「ゴールデンカムイ」23巻のアイヌ文化と食と金塊争奪サバイバル~刺青人皮以外の金塊発見方法とは!?鶴見中尉の巧みな人心掌握術で部下はタジタジ…インカラマツ、無事谷垣との子を出産~

前回までのあらすじ

狂暴化してあの杉元すら手を焼く状況でしたが、杉元は小刀を刺し、平太がアマッポの罠に掛かり、散り際杉元が戦ってくれたおかげでやっと私のウェンカムイを消す事が出来たと言い逝きます…

刺青人皮以外の金塊発見方法とは!?

谷垣は自分は向いていない、この金塊争奪サバイバルから降りると言いますが、鶴見中尉はそれを許さず、インカラマツ谷垣の子を宿しているので、彼女のためにも杉元に接近し説得しろと迫ります

アシリパ平太の刺青人皮を見ながら、そこに描かれた文字を読み、砂金等ではなく本来の埋蔵金探索の目的を再確認します

土方陣営に尾形が戻って来ます。尾形は今までの経緯を説明し、樺太土産としてソフィアの情報と、アシリパが暗号を解く鍵を思い出した事を告げます。現在刺青人皮は土方陣営:16枚(写し・偽含む)、鶴見陣営:15枚(写し含む)、杉元陣営:2枚(写し含む)で、残り4枚となっています

二階堂有坂閣下から貰ったメタンフェタミンという薬のお蔭で調子が良すぎるくらいにハイテンションです。家永鯉戸少尉の回復力に目を瞠り、若い男の血を採ろうと目を輝かせます。家永鶴見陣営の今、尾形鶴見中尉の執念深さを語り、土方も同調します

札幌のはずれの寺に潜伏した土方達は、網走監獄囚24人の一人、海賊房太郎に目を付けます。尾形が白鳥を獲ってきて、白鳥を食べると白髪になるという言い伝えの中、皆で鍋にし美味しく頂きます。白髪になるという事は禿げにはならないという事だと笑うと、新八は唾を吐き怒ります(笑)

雨竜川ではアシリパ達も白鳥を獲り、頭も舌やくちばしの皮も丸ごと食べられると話します。白石平太が持っていた砂金が几帳面にどこで採れたものか分類されている事に気づきます。砂金の性質でどこで採れたものなのか判別出来るのです

白石アシリパは砂金の一部が支笏湖に沈んだと読み、その砂金から産地を特定、産地周辺で昔の埋蔵金の隠し場所を知っているアイヌを探し、のっぺら坊が移動させた隠し場所を探し当てるという、刺青人皮が手に入らない今、逆転の道筋を示しますが、杉元は望みは薄いと淡泊です

鶴見中尉の巧み人心掌握術

一年前支笏湖では既に海賊房太郎がその試みをしていました。彼は30分までなら潜水出来るのです。平太は既にその砂金を鑑別しており、杉元達はこの見込みの低い方法より、正攻法で刺青人皮:海賊を訪ねる作戦を取る事になります

札幌では連続娼婦殺害事件が起こり、石川啄木は記事として新聞に取り上げ、反響が凄いと喜びます。門倉はその手口から脱獄囚24人のうちで心当たりがあると言います

鶴見中尉もその情報とアシリパの行先を知り、菊田宇佐美を札幌へ向かわせ、自身は北へアシリパを追います

過去鶴見宇佐美は面識があり、道場で柔道を高木と共に習っていました。一度も勝てなかった高木は東京に発つ前に最後に一度は勝ちたいと乱取りを申し込み、鶴見が見守る中道場の外で組みますが、何と宇佐美高木を踏み殺してしまいます

鶴見に異常な執着を見せる宇佐美高木に嫉妬し事を起こし、共犯だと言います。鶴見は馬に蹴られて死んだと偽装し、2人だけの秘密となります。このように人心掌握術に長けた鶴見月島・宇佐美・鯉戸少尉・尾形とまるで恋愛感情にも似た感覚で服従させ、優秀で時に冷徹に人を殺せる部下を幾人も持つ人たらしなのです

インカラマツ、無事出産!

杉元達は空知川へ向かい、海賊を追います。腕を怪我している杉元はシマエナガという小鳥を見つけ、しばらくすると霧の中滑り落ちてしまいアシリパ達と離れ離れになってしまいます。霧が晴れるまで動かず寝泊まる事にし、一人寂しい中シマエナガに熱く火起こしについて語り、倒木の影で火を起こします

翌朝ヒグマの足跡を見つけた杉元は、この腕では満足に戦えないため、アシリパ達を待つ事にしますが、霧は晴れません。結局一週間経っても霧は晴れず合流出来ず、アシリパから貰った携行食もなくなった杉元は唯一の話し相手になっていたシマエナガを泣く泣く殺し串焼きにして食べます。ここでやっとアシリパに見つかります

谷垣インカラマツが宿した子のためにも、渋々アシリパを探す選択肢しかないと嘆きます。インカラマツの知恵から谷垣はこっそりインカラマツと会いますが、月島に事がバレ、殺されそうになり、家永が後方から月島を注射針で刺し、逆に月島に銃で撃たれます

月島と組みし死闘を演じた谷垣ですが、注射が効いて月島は2時間程気を失うという事で、家永は自身の醜い性格を呪いながらもインカラマツには無事に赤ちゃんを産んで欲しいと言い、そのまま逝きます。鯉戸少尉は2人を見逃し、谷垣達は馬で民家に逃げます

ところが谷垣は血痕を残してしまい、月島が追って来ます!再度月島と死闘を演じる谷垣、組みし塀ごと投げ倒してしまいます。そのまま谷垣達は馬で逃げますが、肩に被弾、馬も被弾し、再度血痕を月島に追われます。インカラマツは破水してしまい、谷垣は馬を捨てフチのところへ赴きます

フチは百戦錬磨のイコインカラマツ(とりあげ女)で、フチに出産を任せ月島に備えようと外に出ると、案の定月島がおり、再度死線を演じ、月島谷垣を追い詰めますが、鯉戸少尉が現れ、上官命令で銃を下ろせ、鶴見中尉と月島軍曹を見届ける覚悟でいると言います

月島の辛い過去を理解しつつ敢えて二人を見逃してやってくれと請う鯉戸少尉、結局月島は銃を収め、ここからインカラマツの出産を手伝う事になります。アイヌ独自の出産方法があり、様々な道具が紹介されます

男達はニスホリビレ(臼躍らせ)という難産のおまじないをさせられ、フチの熟練の技もあり、赤ちゃんが産まれたところでこの巻は終わります

まとめ

刺青人皮集めで不利な状況にある杉元陣営ですが、白石アシリパは別の手段:砂金から金塊に行き着く方法について語り、非常に望みの薄い方法ですが、どうすべきか思案します。結局平太の残した手掛かりから脱獄囚:海賊房太郎を追う事になり、それは土方陣営も同じです

鶴見中尉の人心掌握術は巧みで、戦場の兵士のそれと同じように、上官に恋愛感情にも似た絶対的服従感を与え、人を殺す、任務に忠実であるという非情さすら植え付けさせる人たらしです。宇佐美月島鯉戸少尉がそうであるように、鶴見中尉は忠実な部下を巧みに操り事を上手に運びます

妊娠しているインカラマツを助け出すために谷垣は密かに接触しますが、月島にバレ命を狙われます。家永・鯉戸少尉が二人を庇ってくれて、月島の冷徹さが際立つ中、上官命令だと鯉戸少尉が強硬し、何とか谷垣は救われ、インカラマツは出産出来ます…男女どちらなのでしょう?24巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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