ためになる!「コウノドリ」1巻の産科医療現場の光と影~主人公の産科医・鴻鳥サクラのもう一つの顔はジャズピアニスト・ベイビー!切迫流産・帝王切開・淋病etc…~

はじめに

コウノドリ鈴ノ木ユウ先生が描く産科医療の物語で、実写ドラマ化もされた名作です。講談社漫画賞・一般部門受賞と評価も高く、累計発行部数は940万部を超えています。今回はこの人気作にスポットを当てていきます

2つの顔を持つ男

人気ジャズピアニスト・ベイビーの本当の正体は主人公の産科医・鴻鳥サクラです。病院に電話が掛かって来て、未受診妊娠(妊娠検診を受けていない妊婦が出産直前に搬送されること)の患者が来ます。事前情報が少ないこのケースは受け入れる病院のリスクも高いのです

無事出産し、SW(ソーシャルワーカー)が事情を聞くと、訳アリで今までズルズル来てしまったようなのです。出産後黙って出て行こうとし、サクラに見つかり話を聞くと、お金に困っており、SWは制度等きちんと使えば費用を肩代わりしてくれる事もあると伝えます

サクラに諭された妊婦(矢野)は自分の気持ちは分からないはずだと言いますが、サクラは淡々と産まれてくる赤ちゃんに罪はないと言い切ります。結局赤ちゃんは乳児院に入ることになり、サクラは自身の過去の境遇を思い出し、赤ちゃんが強く生きていくことを願います

切迫流産

次の患者は切迫流産です。流産になりかけており、赤ちゃんはまだ21週と1日で推定体重は420gなのです。下屋は昨日患者に問題ないと話していたばかりだったため、患者は混乱しています。高位破水でまだ羊水が残っている状態のため、まだ出産の可能性は残されています

非常に慎重な判断が必要になり、患者は難しい決断が必要になります。命の危険も高く、合併症等のリスクもあり、患者は折角10年経って待望の赤ちゃんだったこともあり、夫婦で葛藤しながら妊娠の延長を希望します

夫の献身的な姿もあり、状況を受け入れた妻は23週と3日で下屋は帝王切開をサクラに打診しますが、サクラは母体の心配をしています。難しい判断を迫られた下屋は妊婦にどちらも助けたいと伝え、夫婦は帝王切開をすることを望みます

出産は成功、500gの赤ちゃんは小さく、新生児集中治療室(NICU)に移動されます。あんなに小さくて助かるのか問う夫に、サクラは可能性を信じて欲しいと願います。夫は赤ちゃんに触れ、涙します。赤ちゃんの名前を大地に決めます。妻も赤ちゃんに触れ、産んで良かったと感じます。出産に模範解答等ないのです

淋病

今度は夫が淋病のケースです。浮気をしており、こっそり妻も検査してくれないかサクラに頼みますが、同意を得られないと出来ないと言います。淋病期の妊娠は赤ちゃんに多大なリスクが伴い、非常に危険なのです。一見幸せそうだった夫婦はこの件で一転して仮面夫婦となってしまいます

浮気がバレた夫は謝りますが、妻は夫への冷たい処遇と相手の女から慰謝料を取るとしたたかでした。女は強いのです

ボーナストラック

出産は病気ではないものの、様々なリスクが伴い、命の危険と隣り合わせです。ストリッパーの妊婦は帝王切開を迫られますが、仕事の関係でお腹は切れないと言います。そうこうしていると破水してしまい、何とか無事出産を終えます

ベイビーは年齢・経歴は全て不詳で2時間以上上質なジャズを演奏することもあれば、開演わずか10分で椅子を立ち激しくピアノを叩きステージから姿を消してしまうこともあります。ファンはベイビーが産科医で、病院からの呼び出しだということを知らないというくだりでこの巻は終わります

まとめ

サクラという産科医がこの漫画の主人公ですが、ベイビーという人気ジャズピアニストという二つの顔を持っています。産科医療という非常にシビアな世界にいるサクラにとってピアノは自身を開放し、救ってくれるものなのかもしれません

今巻のように産科医療に関わる様々なトピックスが毎回登場し、読者はその壮絶さ・大変さを学べる訳ですが、漫画ということもあり、敷居が低く、感情移入もしやすく、サクサク読み進められます。勉強にもなり非常に有益な、所謂ためになる漫画なのです

切迫流産や帝王切開等のトピックスもありましたが、まだまだ序の口・産科医療の世界。2巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

おまけ

話間には作者の子どもの絵が載っています。連載が進むにつれ、画力も上がっていき、その成長を感じながら読み進める事ができますので、こちらも含めて漫画を楽しみましょう

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