前回までのあらすじ
門倉だとバレたため、牛山が宇佐美を襲い、キラウシは誤って合図の花火を上げてしまいます。夏太郎の下に本物の犯人が現れ、土方が刀を抜きます。札幌の街に花火が上がる中、上エ地・鶴見中尉・杉元と各々が動き出します…
麦酒工場での白熱の攻防
牛山は宇佐美を組みし、そのまま鯉戸少尉目がけてぶん投げ、麦酒工場に侵入します。月島達が牛山を追う中、宇佐美は別に逃げた門倉を追います
土方は犯人(オストログ)を追い詰めながら、新八に訂正の花火を上げさせます。杉元は構わず麦酒工場に侵入、白石とはぐれると、二階堂と出くわします。更に鯉戸少尉にも襲われ、二階堂の銃は僅かにアシリパのお蔭で免れます。鯉戸少尉と死闘を演じる杉元の頭上で菊田が銃を向けると牛山が樽ごと足場を崩します
樽が割れ、麦酒が溢れ出し、ここぞとばかりに杉元達は麦酒をあおります。ロンドンではビール洪水事故が実際にあり、死人も出るくらいの惨状が今起ころうとしています。皆酔っぱらう中、菊田はアシリパを確保します。しかしアシリパは矢毒を持っており、逆に菊田を引きはがします
菊田は7人のアイヌがどうして殺されたか知りたくないかと言い、そこに宇佐美も現れ、更に尾形が狙撃態勢です。鶴見中尉に渡っちまうなと尾形が思案していると、尾形が狙撃され自身の銃が撃たれ、それはヴァシリの仕業です
土方はオストログは工場内に侵入した、手負いのため血痕を探せと言います。杉元達はべろんべろんに酔っ払い、フラフラになりながらオストログとアシリパを探します
菊田は金貨の事から真実を教えてやるのでついて来いとアシリパを誘惑します。アシリパはアチャの汚名を返上するよりアチャから託されたアイヌの未来を優先させると言い、後方から宇佐美が襲いますが、門倉が体当たりし、アシリパは逃げられます
尾形は巧みに囮を使って新たな銃を手にし、ヴァシリと対します。工場内ではオストログは追い詰められ、もう手のない中藁に火を放ち場内は混乱します。宇佐美は門倉を追い詰め、腹に隠した刺青人皮を手に入れます。そこに尾形が唐突に現れたため、宇佐美は蹴りから斬りつけ、尾形は銃で受けます
オストログはアシリパにアイヌの女しかいない島の話をし、女性は一人でも子供を産めると意味不明です。オストログは聖書にも同じ話がある(聖母マリア)、だからあの女達は間違っていると錯乱しており、アシリパは私は父と母がウオラムコテ(互いに心をつける)、愛し合って生まれたと断言します
アシリパは棒でオストログを殴ると、そのままバットの様にし顔面を殴り上げます
二転三転する状況下で…
麦酒工場の延焼を抑えようと消防隊が到着・放水します。オストログはワタシは処女の母から生まれた神の子だと発狂しており、アシリパは毒矢を向けるとそいつは俺の仕事だろと杉元が現れます。杉元は銃剣で斬りつけ腸を引き出すと、そのままそれで首を絞め、壁に顔を擦りつけます
最後まで抵抗するオストログでしたが、杉元に窓から落とされ、階下にいた牛山が止めを刺し、刺青人皮も残り2枚です
宇佐美は優勢で、あの尾形に弾薬を装填する前に銃剣で心臓を一刺しすると脅します。宇佐美は「一番安いコマ」だと言われた事を恨んでおり、油断したところを尾形は口で弾を装填し、背面越しに銃を撃ち、宇佐美は腹を撃たれ階段を落下します
宇佐美はまだ生きており、尾形より鶴見中尉に伝えないととふらつきながら進みます。宇佐美は馬で先を急ぎますが、階上の尾形が安いコマかそんなに不安ならお前の葬式で鶴見中尉がどんな顔をするか見たらいいと発砲、宇佐美は鶴見中尉の目の前で崩れ落ちます
尾形はお前の死が狙撃手の俺を完成させたと義眼を飛ばしながら喜びます。己の最期を鶴見中尉に抱かれ宇佐美は満足げで、刺青人皮の写しを渡し門倉を捕まえてくれと言い逝きます。ここでも鶴見中尉は人たらしの顔を見せます
上エ地は煙突の上に上がり、暗号はもう解けないよと裸になり全身の刺青を見せます。上エ地は自身の刺青に価値があると踏んでいましたが、鶴見陣営も土方陣営も24枚全てを集める事には執着しておらず、全て揃わなくても暗号は解ける、相手方の混乱になるなら利用する程度にしか思っていなかったのです
結局上エ地は煙突から足を滑らせ落下し死亡、この「刺青人皮は全て揃わなくても解ける」という仕掛けが金塊争奪戦をより苛烈な方向へ大炎上させる事になるのです。まだ建物内の杉元とアシリパは刺青人皮を持った門倉と出くわし、一緒に逃げると彼の背中に刺青がある事に気づきます
門倉はのっぺら坊が極秘に彫ったもので、24番目の最期の暗号だと言うのです!煙が充満する中、白石は杉元に声を掛け、何とか助けようと大きく息を吸い込んだ海賊が向かいます。海賊は杉元と落ち合い、助けに来てくれたのか…と思いきや、杉元をシャベルでぶん殴ります!
