前回までのあらすじ
詩音は追っかけファンクラブの仕切り役としてかいがいしくヤスに状況を報告します。日記を書き始めた奈々はナナに見つかりスリルを感じつつ(笑)、 ナナがグアムでCMの撮影がある為パスポートを探し無事見つかります…
ブラストのツアー直前での激震
別の時間軸では、ナナがイギリスにいるのでは?と707号室で奈々と他のブラストメンバーが話しています。ブラストの曲を弾きながら、ノブは奈々と近況を報告し合います。シンとヤスは車を走らせ、例の写真が誰からの物か思案します
現在に戻りブラストはアリーナクラスの会場でリハで、その広さに驚きます。トラネスも帰国し、明日は横浜アリーナでブラストのライブです。ヤスは相変わらず周りの心配をし、舞は今はよけいな心配は全部周りに任せて明日からのツアーに向けて全力で集中して下さいと励まします
シンはリハに遅刻して現れますが、ナナは気張り盛況に終了、レンも帰国し、ナナと他愛のない話をします。このひと時の幸せを噛み締めつつ、ナナはレンと一緒に死ぬのとステージで死ぬのとどっちが幸せなのかと考えます
シンは仕事と寮の行き来ばかりで気が滅入ります。シンが実家に帰って荷物を取りに行くと、兄らしき人物がシンの部屋は親父が図書室にしてしまったと言います。翌日シンは行方をくらまし、皆心配する中、死海から連絡があり、シンが警察にしょっ引かれたと言われます
ブラスト活動休止でナナ、ソロデビュー!?
シンは凌子の部屋に2人でいる所に警察が来てマリファナの現行犯で逮捕されます。ナナはベースが弾ければ誰でもいいとレンに白羽の矢を立てますが、調子がいい時は仲間で都合が悪くなったら他人かよ、そんなやつの後ろでベース弾きたくねぇと突っぱねます
結局ツアーは全公演中止となり、ヤスは責任を感じるって言うのは自分の存在を自覚する事でもある、自分の代わりが他にいるなんて思わせるよりはずっとマシだとシンが復帰するまで活動も休止する気です。サーチも尻ぬぐいに奔走しますが、焼け石に水です
寮で沈むナナの下にミューは奈々を連れて行きます。社長はナナに今だけソロになって活動しろと告げます。ヤスもノブの事も心配せず今は自分の事だけでいい、一晩で考えろと迫ります
周りの人間の為に、仲間の為に歌う
ミューはソロの話が貰えるとは稼げると見込まれての事でタイミングを見逃したら上手くは行かない、業界で生き残りたければ今はそれしか道はないと言います。皆ヤスを頼って、彼の気持ちを考えられないでいたのです
レンはレイラにナナの機嫌取るの疲れたと話し、そこにタクミが入れ替わりで現れ、レイラとシンが合う場所はレンの家がいいかもなと提案します。自身を責めるレイラにタクミはシンも含め追い詰めたのは俺だとし、そんな事の為にトラネスを築いたわけじゃねえと苦悩します
ミューはワザとナナとヤスを二人きりにする気遣いを見せ、ナナはソロになって絶対売れてみせるから、ブラストはあたしが潰さないと宣言します。ヤスに「ありがとう」と言われ、今まで自分勝手だった、周りの人間の為に、仲間の為に歌うと気持ちを決めます
ヤスはミューが詩音の事もお見通しだと悟り、誤解も解き、ノブも眠れぬ夜を過ごします。707号室で一夜を明かしたナナの下に舞が現れ、レンからの連絡はなく、各々少しずつすれ違っていくところでこの巻は終わります
まとめ
バンドと覚せい剤は切っても切れない関係で、巷ではよくメンバーの逮捕というニュースが入って来ます。特にボーカル等主要メンバーだと活動は困難となり、非常に混乱するわけですが、ブラストの場合ツアー直前の逮捕という激震です
当然ツアーはキャンセルせざるを得ず、当人は勿論、楽しみにしていたファンの期待を裏切る形となります。バンドというものを応援する事は、その人の人生を応援する事なので、その人の失態等誰も見たくありません
ファンは裏切られた、今まで捧げてきた時間を返せと感じるのは当然です。それくらいバンド活動というものは神聖で、尊いものである反面、代償も大きいという事でしょう。ブラストの場合、大々的にデビューしシングル・アルバムと立て続けにリリースし、大規模なアリーナツアー直前というタイミングでの失態でした
ベースの失態の為、バンドの顔であるナナがソロで活動して時間を繋ぐ作戦ですが、これはナナの今までの気持ちを改める良い機会にはなったようです。周りの人間の為に、仲間の為に歌うと思わせる程、今回の事は自分の太刀振る舞いを考えるきっかけとなったのです
バンドはファンとの信頼関係あってのものです。つまずいたブラストが立ち直る事は出来るのでしょうか?19巻に続きます…
おまけ
今巻の特別読切は「TAKUMI」です。幼き頃からレイラと出会い、荒れる私生活で徐々にグレて行く中、レイラは歌姫として頭角を現し、タクミは現在の女たらしの原型のようなものが出てくる中レイラの存在だけは神聖で、穢せないという立ち位置は昔も今も変わらないというお話です
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