「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」10巻の数々の激戦と成長譚~テアボロ邸襲撃事件、テキサス・コロニー移住、アストライアの死…立て続けに起こる悲劇の中、エドワウが瓜二つのシャアと入れ替わってジオンの士官学校入学~

前回までのあらすじ

そこからは太陽も見え、キャスバルは生物の全ての根源がそこにはあったと語ると、青い地球も見え、青くてきれいだけど人間達はあれを汚してしまったのでスペースノイドはあそこを追われ、父はあれを甦らせようと戦ってきたのだと話します

更に月が見え、満月には見えない月が丸くなるの?とアルテイシアが不思議に感じます…

テアボロ邸襲撃事件

セイラアルテイシア)は10歳となり、医療ボランティアをしており、父親代わりのテアボロセイラが利発な子に育ったと喜びます。エドワウキャスバル)はジンバ・ラルからニュータイプについての高説を受けてうんざりします

セイラが少し熱っぽいと言いエドワウと休みます。ジンバ・ラルはアナハイム社の者と接触し、サイド3への武装反抗の企てをしている事をテアボロに非難されます。ジンバ・ラルは魔が差したと言い、ザビ家が統領の国がジオンを名乗る等耐えられなかったと嘆きます

セイラは高熱となり、サハラ熱の可能性もあると診断され、エドワウが朝まで一緒についている事になります。すると唐突にテアボロ邸が襲撃を受け、テアボロは塔から落下します

甲冑を被った刺客が塔を登って来て、ジンバ・ラルを刺し殺してしまいます。上に逃げるエドワウ達は剣を手にし、工事中の最上階で甲冑の刺客に出くわします!エドワウは押されますが、持ち前の運動神経で対応、刺客の鋭い突きをかわすと、甲冑の隙間に上手く剣を突き立て、更に体当たりし螺旋階段から蹴落とします

事件後警察が実況見分に来ますが、見舞いにヤシマカンパニーのCEO:シュウ・ヤシマが現れ、重体のテアボロと面会します。テアボロ物盗りではなく、ザビ家の仕業で、ジンバ・ラルがアナハイム社と接触したからだろうと話します

シュウはルウムに住む気はないかと提案します。テキサス・コロニーはテーマパークとして建設されましたが途中で頓挫し、シュウが買い取り工事を進めた経緯があります。シュウ敢えてジオンの近くにいる事で恭順の意を顕し、政争に巻き込まれないようにしてはどうかと…

テアボロはその好意に快諾し、シュウの娘のミライに涙を拭って貰います。ミライは優秀な秘書でもあり、宇宙飛行士になりたいようです。名前が「future」の日本語だと悟ったテアボロは良い未来が訪れるようにと言い、去り際ミライは窓越しにエドワウセイラを見かけ可哀そうにと感じます

テキサス・コロニーでシャアと出逢うエドワウ

ギレンキシリアジンバ・ラルを殺ったな?と咎め、親衛隊は正規の軍機関だ、責任をもって部下を統率しろと釘を刺します。クラブでハモンが歌っていると、酔客が暴れるので、ランバ・ラルが成敗し、そこにドズルが現れます。父の件で怒り心頭のランバ・ラルドズルは頼みがあるとドッキングベイに連れて行きます

そこには将校になったガイアがおり、兵隊ヤクザのマッシュオルテガも昇進しており、モビルワーカー01式に搭乗しガンタンク相手に模擬戦を展開、バルカンの攻撃を大きなシールドで防ぐと、主砲からの損傷も軽微、次弾をかわすとクロウでガンタンクを破壊します!

