「火ノ丸相撲」5巻の数々の激戦と成長譚~抜群の分析力と強さを見せる桐仁、選手として致命的な欠陥が…桐仁監督の奇抜な発想からの稽古で各々精進!火ノ丸、憧れの柴木山部屋に体験入門~

前回までのあらすじ

翌朝道場に桐仁きりひとが入部したいと現れますが、選手としてではなく監督になると言うのです!ユーマは実力のぇ奴の指図を受けるつもりはねぇぞと言うので桐仁きりひとは今から中学生力士を使ってあなた達全員に勝って見せましょう、監督としての俺には結構期待していいよと自信げです…

桐仁の冴え

桐仁は回転寿司を食い放題だと豪胆で中学生の士気も上がります。気負うユーマは鋭い突っ張りを見せますが、「手打ち」の突きの為叩かれ両足が揃った所を狙われ完敗です。更に國崎蹴手繰けたぐりで負け、「足さばき」がまだまだだと名解説は続きます

データの無い小関は足腰は強いけど上半身は弱いと見抜き、三ツ橋含め4連勝です。桐仁は全国上位とは力士としての完成度が違う、ただ伸びしろのあるダチ高は研ぎ澄まされた一芸を持った異能力士になれると説きます。火ノ丸が日本一になる手助けがしたいという桐仁、部員も彼を認めます

そして大将戦として火ノ丸には桐仁自ら望みます。桐仁も小兵ですが鍛えられた身体つき、平蜘蛛型仕切りで低く対します。超低空のぶちかましで突き上げて懐に入り立ち合いは桐仁の勝ちです。しかし火ノ丸は喉輪で強引に離し重たい横綱相撲で対します

桐仁手繰たぐって体を入れ替えるテクニシャンぶりを見せ、火ノ丸の最大火力:百鬼薙ぎーに対し同じ技で打ち合い、「草薙」に敗れたお前の相撲を今ーこの手で過去の物にする!と気張ります。ここで桐仁は「投げ」と「捻り」にもう一手ー「足」の’’三つの合わせ技’’で何と火ノ丸を敗ります

桐仁は三点同時攻撃で’’心’’と’’体’’が頭打ちのお前に残された’’技’’=’’捨て身’’を体得すればあの「草薙」にも勝てるんだよ!と針穴程の僅かな道の先が照らされ、火ノ丸だけの「横綱相撲」=「火ノ丸相撲を物にしようと説きます

桐仁独特の鬼稽古

強い桐仁を得て団体戦にも光明を見えて来た中、火ノ丸桐仁が「選手としては期待するな」と言っていた事を指摘し、病弱の為もって「20秒」しか戦えない力士なのです。センスは頭抜けており国宝「鬼切」とでも呼ばれる程のものなのに…と口惜しいです

三ツ橋は自身のレギュラーの座が揺らぐ事に危機感を感じますが、桐仁は選手としては出られず、三ツ橋には試合に出てさえくれればいいと2・3年後に期待し、三ツ橋も悔しい想いです。三ツ橋は試合に出られるのは嬉しいものの仕方なく譲るみたいな形に納得いかず練習で気張り國崎不浄負け廻しが外れて落ちた場合負け判定です(笑)

三ツ橋の気概を気に入り桐仁はこのメンバーで「日本一」に!と翌日から早速地獄の特訓が始まります。朝練の場所は何と海でワカメ漁なのです!船上で四股50回はいつもの四股より高負荷でバランスを取るのに必要な筋力が満遍なく鍛えられます

桐仁独特の稽古は奇抜ながら効果的で、偉そうに指図しながらも漁師に土下座までして頼み込んだ程の気概を見せ感心されます。部員皆桐仁に付いて行けば強くなれると確信します。ユーマ優秀な指揮官の条件は選手に「出来る」と思い込ませる事だとし、桐仁はなかなか有能だと感じます

桐仁ユーマを空手道場に向かわせ、顔馴染みの高荷たかに師範に何度も頭を下げますが、「覆水盆に返らず」だと取り合わず、雨の中ずっと耐え待ちますが放っておかれ、土下座までする事でやっと受け入れられます。休日は各々’’異能’’を磨くのに使うとし、火ノ丸は憧れの柴木山部屋に体験入門です

柴木山部屋に体験入門

角界でも一・二を争う稽古量で知られる柴木山部屋、親方の薫山は剛柔の使い分けた指導が光ります。しかし期待していた火ノ丸が152cmの小兵と知り落胆し、練習の空気も緩みます。体験入門には押し出しチャレンジがあり特製グッズがプレゼントと言われ火ノ丸は気負います

火ノ丸はグッズもめっちゃ欲しいけど本気の稽古をワシに下さい!と強さを見せます。桐仁薫山の現役時代のスタイルに火ノ丸を重ね、更にある力士ーと狙いがあるようです。最早三段目クラスでは歯が立たず、ついに西前頭九枚目:冴ノ山、プロの一軍が登場します

早速立ち合いとなり、動かず火ノ丸を即突き倒した冴ノ山火ノ丸はそれでこそ…来た甲斐がある!と喜び、何番取っても勝てずプロの壁を感じます。火ノ丸の相撲は’’炎’’のように「豪快」だが悪く言えば雑だとし、共に横綱を志す者として分不相応だと最後の取り組みです

平蜘蛛で低く当たるも横からの張り手と容赦なく、それでも火ノ丸は鬼が如く突進し咄嗟に火ノ丸を潰しますがついに関取は膝をつきます。火ノ丸の一日体験入門は終わりますが、冴ノ山は叶わぬ夢と言い切るのは早計だった、また明日ここに来なさいとし、火ノ丸がよろしくお願いします!と喜ぶところでこの巻は終わります

まとめ

豪語するだけあり桐仁の分析力は群を抜いており、部員全員負かせてしまいます。特に火ノ丸に対しては自身が対し倒す強さを見せますが、皮肉なことに桐仁は20秒しか本気で立ち会えない体である事が判明します。サイズのハンデに加え、身体的に無理が出来ない桐仁には同情の余地もあります

その分桐仁は監督として抜群の冴えを見せ、独特の指導法は理に適っており各々の能力UPに繋がります。三ツ橋は一番力が無い中桐仁にレギュラーを譲られたと感じており、気概を見せ力的にはまだまだですがその強い意志はダチ高になくてはならないものとなっていくのです

ワカメ漁で船上で四股を踏む等ユーモアに富んでいますが、スポーツものお約束のこういった奇抜な練習が更に彩りを加えます。火ノ丸は憧れの柴木山部屋に体験入門に行き、最初馬鹿にされますが実力を発揮、関取の冴ノ山をして見込みがある、明日も来いと言わしめます

大相撲の世界は高校生の年代でも相撲部屋に所属しているケースがありますが、最近は高学歴化しており、大学出身の力士が結果を出している現状もあります。火ノ丸相撲では序盤のメインは高校相撲編の為、プロの相撲部屋へ出稽古に行き実力を上げていく様は爽快です。6巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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