ためになる!「コウノドリ」25巻の産科医療現場の光と影~同性愛・性分化疾患・梅毒…非常にデリケートな問題を読者に投げかけます~

前回までのあらすじ

坂上夫婦の希望で赤ちゃんの名前はリカに決めて欲しいとなり、リカソラカと名付け、各々が違う道を歩み始めます…

同性愛

テレビで引っ張りだこのLGBTのタレント、サクラにはそういった知り合いがおり、ゲイバーでピアノ弾きのアルバイトをしていた時期があり、そこでベイビーが誕生したのです。今では店主のキョウスケは、何と子供ができた、父親になるかもしれないと言います

今度はレズビアンのカップルが妊娠したと受診して来て、ゴローは驚きます。セルフシリンジ(排卵日に精子提供者から精子を針のない注射器に入れて貰い膣内に自分で注入)で済ませたものと思われ、国が同性婚を認めていない日本では、まだまだ少数派です

サクラはLGBTについて語り、中でも性同一性障害への処遇は法改正で少しずつ緩和されて来ているとゴローに説明します。実は例のカップルの精子提供者はキョウスケで、3人で誓約書の確認をし、その事をサクラに話します。そこでサクラは店の前オーナー・ヒトシに子供がいた事を明かします

ヒトシは高校生の頃当時から男性が好きだったものの、流れからある女性と関係を持ち、妊娠、相手方の家族と揉め、子供は相手方の両親が育てる事になり、会わない約束をしていました。ヒトシキョウスケの精子提供に反対していたのもこの事から来るものだったのです

例のカップル(リョウケイ)は胎動を感じ喜びます。キョウスケは誓約書を見直して欲しいと持ち掛けますが、ケイは反対します。カップルは他の夫婦を見ながら、結婚している普通の夫婦とは違うという現実を感じます

キョウスケの店でサクラリョウがたまたま集まり、サクラは一瞬疑われますが、誤解も解き、同性婚のリスクや単純にケイの嫉妬だと話し、事実ケイは家に帰ったリョウにその事を謝ります。キョウスケも二人にはもう関わらないと割り切ります

リョウがいよいよお産となりますが、なかなか進まず、ここでも帝王切開の同意書を同性婚の場合どうするのかで揉めますが、サクラは冷静に法的に夫でなくても構わないだろうと柔軟です。無事出産し、後日カップルは赤ちゃんの写真をキョウスケに渡します

性分化疾患

リオは性分化疾患のため子供が産めないと診断され、母は嘆きます。完全型アンドロゲン不応症を持つ女性は生理が来ず、いずれ手術も必要、特にメンタルケアが大切になって来ます。性の問題は非常に多岐に渡る上、繊細な問題のため、慎重な対応が必要です

サクラは今までの様々なケースを思い出しながら、本当にその人その人多種多様だと感じます

梅毒

梅毒が急拡大しているニュースが流れます。ピル等の普及でゴムを使わない性行為が増え、また、不特定多数の異性との関係を持つ手段も増えて来た事も要因として考えられます

梅毒に罹った夫は妻に何と説明したら良いか悩みながら、妻が妊娠しており梅毒に感染してしまい、胎児へのリスクも高いため、サクラは早目に抗生物質で対応、初期の妊娠健診が大切だと話します。夫に風俗通いでの感染と突き止め一喝し、妻は完全に主導権を握ります

初診・未受診の妊婦のエコーを取ると、梅毒である事が分かります。リオンは20歳の学生で風俗嬢でもあり、その辺が感染原因でもあるようなのです。緊急帝王切開となり、仮死状態の赤ちゃんは先天梅毒でした

眼科のサクラに梅毒について眼科視点からの話をします。SWは両親に相談すべきだと進言しますが、赤ちゃんの様態が急変、亡くなってしまいます。当然辛い訳ですが、リオンはある意味ホッとしたとも話しており、倉崎は彼女の気持ちが分からなくもないとサクラに話すところでこの巻は終わります

まとめ

今巻も非常にデリケートな話題を取り上げたコウノドリ、例え少数派であっても、必ずこういったケースは出て来る(今後増えていく可能性もある)のです。LGBTで悩む人や、パートナーとの子供を持ちたいと考える人は一定層いる訳で、繊細な対応が必要です

日本では他のオープンな国と比べこの分野は遅れており、肩身の狭い想いをされている方も多くいると思われます。コウノドリでは本当に様々なケースを取り上げ問題提起してくれますが、今巻でサクラが感じ入ったように、本当に千差万別、一人として同じケースはないのだなと感じさせます

だからこそ正解等なく、自分なりのその人らしい生活が送れるように、多くの人が他人を色眼鏡で見ない世の中になっていければ、偏見・差別は無くなるのですが…本当に難しい問題だと思います

まだまだ続くコウノドリの世界、26巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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