前回までのあらすじ
ここで山口投入で乱してもモンスター:星海で来ると読んだ月島は視線からブロックアウトを狙っていると判断、咄嗟にコースを空けOUTとする巧妙な空中の駆け引きに勝ち、25‐22で第2セットをものにし、ゲス笑顔で山口とハイタッチ、兄にこっそりピースサインを送ります…
鴎台はずーっと「普通に強い」
星海は避けられる可能性があると知ってしまったのです…これは妖怪チビガラスのハイジャンプ マイナス・テンポに加え、鴎台は考慮しなければならない事が最終セットで増えてしまいます。それでも選手は飄々としており、何より名将が後ろに控えているのは大きいです
第3セットはどちらもローテを変更せず、影山の鬼サーブを何とか繋ぎ、乱されながらも十八番のブロック炸裂です。鴎台はずーっと「普通に強い」と感じる宮侑はミスター「隙無し」の北みたいだから苦手なのだと悟ります。大将も戸美は絶対に倒せねえやつだな…と納得です
実況の「強靭な盾の中の輝く矛」に「矛の群れの中の盾」の名口調が冴えます。日向は異様な程’’紛れる’’を徹底し宮兄弟は不気味に感じます。拮抗する中、乱されながら星海は速攻のセッティングもこなし白馬が反応、チームの調和の中にあっても埋もれるつもりは無えと気張ります
更に星海は攻守に貢献し、俺が星海光来だ!と吠えブレイクです。同時多発位置差攻撃は月島ですが、’’束’’リード・ブロックに怯みOUTとなり「最後に咲うブロックだ」と身に染みます。烏野1回目のTOですが、月島は足にキテおり、烏養も心配しますが本人はまだ大丈夫と気丈です
旭は折れずに何度でも呼び込み、吸い込みしますが昼神が奇跡的に上げ、レフトの星海で加点です。星海の鬼サーブで乱され影山のツーかと思わせて日向との速攻ですが、昼神は読んでおりブロック、それでも澤村が根性で繋ぎます
’’小さな巨人’’に憧れつつ、自身は’’最強の囮’’がいい
田中の返球はダイレクトで打たれますが澤村が再度上げ、’’紛れる’’日向はライト側のスペースを有効に使い移動攻撃ではなく1st・テンポ+’’ドン’’ジャンプを決めトリッキーな動きで翻弄します。鷲匠は日向が非力でも’’高さ’’で勝とうとしていると自身の置かれた状況を百も承知だと理解します
鷲匠は自身が高さに恵まれず、高さ至上主義の監督ですが、日向を見ているとその可能性と自身も出来るのではないか?という感情が去来します…日向のマイナス・テンポ+’’ドン’’ジャンプが決まります。日向はひとりじゃ勝てないと自覚しており、星海同様「自分は弱い」という事をしっている奴なのです
旭のサーブで乱されながらもブロックから繋ぎここでも星海の速攻セットから昼神ですが西谷が上げ、日向の助走に昼神の重心が僅かに日向側になった事を見逃さなかった影山がレフトの田中を使い加点、正に’’組織’’が分断されるのです…日向は’’小さな巨人’’に憧れつつ、自身は’’最強の囮’’がいいと合点します
’’小さな巨人’’の異名を譲られた星海は…同じなんかじゃない、俺たちの強さはひとつなんかじゃないと感じます。雲雀田は大きくて優秀な選手を求めるも、星海のように確固たる実力で我々に選ばせにやってくると語り、事実星海は2枚ブロックでコースも無い中フェイントで加点です
すると日向が斜めに跳躍し完全にブロックは釣られ、レフトの田中がノーマークで加点です!この日向‐影山ラインの脅威を感じる他校生は皆背筋が凍る想いです。ここで日向後衛で月島が前衛、影山は「逃げんなよ」?とゲス顔で、流石の月島も日向に負けてたまるかと気張ります
妖怪チビガラス、高熱で離脱…
日向サーブはネットINし乱し、影山はツーと畳みかけますがブロックは読んでいます。返ったボールは何と攻撃参加していた澤村の足に当たり相手コートに返ります…澤村は決して「守備要員」ではないのです。ここで月島はオープンを要求、’’束’’リード・ブロックの上から叩きつけますが、星海が拾います
白馬の高いライト攻撃はクロス側の日向が好レシーブ、そのまま同時多発位置差攻撃で日向のウシロ・マイナスがINしブレイクです。全てが嚙み合って田中が日向を起こそうとすると、日向が崩れ落ちます。TOし影山は日向が熱がある事を見抜き、事実39.1℃の高熱です
この全国の舞台でずっとテンション高く高負荷の活躍を見せていた日向でも身体は正直だったのです。以前澤村が負傷退場した時と一緒だと武田は諭しますが、日向は凄み、武田は心を鬼にして試合に出すことはできないと告げます
人一倍試合に出たい日向に’’がむしゃら’’だけでは越えられない壁がある、いつも万全でチャンスの最前列に居なさいと諭し、成田と交代です。チームメイトが優しく宥める中、ライバルの影山だけは「俺の方が長くコートに立つ」、今回も俺の勝ちだと非情です
無情にも試合は続く中、星海は日向を待っている(今後の試合で)と宣言し、宮侑は稲荷崎と’’ネコ’’と’’カモメ’’でやっと妖怪を倒したなと感じ、日向が谷地と病院に向かうところでこの巻は終わります
まとめ
第3セットに入っても鴎台のずーっと普通に強いは続き、星海の攻守に渡る独壇場から昼神中心の’’束’’リード・ブロックに手を焼きます。3日で計4試合フルセットという体力的にも限界が近づく中、日向が躍動し、烏野がここに来て優勢になりかけます
日向は’’小さな巨人’’に憧れつつ自身は’’最強の囮’’がいいと納得し、自身の存在意義を確かめます。日向が居る事で周りも活き、影山の変幻自在のトスワークも更に冴えるのです…テンポ・ポジションを変え神出鬼没の日向の動きが完全にマッチしたかに見えました
ハイキュー!!が秀逸な点はこの場面で主人公の日向が高熱で試合を離脱するという場面を作った事です。スラムダンクでは桜木が背中の怪我で一時離脱という場面がありますが、日向の場合は縦横無尽に動き続けた結果、高熱で試合続行不可能な状況になるのです
日向が離脱しても試合は続きます…無念の日向、武田の諭しは秀逸ですが、このやり場のない感情はどこにも向けられません。鴎台との準々決勝、結末は如何に…42巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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