アムロハロを買ってもらいテム・レイと共にムーア行きの船に乗るところをセイラに見られますセイラ達もテキサス・コロニーに飛び立ちます。ローゼルシアが亡くなったと知りアストライアは面会するハモンに愚痴をこぼします

アストライアハモンの勤めるクラブ:エデンの元歌手で、過去を懐かしみながら、ダイクンが現れ運命が変わった事を話します。アストライアは病弱になっており、そのまま眠ってしまい、ハモンは静かにそこを後にします

モビルワーカー同士の激しいやり合いの中、流石のランバ・ラルマッシュを倒しますが、お互い殺気だち物々しいです。ランバ・ラルからの意見は非常に貴重で、ドズルは良いテストになったと喜びます。怪我をしたランバ・ラルはエデンを訪れ、ハモンに介抱されます

お互い事情を説明し、キャスバルアルテイシアがテキサス・コロニーに移り、連邦とのかかわりを断ったと表明する意味でも良い事だとハモンは言います。エドワウ達はテキサス・ビレッジのチーフ・マネージャー:ロジェ・アズナブルと面会します

ホテル用に作られた趣向を凝らした建物を気に入ったテアボロエドワウセイラは早速馬に乗ります。エドワウが早くも乗馬のコツを掴む中、セイラの前にシャア・アズナブルが現れ、セイラは兄にそっくりだと感じます(違うのは目の色くらいです

ここでの作法を教わり、エドワウと対面したシャアはお互い名乗り、早速ハイタッチして意気投合します。夜その事を嬉しく母への手紙に書いていると、エドワウが現れ、闘病の末アストライアが亡くなったと告げ、セイラは泣き叫びます

シャアと入れ替わってジオン士官学校入学

遺体も墓碑銘すらない墓に何度も赴く二人を見て、テアボロは不憫に感じます。テアボロエドワウ達と学校を訪れ、特にエドワウの優秀さ(むしろ恐ろしさ)を語られます。抜身のナイフのようだと恐れる校長にキレたテアボロはクビだと怒り、ロジェシャアと同じ学校に入れさせては?と提案しますが、シャアはジオンの士官学校を受験したと言われます

エドワウは付きまとう蠅に嫌気が刺し、喧嘩沙汰を起こします。エドワウは強く、もう殺してしまうかのような勢いでしたが、セイラに泣かれて喧嘩を止めます。するとシャアが士官学校に合格したと喜んで帰って来ます

シャアは完全にジオンに入れ込んでおり、熱く語り皆白けます。ルシファーは逝き、セイラが悲しむ中、エドワウもルウムの学校に行くと宣言し出て行ってしまいます。エドワウは一計を案じ、シャアと共にルウムを訪れ、危険を感じたキシリアは密かに事故に見せかけた暗殺を企てます

ロジェセイラエドワウを止めるべく空港に向かいます。出入国手続きの際エドワウは細工をしシャアの妨害をし、二人が入れ替わる事でこの便に間に合うように仕向けます。お互いの服を着替え、上手く入れ替わり、船は出国、セイラも間に合いません

シャアと入れ替わったエドワウは残り、次の便に乗る事になります。シャアは船内で大事な書類がないと荒れると、船が爆発、命を落とします。エドワウシャアに成りすましジオンの士官学校に入学、ギレンの演説が盛り上がる中、校長のドズルも名演説を展開します

一人ずつ名が呼ばれ、エドワウシャアとして呼ばれ返事し、キシリアも気づいていません。…以上二六五名代表としてガルマが宣誓をするところでこの巻は終わります

まとめ

現在のシャアエドワウ)を創っている源のようなものが垣間見える巻でした。テアボロ邸襲撃事件、テキサス・コロニーへの移住、シャアとの出逢い、アストライアの死と立て続けに経験し、ダイクンの死も含め復讐に燃えるエドワウは一計を案じ、何と瓜二つであるシャアと入れ替わって難を凌ぎ、更にジオンの士官学校に入ってしまうのです!

様々な偶然が重なったとはいえ、これでジオンへの私怨の原因も判明し、更に同学年にはガルマもおり、旧知の仲だった事も分かります。このようにTHE ORIGINでは今まで語られる事のなかった1stガンダムの舞台裏が明かされ、伏線を回収していく様が痛快です

セイラも少しずつ成長し、現在の気丈で聡明な女性へと変貌していきます。この兄弟の境遇には同情の余地もありますが、若くして思慮深い二人がどうしてそうなったのかも納得の行く背景です。ここから主にシャアエドワウ)のジオン士官学校でのエピソードが始まります

この独自展開は話題を呼び、今まで語られる事のなかった真実として多くの読者に受け入れられ、人気作となりました。単純に1stガンダムの焼き増しではない点が人気に火をつけたのでしょう。11巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました