「ゴールデンカムイ」8巻のアイヌ文化と食と金塊争奪サバイバル~剥製作りの名人・江戸貝に偽刺青人皮を作らせる鶴見中尉…トロッコでの炭坑道追走劇の顛末とは!?鍵は「鉄」~

前回までのあらすじ

一頭に槍を投げ込みますが、もう一頭が2階から侵入して来ます。何とか民家から脱出し、ダンのマキシム機関銃で一頭倒しますが、車をもう一頭が追って来ます。仲沢が落ち、襲われたところを若山が助け、ヒグマを倒し二人は愛し合い逝きます

杉元が刺青の皮を剥ぎに向かいます…

偽の刺青人皮を作る

合計6人分の刺青人皮(複製含む)を手に入れた土方達、のっぺらぼうはアイヌに成りすました極東ロシアのパルチザンだと予想します。尾形のっぺらぼうが極東ロシアの独立戦争に使う為アイヌの金塊を樺太経由で持ち出そうとして失敗したのが今回の発端だと見抜きます

ダンから約束のアザラシの服を買い戻したアシリパは、立派な弓も譲り受けます。ダンから奇妙な本を見せられ、夕張という手掛かりを貰った杉元は、こちらも刺青人皮が6つとなり、ライバルの動向が気になります

夕張では鶴見中尉が月島軍曹と二階堂浩平)と墓地の盗掘犯を追い、人皮の手袋を見つけます。翌日江戸貝剥製所に赴いた鶴見中尉は、江戸貝の作った剥製に見入りながら、昨日の盗掘犯が江戸貝だと見抜きます

月島軍曹は銃を構えながら江戸貝が刺青人皮を持っていると推理します。鶴見中尉が手袋の出来を褒めると、江戸貝はそれは豚の皮で、昨日は大量の廃棄物を墓に捨てに行っていたと言い張ります。別室には精巧な人型の剥製があり、江戸貝は剥製から声が聴こえる異常者だったのです

混乱している江戸貝鶴見中尉は刺青人皮を見せ、江戸貝は同士だと心を許し、剥製についてのうんちくを述べながら、自分の自慢の作品を見せて来ます。鶴見中尉はべた褒めし江戸貝は調子に乗り、母の剥製を銃で自ら撃たせ、幻聴が消えます

鶴見中尉は江戸貝を利用して精巧な偽物の刺青人皮を複数枚作り、争奪戦に大混乱を巻き起こそうとしています

谷垣とカネ餅

プクサ(ギョウジャニンニク)は生で食べても美味しく、精力も付き、杉元アシリパは味噌を付けて美味しく食べます。アシリパはアイヌにとっての季節は冬と夏だけが交互に来る、冬は山に狩りに行く「男の季節」で氷が溶けて水になるとマツネパという「女の季節」が来ると言います

女たちは冬の間困らないように山菜や野草などの「青物」を乾燥させ保存食を作るのです。白石達の漁ってきたサクラマスでイチャニウのオハウという汁物を作り、皆で美味しく頂きます。アシリパは夢で父が出て来ます

谷垣は街で銃の弾を買い、森で鹿を射止めます。それを見ていた男の子(チカパシ)に手際よく鹿をさばいて見せて、名前の由来(勃起)に良い名前を貰ったなと褒めます。コタンにインカラマツが現れ、谷垣に妹を亡くされてませんか?と鋭い指摘をします

インカラマツアシリパを探しており、一緒にいる3人のうち一人が裏切るため命が危険だと忠告します

回想では鶴見中尉は谷垣からカネ餅の逸話を聞き、谷垣はカネ餅にクルミを混ぜたと賢吉に見抜かれたのだそうです。賢吉は妹のフミと結婚し谷垣と義兄弟となります

ある日フミは殺されてり、残された手掛かりから賢吉が疑わしく、心労で母も死に、憎悪を抱き賢吉を探し戦争に赴き、そこでボロボロの白襷隊の男(杉元)にカネ餅を食わせると、食え()という言葉から男は秋田弁だと見抜き、谷垣はその男が賢吉だと確信します

