出ています。巻頭特集等組まれ、それだけその動向が注視されていたことが分かります。coyote、SWICH、ぴあ、BRUTUS…錚々たる雑誌に特集が組まれており、貴重なインタビューが多数載っています。ファンの方は必見の価値ありです、探してみて下さい

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