「NANA」1巻の数々の恋模様とバンド活動の光と影~序章:二人のNANA…奈々とナナの対照的な歩みとは?お互い同じタイミングで上京を志す~

はじめに  

恋愛漫画の金字塔として誉れ高いNANAは、矢沢あい先生の集大成であり、恋模様に音楽・バンド活動を織り交ぜた展開が話題を呼び、メディアミックス化が盛ん、特に実写映画のインパクトが強い作品です。累計発行部数5000万部を超える人気作に、今回はスポットを当てて行きます

NANA-小松奈々-

ラブホの駐車場で、奈々は不倫相手の浅野から別れ話を切り出され悶絶します!奈々は女子高生で、学校で親友の淳子に経緯を説明し涙します。奈々は恋多き乙女で、卒業式に数々の過去を思い出します。美術の岡本先生、レンタルビデオ屋の中村さん、バイト先の川崎さん等大挙に暇がありません

そんな中、ダイエット中に具合が悪くなり、映画館で浅野と出会うのです。奈々は去り際バイト先を告げ、2週間後浅野が現れ結ばれたのです。とは言うものの彼の事は携帯の番号くらいしか知らず、会えるのも月に2・3回、そんな関係に満足していました

高校を卒業した奈々淳子と共に地元の美術学校へ通う予定です。淳子は呆れ、奈々が男漁りに来たんじゃんと咎めます。そこでは旧友の章司と再会(イケメンです)、併せて京介とも出会います。今まで男を雄としか見て来なかった奈々はこれからはまずは男友達を作ると決意します

淳子宅で飲み会が始まり、奈々は今までの恋路を語り、最後の浅野のくだりで泣き上戸となり、寝入ってしまいます。飲み会はお開きになり、京介も泥酔し一泊、章司が帰る中、翌朝意気投合した淳子京介は既にデキており(笑)、浅野の事を忘れられない奈々淳子章司との仲を取り持ってやると告げます

学校で章司奈々を映画に誘いますが、その事からまた浅野の事を思い出してしまいます。恋を忘れるには新しい恋をするしかないと決意する奈々、夏休みに4人で旅行に行く事になります。ここで気を利かせた奈々京介に部屋を譲り、章司と相部屋となります

あたし達友達でしょ?と問う奈々に対し、章司男は別に恋愛感情なんかなくてもやりたきゃやれるんだよ!とぶちまけます。奈々は男友達として章司が好きだと譲らず、手を出せない章司は悶々と一夜を明かします。事の顛末を淳子に告げると、何と淳子京介は来年東京の美大に行くと決めていました

これで奈々は東京に追いかけて行く事に決め、4人で下見に行き、そこで章司と口論となり、置いてけぼりにされますが、なんとそこに浅野が現れます!一緒に食事をし、変わらない浅野の態度に、奈々は本当に愛していたと気づきます

その後ホテルに戻った奈々は、章司と仲直りし、奈々が地元に残ってバイトして上京資金を貯め、一年後章司が大学受かったら一緒に上京すると決め、二人は結ばれます。奈々はその後バイトに明け暮れ、十九歳、彼氏はいれど遠距離恋愛、今に見てろよ大魔王と嘯きます

NANA-ナナ-

ナナはブラストという4ピースバンドの女性ボーカルで地元で人気があります。ギターのノブ、ベースのレン、ドラムのヤスは打ち上げでしこたま飲み、帰り際ナナレンは仲良くファンから貰ったマフラーを巻いて帰ります

レンの家で一緒に風呂に入るナナの昔語りが始まります…家庭環境の話題から、二人の馴れ初めまで。ノブナナレンに引き合わせた張本人で、ライブで最前列でレンを観たナナが感じた感情は、恋とかときめきだとか、甘い響きは似つかわしくない、嫉妬が入り混じった羨望と、焦燥感、そして欲情だったのです

ピルの心配をするナナですが、レンはガキの一人や二人全然平気と無頓着です。ナナは今は子育てよりライブがしたい盛りなのです。ここでレンナナに東京に行くと打ち明けます

ヤッさんノブに事情を打ち明け、「トラップネスト」のメジャーデビューが決まるも、急遽ギターが抜けてレンにお呼びが掛かったと…ヤスは音楽で飯を食ってくつもりはないと現実的で、ノブも寺島旅館の跡取り息子という境遇なのです

ノブレンナナの関係を気にしています。ヤッさんナナが本気なら東京に付いて行くだろうし、ナナの決める事だと譲りません。過去ブラストのメンバー選考でたまたま寺島旅館に現れたナナを大抜擢し、今に至るのです

ノブは東京に行って新しいメンバー探して一緒にどこまでやれるか試してみないか?とナナに持ち掛けます。今更他のボーカルでギター弾く気にならないと…レンに言って欲しかった台詞を言われ、ナナは泣き、もっと実力を付けてレンがいなくても自分の力でちゃんと歌えるんだって自信つけて東京に行くと決意します

ナナレンが結ばれたのは出会ってちょうど1年目のクリスマスの夜でした。走馬灯のように過去が過る中、ついに別れの時が来て、新幹線で3人はレンを見送り、レンと暮らして1年と3カ月、あたし達は終わったとナナは涙します。離れて暮らす事が致命的なのはお互い分かっているのに

その後ブラストは新メンバーでライブに精を出し、レンの事を忘れられないナナレンと別れて1年と9カ月、もうすぐ2度目の春が来る、三月の二十歳の誕生日には頑張った自分にプレゼント・東京までの片道切符を買いに行こう、手荷物はギターと煙草さえあればいい…と独り言ちたところでこの巻は終わります

まとめ

言わずもがな二人のNANAが出会うくだりが超有名かつ印象的なNANAですが、1巻はその前の二人の様子が描かれます。正に対照的な二人ですが、恋に盲目で、正に今時の若い女の子代表的な奈々とは逆を行くナナの紹介に度肝を抜かされますね

奈々は何かと大王様が…と呟き(NANAの間ではキーワードとなります)、周りを巻き込み振り回すトラブルメーカー的な存在に見せかけ、その実どこか放っておけない、女性としてのしおらしさ・可憐さもあり、ここがNANAにおける奈々の立ち位置ともなってきます

ナナは地元で人気のロックバンドのボーカルとして活動、ベース(ギターも出来るレンと付き合っています。ところがレンに上京話が浮上し、急転直下で二人は別れる事になります。二人の関係は近くにいてこそ燃えるもので、奈々のように遠距離恋愛で成立するものではありません

NANAというタイトルで奈々ナナという対照的な二人の登場、ここから二人は運命的な出会いをし、以後つかず離れずの関係となっていきます…2巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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