前回までのあらすじ
沢辺は天沼に大言壮語し、フェス出場は慣れ合いの場ではなく勝負の場だと言い、うちのテナーを見れば全部分かると豪語します…
「10代マン」JASS・汚名返上!
沢辺はTAKE TWOに現れ、天沼に「10代マン」と言われたと怒ります。様々な派生が生まれているジャズのどの分野なのか表現出来ないなら、若さだけが取り柄だと思われているのです。沢辺はアクトに勝つと宣言します
いよいよカツシカジャズフェスの日、会場は200人規模とかつて経験をした事のない大きさです。天沼はJASSのリハーサルを聴き、思ったよりまとまっていると評価しますが、あくまでアクトの前座という考えは変わりません。沢辺に代わって大が思いっきりやるからそちらも頑張って下さいと突っ掛けます
120~130人くらい席が埋まっている中、大は初っ端が勝負と曲を入れ替え、完全アウェイの中渾身のソロからスタートし、客を圧倒、ジャストのタイミングでテーマに入り、沢辺のソロも気合が入っています。流石の天沼も沢辺の特に左手の演奏に驚きます
大はここで何と玉田にソロをやらせます!玉田はバスドラから徐々に手数を増やし、この3人の一連のソロで会場は大盛り上がり、流石の天沼も認めざるを得ません。この熱いバトンを受けた天沼は、トリのアクトでの演奏で気張り、いつも以上に盛り上がり、大達もノリノリです
大の失恋
場面替わって、彩花は大から貰ったフルートのレッスンを由井の元で行っています。彩花はフルートを初めた事で大への感情が変わり、大が戻って来ないという事は頑張っている証拠だと感じます。雅之は職場でも相変わらず兄貴肌で通し、後輩の面倒見も良いです
大の父は「あそこ」で連絡も金の無心もない大が、音楽だけで1万円稼げたらまず大したものだと話します。家族3人が揃った宮本家で、大の現状を心配する父でしたが、雅之も彩花も大の事を信じており、彩花は絶対に大丈夫と断言します
ジャズフェス出場後、JASSは更に動員を増やし、80人のハコが埋まる程です。ライブ終演後サインの応対をし、10代でここまでプレイ出来るのは凄いと褒められます。確実に上向き調子のバンドの中、沢辺はライブ中ある事を確信します
別日のライブで終演後サインの応対をしていると、何と例の沢辺の実家の音楽教室に通っていた才能のあるアオイちゃんが現れます!沢辺はアオイちゃんがまだ音楽をやっていてくれて良かったと涙ぐみます
唐突に玉田宅に三輪が現れ、大に東京見物をさせろと引っ張り出します!東京に行ってから全く音沙汰無しだった大、本当に沢山の事があったけど、三輪の事を忘れてはいなかったと漏らします。観覧車に乗り、大に東京案内をさせた三輪は、好きな人が出来たと正直に話します
大はいい人?と聞き、一年も音沙汰がなかったのだから仕方ないと割り切ります。三輪は大が世界一のサックスプレイヤーになるのを疑った事は一度もないと言い、二人は別れます
沢辺、一足先にSo-Blueの舞台へ!
ライブ後、大の音の変化を敏感に感じ取った2人は、大に三輪との件を聞きだします。大は正直にフラれたと話し、音に表れないように気を付けたがやはり分かってしまったかと言い、吹っ切れて、次の目標をSo-Blueの舞台に立つ事と掲げます
平は高値のチケット代の分ハズレもなく、期待を裏切らないSo-Blueの演者達を思いながら、その舞台に立つチャンスがプレイヤーにどれだけあるかと感じます。すると来日予定のプレイヤーから急遽代打でピアニストを探して欲しいと言われ、迷った末平は何と沢辺に白羽の矢を立てます!
時間を貰った沢辺は律儀に大と玉田の元を訪れ、抜け駆けの件を謝りますが、大は早速そのライブのチケットを取り、玉田も祝います。沢辺は夜通し練習し、ついに憧れのSo-Blueにリハーサルに行きます。フレッドは沢辺のプレイを気に入り、代役は彼で良いと話します
沢辺は平に先日の件を詫び、もし代役の自分の演奏が良かったら、JASSとしてこのステージに立てる可能性を摘まないで欲しいと懇願します。いよいよ本番の日、大も玉田も客として出向き、沢辺が震える手を掴み「行くぞ」と決心したところでこの巻は終わります
まとめ
今巻では大の失恋と、沢辺の念願・So-Blueの舞台に立つ夢が叶うという二つのトピックスが含まれます
大はその真っ直ぐさで突き進んで来た訳ですが、不器用なりに三輪の事を忘れていた訳ではなかったのです。唐突に尋ねて来た三輪に驚きながら、三輪も正直に好きな人が出来たと告げに来るのです。二人は恋人か?というと微妙な間柄ながら、互いに魅かれる部分もあり、特別な存在だったのでしょう
大が夢に向かい邁進している姿を確認出来た三輪は、自身の心境の変化を正直に告げ、大もそれを受け入れ、大には世界一のサックスプレイヤーになって欲しいと言い別れます。大はフラれてしまった訳ですが、読後感としては非常に清々しいものがあり、前を向く大には好感すら持てます
吹っ切れた大は目標をSo-Blueに定めます。特に沢辺にとっては非常に想い入れのある場所、バンドマンで言う武道館みたいな存在です。そこで偶然が重なり、有名ミュージシャンのピアノの代役に沢辺が抜擢されるのです!
平はJASSを、沢辺を酷評してしまった事をずっと悔いており、事ある毎にその事を思い返していました。沢辺にとっては念願が叶う形となり、律儀に抜け駆けだと大達に話しますが、ジャズプレイヤーとしてはあり得る事ですし、二人は却って応援し、ライブを観に行くくらいです
沢辺念願のSo-Blueの舞台に立つという夢が実現されようとしています…しかしここからがこのBLUE GIANTという漫画が伝説と言われる所以である展開が最終巻に待ち受けています。10巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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