前回までのあらすじ
伊之助は被り物のお蔭で視線をどこに向けているかわかりづらいのです。炭治郎は襲われた伊之助を庇うと、伊之助の「肆ノ牙 切駒裂き」から炭治郎の「ヒノカミ神楽 碧羅の天」でついに頸を骨ごと断ち斬ります…
上弦の参・猗窩座
列車は鬼の肉塊で溢れ揺れ、横転し停車します。炭治郎は腹を刺されており、身動きが取れず後を伊之助に託します。煉獄は全集中の常中ができる事を褒め、指導され炭治郎は呼吸の精度を上げ腹部の出血を止められます
下弦の鬼は散り際悔しがり逝きます。すると上弦の参（猗窩座）が現れ炭治郎を襲うので煉獄は「弐ノ型 昇り炎天」で腕を割りますが、すぐに再生されてしまいます。猗窩座は煉獄の実力を認め、鬼にならないか誘って来ます
煉獄がきっぱり断ると、猗窩座は「術式展開 破壊殺・羅針」を放ち、煉獄は「壱ノ型 不知火」で対応します。更に「破壊殺・空式」に「肆ノ型 盛炎のうねり」で対応、人間は老いて行く儚いものと説きますが、煉獄は人間なら当然のことだと冷静です
更に「破壊殺・乱式」に「伍ノ型 炎虎」で対しますが、いつしか煉獄はボロボロです。伊之助は助太刀したいのですが二人の異次元の強さに付け入る隙がありません。しまいには「破壊殺・滅式」に「玖ノ型 煉獄」で対応しますが、猗窩座の腕が煉獄の心臓を射抜いてしまいます
ところが母との邂逅を思い出した煉獄は猗窩座の頸に刀を振るい、更に猗窩座の拳を掴み、射抜いた腕も抜けません。夜明けが近く猗窩座は焦りますが、煉獄は逃がさないと凄みます。煉獄の刀が頸半分まで届いたところで炭治郎は伊之助と共闘し、「壱ノ牙 穿ち抜き」で猗窩座の両腕を斬ります
困難の先には更に高き壁
猗窩座は太陽から距離を取ろうと森に逃げますが、炭治郎の投げた刀が身体に突き刺さります！炭治郎は人間と鬼の違いを語り、煉獄は皆を守り抜いた、お前の負けだと叫び泣き崩れます。朝になり、煉獄は俺の生家に行ってみるといいと提案します。「ヒノカミ神楽」について何か分かるかもしれないと言うのです
煉獄は家族への言伝と、禰豆子を鬼殺隊として認めるとし、柱なら若い芽は摘ませない、もっともっと成長して鬼殺隊の柱になるのだと語ります。すると煉獄の母が現れ、果たすべきことを全うできましたか？と問うと、立派にできましたよと言われ、煉獄は逝きます
炭治郎は何か一つできるようになってもまたすぐ目の前に分厚い壁がある、果たして煉獄のようになれるのかなあ…と涙しますが、伊之助も泣きながら叱咤激励し、善逸と三人で大泣きします。煉獄の訃報は直ちに産屋敷と柱たちへ伝えられ、産屋敷は二百人の乗客を一人も死なせなかった煉獄を讃えます
猗窩座は鬼舞辻に報告に行きますが、たかが柱一人屠った程度で…と蔑まれます。猗窩座は炭治郎の刀を割り、次会った時はお前の脳髄をぶちまけてやると凄みます
’’日の呼吸’’は始まりの呼吸
例によって蝶屋敷で静養することになりますが、善逸はあの炭治郎でも落ち込むことがあるのだなと驚きます。炭治郎は傷も癒えないまま煉獄の生家へ行き、千寿郎を見つけますが、父から罵倒されます。すると父が炭治郎が’’日の呼吸’’の使い手だと悟り、取っ組み合いになります
父は’’日の呼吸’’が始まりの呼吸・一番初めに生まれた呼吸で最強の御技、全ての呼吸は’’日の呼吸’’の派生だと語ります。炭治郎は自身の無力さを呪い、父に頭突きを喰らわせてしまいます。その後屋敷で千寿郎に煉獄の最後について語り、炭治郎の求めていた書物を差し出されます
ところが’’歴代炎柱の書’’はずたずたに破られており、詳細が分からない中、炭治郎は自身の更なる向上を目指すと決心します。本来なら継子となるはずの千寿郎ですが、日輪刀の色がどんなに修行しても変わらなかったと語ります
去り際千寿郎は煉獄の日輪刀の鍔を炭治郎に託します。千寿郎は兄が父に遺した言葉「体を大切にして欲しい」と伝え、父も涙します。炭治郎が蝶屋敷に着くと鋼鐵塚が襲ってきて夜明け近くまで鬼ごっこは続きます（笑）
煉獄の死から四か月が過ぎ、三人は毎日鍛錬しながら合間に鴉からの指令で鬼を倒しに行き実力を上げます。炭治郎が単独任務から屋敷に帰ると、宇随がアオイたちを連れ去ろうとして揉み合っており、炭治郎・善逸・伊之助が替わりに行くのでアオイを返せと言うと、あっさり同意されます
宇随が行先を日本一色と欲に塗れたド派手な場所・鬼の住む’’遊郭’’だよと打ち明けたところでこの巻は終わります
まとめ
今巻の煉獄の最期は特にアニメ映画「鬼滅の刃 無限列車編」で語られ、超大ヒットし、歴代興行収入一位を獲得する程の大ブームとなりました。炭治郎たち三人はともかく、煉獄もその人柄や立ち振る舞いで人気を博し、コロナ禍の中老若男女問わず映画館に脚を運ぶことになります
ここまで大ヒットした漫画原作アニメ映画は珍しく、一時期大ブームとなり漫画も売り切れが続出します。ご存じの通り鬼滅の刃は全23巻と割と短く完結していますが、近年の人気漫画の長編化に一石を投じる簡潔な終わり方も人気の秘訣かと思われます
煉獄を葬った猗窩座ですが、鬼舞辻は部下に厳しく、柱一人倒した程度で…鬼殺隊を全滅させろと冷酷です。鬼滅の刃は〇〇編→療養・修行→○○編というサイクルが続きますが、宇随に連れて行かれ、次巻から遊郭編が始まります。9巻ではどんなお話が待っているでしょうか？
おまけ
映画化された「無限列車編」はその後TVアニメ化もされています。ブラッシュアップされ、全7話という形で放映され、鬼滅の刃の中でも特に人気の高い回です
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