ためになる!「コウノドリ」21巻の産科医療現場の光と影~子宮内膜症・羊水・夫の自覚etc…N市で震度7の地震発生!加瀬、DMTAとして災害医療現場へ~

前回までのあらすじ

四宮は持っていた絵本を全てユリカに持っていってやれと倉崎に言います。これは以前亡くなったつぼみのための物だったのです。売店のジャムパンは船越ではなくユリカが先に買って行ったようで、四宮はそれをプレゼントされ、ユリカと絵本を読むんだと嬉しそうに抱き上げます…

子宮内膜症

井口は緊急搬送され、子宮内膜症と診断されます。これは子宮内膜が子宮以外にできて炎症や癒着を起こす病気で、まだ結婚前ということもあり、妊娠・出産して生理のない時期になれば良くなることもあるようですが、完治が難しい病気なのです

生理痛緩和も含め、ピル服用は有効な対策です。現代の女性は過去の多産の女性と比べ生理期間が10倍だと言われています。ピルに対する世間の認識は若干ズレがあり、理解が広まればまた状況は変わって来ます。倉崎はIUS(子宮内に入れて黄体ホルモンを出す器具)を入れており、格段に生理が楽になったと言います

長倉は妊娠6週ですが、チョコレート嚢胞(子宮内膜症を原因とする疾患)と診断されます。色々と不安もありますが、サクラの説明で長倉は納得し、心配する夫を諭します。順調に経過していた矢先、31週で急激な下腹部痛でペルソナ医に向かいますが、結果は便秘痛でした

まずは出産が無事済むことが先決ですが、今後の家族の方針として更に妊娠を望むかで対応も変わって来ます。妊娠に関係なく女性にとって定期的に産婦人科の診察を受ける事が大切なのだとサクラは言います

羊水

ゴローは患者が破水して出た羊水をサッと避けれず顔に被ってしまいます。森本は義妹から羊水過多ではないかと言われ受診し、羊水について説明を受け、妊娠糖尿病の検査をする事になります。受診後森本は母から祖父がバリバリの糖尿病だったと聞かされます

入院やインスリン注射の話も聞いたため、森本は怯え、まるで自首する前の犯人の気分だと言います。沖田の店でピアノを弾くゴローサクラにセンスがある、ベイビーみたいだ!と言い、サクラはドキリとします

結局森本は糖尿病ではなく、無事出産、破水した羊水を避けたゴローでしたが、ズボンに掛かっておもらしみたいになり、小松にまだ50点だと言われます

夫の自覚

荒川は妻が妊娠したと分かり、自分では協力的になったと言いますが、キャバクラに行く等ゲスの極みです。二日酔いでパパ・ママ教室に行き、寝ぼけ眼で話を聞き、8㎏ある疑似エプロンを付けて妻の大変さを感じて貰いますが、どこか他人事です

荒川の妻はソフロロジー式分娩法について小松に聞き、初産だしイメージトレーニングだけでもしたら良いと言われます。相変わらず飲み歩いている夫に嫌気が刺し、妻は離婚を切り出します。取り合えず出産まで平行線となりますが、妻は友人が離婚した事に後悔もあると言われ、慎重になります

早く帰ると言いながら、急な接待が入り、荒川は得意分野なのでキャバに繰り出します。このタイミングで妻が陣痛が来て、夫と連絡が取れなくて揉めます。接待終了後荒川は慌ててペルソナ医に向かい、その壮絶な状況に驚きます

結局無事出産、荒川は改心し、今更遅いと言われつつ、これから頼むよパパと妻は声を掛けます

災害医療<前編>

N県N市で最大震度7の地震が起こります。加瀬はDMTA(災害派遣医療チーム)から待機要請のメールが来ます。これは阪神・淡路大震災が教訓となり発足されたもので、医師1~2名、看護師2名、業務調査員が1名程で構成されます

被災地の情勢に頼らない「自己完結型」のチームでなくてはならないのです。被災地は四宮の実家で父親のいる病院もあるため、その事も踏まえて加瀬は現地に向かいます。そこで加瀬マホと再会、彼女は災害時小児周産期リエゾンとして来ています

加瀬達はN医療センターに向かい、被災状況の情報収集と入力を任せられます。一般的に災害現場に入り救急救命医療を行うと思われがちですが、指揮命令系統の確立、本部機能の立ち上げ、EMIS(広域災害救急医療システム)の入力という地道な仕事を行います

EMISはライフラインや被害状況、アクセスルートや通信手段の確認、患者情報等災害時都道府県を越えて集まるDMTAにとって最も重要なシステムなのです

ここでペルソナ医チームはSCU(広域搬送拠点臨時医療施設)に向かう事になり、そこでトリアージ(患者の緊急度に従って優先順位を付ける事)を任されます。緑・黄・赤・黒と色分けし、対応を進めると、32歳妊娠8か月の妊婦が運ばれて来ます

骨折ということで、黄タグを付けて待機して貰うと、破水してしまい、加瀬はリエゾンの事を思い出し、対応して貰います。結果適した搬送先を見つけ、隣県のT総合医療センターにドクターヘリで搬送されます

マホ加瀬に足りないところは私を使ってくれたら良いと話します。翌日からペルソナ医DMTAチームは各避難所をまわってくれと依頼されます。避難所ではソウタが被災した家に戻っており、そこで大きな余震が起き、がれきの下敷きになってしまいます

両脚が挟まれ動けず、ソウヤは祖父の薬を持っており、加瀬が自分でジィちゃんに渡してやれと元気づけるところでこの巻は終わります

まとめ

コウノドリで度々描かれてきた妻と夫の自覚の違いですが、今巻ではより具体的に項目として取り上げられます。妊娠については基本的に女性の身体的な問題なので、どこか他人事の夫もおり、また、今回出て来る荒川はキャバクラ通いという悪癖のあるゲス夫で、温度差から離婚を切り出されます

女性にとって弱い部分は夫に経済的に頼っている場合が多いという事です。一時の感情で離婚してしまい、その後経済的に破綻してしまっては大変です。産まれて来る子供のためにも、パートナー選びの重要性と、各々の意識の問題が浮かび上がって来ます

また、今巻では災害医療という分野にまで読者の目を向けさせています。勿論コウノドリは妊娠・出産にまつわる話で展開していくのですが、災害時の医療現場についても触れ、どうしても被災者目線になりがちな中、医療従事者の視点から描かれる内容は新鮮です

救急救命医療として現場に向かうと思いきや、地道な情報収集・入力を人力でやっている姿に、こういった作業を行う人達がいない事には円滑な災害医療は行えない事が分かります。普段は全く別の環境でチーム医療をしている者達が、各々の役割を持って各セクションで活動する事が重要のようです

災害医療<後編>ではどんなお話が待っているでしょうか?

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