この海賊の暴挙に、流石の杉元も最早煙を吸い過ぎて対応出来ず、アシリパを連れて行かれてしまいます。建物から出た海賊はアシリパに「アイヌのため」なんて重荷は下ろしてしまえ、金塊は俺が全て奪ってやる、アシリパは杉元と村へ帰って幸せに暮らせばいいと言います
結局鶴見中尉がアシリパ確保
海賊は監獄入り時代白石に夢は自分の国を作る事=「故郷を作る」、「帰って来られる場所」だと話していました
杉元は朦朧とする意識の中、やっとアシリパを取り戻したのに…と悔いていると白石が現れます!
海賊は鯉戸少尉・月島に狙われ、再度工場内に侵入、地下はビールで洪水のようになっています。アシリパが金塊が奪われたら私達はどうやって故郷を守ればいい?と階段柱にしがみつくと、海賊を鯉戸少尉が斬りつけ、海賊が一旦泳いで消えますが、月島が着いた頃には鯉戸少尉は水中に引きずりこまれていました
月島はアシリパを置いて鯉戸少尉を助けに行き、逃げたアシリパは今度は二階堂に見つかり、斬りつけますが防がれ、例の箸で額を撃たれこのギミックが役に立ったと二階堂は喜びます(笑)結局鶴見中尉と合流し、アシリパは確保されます
一方何とか出て来た海賊にまだ状況を把握していない杉元がアシリパを返せと突っ込みます!建物は崩壊し、煙突が倒れ、その弾みで何でか門倉が上手い事布団に入る驚愕のラストで(笑)この巻は終わります
まとめ
二転三転する白熱の攻防が見ものの今巻、肝はジャック・ザ・リッパーことオストログと上エ地の犯人2名の刺青人皮の行方でしたが、特に上エ地が勘違いしていた刺青人皮が24枚揃わないと暗号は解けないという事はないため、土方・鶴見陣営双方それ程執着はなかったのです
お互いを混乱させるためには必要でしたが、鍵を知るアシリパこそが重要で、暗号も刺青人皮が全て揃わなくても解けると踏んでおり、犯人2人よりアシリパの身柄確保が最重要となり、炎上する麦酒工場での白熱の展開が見ごたえがありました
主要人物ではついに宇佐美が逝き、少しずつこの個性豊かな登場人物も一人、また一人とあの世へ逝ってしまいます。ゴールデンカムイはこの辺容赦ない展開ですので、残された人物も下手すれば…という緊張感がこの二転三転する攻防に拍車を掛けるドキドキの展開です
海賊はアシリパの本心・杉元と一緒に穏やかに暮らしたいというものを見抜いていました。金塊争奪戦等最早どうでも良いとも思いつつ、運命に翻弄されるアシリパは、唯一の暗号解読の鍵を知る者として、再度鶴見中尉に確保されてしまいます
再度アシリパを奪われ杉元の胸中は如何なものでしょうか?27巻に続きます…
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