前回までのあらすじ
元々島の住人だったパックなら迷わないと踏んだシールケはパックに道案内をさせます。流石に地元民のパック、見事丘を越えることが出来ます。続いてカボチャ畑が現れます。そこにはカカシ(スケアクロウ)が無数にあり、ガッツ達を襲って来ます…
花吹雪く王に拝謁
白兵戦となり、応戦していると、蔦が足に絡まって来て、パンプキンの怪物も現れます!シールケは地の精霊・ノームの力を用いた魔術が施されていたため、その術式に手を加えて怪物達を潰します。次にウィッカーマンという燃える巨人が現れます
これはモルダという魔女の仕業のようです。ガッツは下から義手の大砲を放ち、倒れたところをドラゴンころしで一刀にしてしまいます!畑には火が燃え広がります
モルダ達と話をしていると、雨が降って来ます。誰かが魔術で雨を降らせたのです。ゲドフリンという大導師が現れ(パックと知り合いのようです)、非礼を詫びます。虫の知らせでガッツ達が訪れることは分かっていたようです
エルフヘルム・魔術師の里へ案内された一同、中には多くの魔術師がおり、各々鍛錬や研究をしています。パックは顔見知りが多く、イタズラをした過去を掘り返されても知らん顔です(笑)ゲドフリンの館に案内されます
そこには3人の大導師と家事手伝いのダナンがいます。ガッツは早く妖精王に会いたいのですが、宥められ、まずは食事を摂ることになります。光の鷹がもたらした大幽界嘯によって天空に枝のように見えるのが世界樹であり、現世と幽界の均衡を保っていた(フローラのいたような)霊樹の森を灰燼と帰し、太古の混沌が戻りつつあると言うのです
ガッツは逆に光の鷹の欲するものとは何なのか問われ、国盗りと答えます。世界に唯一の国を打ち立てんがために世界を変えてしまったグリフィス、ガッツはむしろ高みを目指し何処までも飛び続けるのがグリフィスだと言います
妖精の住まう森でまるで非現実世界のような光景を目の当たりにしながら一同は困惑しますが、ダナンの笛で妖精達は整然と去って行きます。妖精王の住む大樹の中も夢のような空間が広がっています。いよいよ拝謁というところでマニフィコとパックの寸劇を挟みつつ(笑)、なんとダナンが変身し、実は彼女が花吹雪く王だったのです!
夢の回廊
花吹雪く王はマニフィコとパックを国家転覆の共同謀議の罪により一日家付き精のお手伝いの刑に処し(笑)、キャスカの心を取り戻すには夢の回廊を使えば何とかなると言います。ファルネーゼとシールケに協力させて(ガッツはキャスカが強い怯えを感じているため居残り)儀式を執り行います
キャスカの夢の中へ入って本人の心想を探り出すことが先決ということで、儀式場で3人は夢の世界に誘われます。各々が普段見る夢を見ながら、キャスカの表層意識のもっと深くへ潜っていきます
シールケとファルネーゼはキャスカの深層世界、薄闇の荒野に辿り着きます。すると傷だらけの犬が棺を引っ張っており、大きな蝙蝠に襲われています。犬に加勢した二人は蝙蝠を追い払います。犬はガッツなのです!
そして棺を開けると、壊れた人形が入っています。これがキャスカなのです!胸の辺りに小人がおり、これはキャスカの自我の欠片のようです。小人を元の場所に戻し、花吹雪く王の導きに従います
儀式を待つガッツ・セルピコ・ロデリックが夜桜見物しながら、ガッツは自分がこの旅で変わったことと、その礼を告げます。セルピコも自分が変わったことに礼を告げ、キャスカの存在がファルネーゼを強くしている、守るものが在って人は初めて成長するのだと話します
風に逆らって花弁の痕を辿っているシールケ達、篝火を見つけ、そこにはガッツの幻影があります。犬は何か欠片を拾い、棺に入れると、壊れた人形が少し再生します。この荒野に散らばったキャスカの記憶の欠片を拾い集め、この人形を修復させるのです!
また大きな蝙蝠が襲ってきますが、シールケは自分の夢から持ってきた僥倖、ゴーレムで倒してしまいます
更に先を進み、今度は若き頃のガッツと剣を交えている記憶から欠片を拾い、この繰り返しを続けます。数々の戦やグリフィスとの思い出等を経て、今までのキャスカの出来事が走馬灯のように蘇っていきます
壊れた人形も残すところ後僅かで完全修復というところで、どうやら針山に導かれていることに気づきます。キャスカの心をバラバラに砕いた元凶を象徴するもので、最終目的地なのです。キャスカの小人が小声で「あいたいひとがいるの」と囁いています。ファルネーゼがきっと会わせてあげます、あの人の願ったことですからと答えたところでこの巻は終わります
まとめ
ここまで様々な出来事があったベルセルク、蝕を経て、壊れたキャスカの心を取り戻すための旅を続けてきた一同ですが、ついに終着点、エルフヘルムの花吹雪く王の元に辿り着きます。今まで数々の修羅場を潜り抜け、一人ではやっていけないと悟ったガッツが、あのガッツが仲間を増やし、旅を続けていき、人格も穏やかになっていく…何か人生のような壮大な物語です
パックの故郷であるエルフヘルムは、妖精達の楽園のようなところでした。相変わらずお笑い要因のパックとマニフィコの寸劇を挟みつつ(笑)肝心要のキャスカの心を取り戻したい旨を花吹雪く王に伝えます
夢の回廊で壊れたキャスカの人形の欠片を拾い集め、修復していくという作業を繰り返すシールケとファルネーゼ、キャスカの生きて来た道標を振り返るような展開、二人の知らなかったキャスカがそこにはあり、ガッツが大切に想って来たものなのです
儀式の最中男3人で語らっている場面がありますが、セルピコが感じたように、人は何か守るものがあるから強くなれるという話は、まさにどの人にも当てはまる、人生の訓示のようです
ファンタジーの極地のような展開が続きますが、最後の関門で、おそらく蝕と思われる、キャスカの最後のピースを無事取り戻し、昔のキャスカは戻って来るのでしょうか?次巻現状では最終巻です、心してコミックスを読みましょう!!
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