前回までのあらすじ
ハンナは店に出向き大のプレイを聴いて、いくつか腹立たしい事がある(彼がアジア人だから見くびっていた事、彼が自身の音について説明しなかった事、彼が無名な事、そして彼とプレイする事に怖気づいている自分)と感じます…
サックスとウッドベースのデュオ誕生!
大目線の回では、終演後ハンナが外で話したいと言い、大のプレイは上手くないけど力強いと認めます。大は10日間ハンナを探し続けたと言い、組めたらヨーロッパ1になれると豪語、ここでボリスは帰り、大が何故ドイツに来たのかを説明します
ハンナは一緒に演奏する条件として必ず毎回全力で演奏する事と告げます。ビートルズのモニュメントを見つけ、彼らは世界一を知らないで世界一になったが、ボクらはビートルズを知っている、意識的に世界一になれると話し、二人は握手し、まずはデュオとして組む事に決まります
吹き出しなしの回では、早速二人がボリスの店で音合わせします。二人は約束通り全力で強い演奏をし、途中言い合いになりながらも少しずつ呼吸を合わせていきます
ボリスの店にサックスを試演したいという若者が現れ、大達は場所を替わりますが、ずっと言い合いをして意見を譲りません。9時間ぶっ続けで練習し、ある程度まとまったのでボリスに聴いて欲しい(ハンナからはマネージャーの件も含めて打診)と、初めて二人の演奏を他人に聴かせます
ボリスはハンナのベースが太くて強い、とても激しい音だと評し、20%素晴らしいと嚙み合った時のみの良さを褒めます。今後の展望としてピアノとドラムを探すと言い、ベルリンに行く事を勧められます。大はお金がないため資金集めも含めてしばらくハンブルクに滞在し、ボリスをマネージャーとする事に決まります
ミスターATM
大は朝食代も極限まで節約し、顔見知りには嫌味も含めて金を貸してくれと言われ、体よく断ります。これには訳があり、大はミスターATMと言われ(以前アルフレッドという男に即決で50ドル貸したため)からかわれているのです
フラットメイトは練習でくたくたの大に何であの時金を貸したのか聞くと、もし彼がいずれ自分のライブを観に来てくれる事があったら嬉しいからと話し、世界一のプレイヤーになると言い眠ります
大はボリスの計らいで路上ライブをする事にします。仙台で経験はしていたものの、お金を稼ぐためとなると話は別です。ところが試演中からお金が飛んできて、その調子で吹いているとかなり貯まって来て、ドイツ人の気前の良さに驚きます!
大は今回の件は楽過ぎるとハンナに答え、オレはいつでもハードでいたいと今回きりにする事に決めます。ハンナは唐突に自宅に大を招き、今とても注目されているモーレン5というバンドのCDを聴かせます。大もその技術や音楽性を高く評価しますが、実はハンナは元いたバンドなのだと明かします
クビになったのだと言うハンナに、実力不足と大が言うと、ハンナは自室での練習のための特製毛布にくるんでベースを弾き、大は笑います。大は楽じゃないが、勝とうよと言います
ポーランド人のピアニスト・ブルーノ
大は早く実践の場をという事で、ボリスに一席設けて貰い、ハンブルクの音楽好き(評論家やレーベル等音楽界の重鎮)を集めライブをします。緊張するハンナを他所に、大は力強く自己紹介し、二人での初ライブが始まります
ハンナは序盤ミスを連発しますが、大は一緒に上がろうと言い、ソロで普段の練習とは違った輝きを放ちハンナは驚きます。ボリスはバトンを引き継げる若者と勘違いしていた、君らのやっている音楽は君らの時代の音楽だ、次の音というのはいつも新しく聴こえるんだと感じます
ハンナのソロでは音が上手く繋がらず苦戦しますが、徐々に音が合っていき、大はそれを待っていたのです。大の援護射撃でハンナのベースの音も上がり、これには評論家達も舌を巻きます。終演後客は各々感じた事を熱く語り合い、ボリスは50%の出来だったが、熱は伝わったと感じます
7人中3人は残り、彼らの心に残ったのだと感じたボリスは2人に合うメンバーはいないか持ち掛けます。大はハンナとの初ライブで、完璧とまでは行かなかったもののある程度手ごたえを感じ、メンバーを探しにベルリンに行こうと言います
場面変わって、あるポーランド人のピアノ弾きが登場します。浴場で働きながらジャズピアニストとして練習に励み、非常に繊細で神経質そうです。彼(ブルーノ)はポーランド人の枠から離れてジャズの世界で勝てるか?と自問します
ブルーノはライブのサポートに呼ばれ、ポーランドと言えばボーリッシュジャズという考えに否定的です。ライブでは非常に繊細かつ緻密な演奏をし、ミスした仲間には水を掛け、何事もなかったかのようにプレイを続けるブルーノに、客として観ていた大が思わず「あいつ…マジか」と呟いたところでこの巻は終わります
まとめ
大はヨーロッパで念願の最初のパートナー・ハンナとまずはデュオを組みます。東京では沢辺というピアニストと始めたJASSでしたが、大が今回最初に選んだのはベーシストなのです!二人の強い音は互いに譲らず、ぶつかり合いながらも音を模索し、最初のライブにまで漕ぎつけます
玄人の目から見ても異色の、良い意味で新しいジャズを披露した大達、評価は別れますが、とっかかりとしては上出来で、今度はピアノとドラムを探す事になります
ここで唐突にブルーノというポーランド人のジャズピアニストが登場します!彼は非常に繊細で緻密なプレイをし、大の目に留まります。引き抜ける人物を探している大にとっては、ある意味横柄とも言えるブルーノのプレイが気にかかるようです
ヨーロッパ・ドイツで芽吹こうとしている大達は、バンドとして成功を収めるべく手を尽くす訳ですが、3人目となるメンバーが誰になるのか興味深いですね!4巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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