戦争のどさくさで葬ってしまおうとした谷垣でしたが、壮絶な戦争ではそれどころではありません。爆薬を抱えたロシア兵が塹壕に飛び込んで来ようとして、ある男が飛び出して身を挺して止め、瀕死の重体になります。その男こそが賢吉で、意識が朦朧となりながら事の顛末を語ります

フミは疱瘡に罹り、感染防止のためにも殺してくれと請い、悩んだ末賢吉は苦しまないように殺し、ずっと罪悪感を感じながら生きていました。死に際例のカネ餅を食べさせられ、相手が谷垣と悟って賢吉は逝きます

谷垣は自身の役目について、今が恩を返す時だとアシリパを連れて帰るとコタンを出ます。インカラマツも付いて来て、インカラマツ鶴見中尉に谷垣を利用しろと言われていたのです

炭坑道でトロッコ追走

夕張で杉元達は熊の胆(ニンケテイエブ)を薬売りに売り、出所がしっかり分かっていないとまがい物として信用されない事が分かります。森ではカワヤツメ・スナヤツメを漁り遊び、ヤツメウナギをかば焼きにしてうな重にしこれも美味しく頂きます

江戸貝は6枚分の偽刺青人皮を作りますが、前山が突如尾形に狙撃されてしまいます!尾形は建物に侵入しますが、江戸貝は逃げており、異変に気付いた月島尾形を襲いますが、尾形は冷静に対応します

江戸貝は白い熊の剥製を被り逃げており、月島尾形の相手は諦め江戸貝を追います。すると建物に杉元達が現れ、尾形はあべこべに白石を懐柔し、上手く月島の邪魔をさせるように仕向けます。結局先に尾形江戸貝を見つけ、撃ちますが月島のお蔭でかわせ、そのままトロッコに乗ります

江戸貝は例の偽刺青人皮を持っており、杉元達もトロッコで追います。更に後ろから尾形が追いかけます。炭坑道に入ると杉元達のトロッコとデッドヒートを繰り広げ、杉元が飛び移ろうとしますが、分岐点で上手く逃げられてしまいます。尾形江戸貝を追います

しかし途中ダイナマイトが発破され尾形は先へ進めなくなります。ガスが噴出し坑内は爆発、更に「もどし」で坑内の通気が乱れ、大爆発を起こします。江戸貝は足を潰され、月島に偽刺青人皮を託し、杉元達も坑道の密閉で息ができず、死線を彷徨います

すると牛山が壁を蹴破り杉元達を救います。牛山尾形と一緒に来たと言い、剥製所で月島が生きていれば偽の刺青人皮が出回る事を覚悟しなければならないと話し、そこに土方も現れます

月島は偽刺青人皮を鶴見中尉に託し、江戸貝が「鉄」と言っていたと話します鶴見中尉は手袋で鉄瓶に触れ、タンニンが「鉄」に反応し黒く変色するため偽物の見分け方の事だと悟ったところでこの巻は終わります

まとめ

各々6枚ずつの刺青人皮を所持している土方杉元側に対し、鶴見中尉は江戸貝という剥製作りの名人に偽の刺青人皮を6つ作らせこの争奪戦を大混乱に陥れようと画策します。今巻でも所謂「イッちゃってる江戸貝という異常者が出て来ますが、最早ゴールデンカムイ名物で慣れて来ましたね

谷垣は過去賢吉という義兄弟に妹を殺されたと恨んでおり、戦地でそれらしき男を見つけますが、その男は杉元だったのです。更に勇敢に特攻隊を塹壕に入れないように身を挺した男こそが賢吉だと気づき、実は疱瘡のためやむなくフミを殺した事が分かります

谷垣の暗い過去とカネ餅にクルミを入れたという逸話は何か心に残るものがあります。養生していた谷垣アシリパを追う旅に出、インカラマツも付いて来ます(インカラマツ鶴見中尉と繋がっているようです

偽刺青人皮を巡る争いでトロッコでのデッドヒートや炭坑道の危険等の描写もあり、ハラハラする展開でしたが、ここで土方・牛山・尾形側と杉元達が合流する事になります

江戸貝は「」というキーワードを残し逝き、鶴見中尉はその鋭さからタンニン鉄に触れる事で偽刺青人皮の色が変色するという手掛かりを得ます。これで主導権を握った鶴見中尉、出回っている刺青人皮に偽物がまぎれようとしています…9巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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